我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2023年12月 2日 (土)

右手にも左手にも対応していた


早速、解決編です。

昨日話題にした「L字型グリップ」。右手でグリップしたら、巻上げやシャッターレリーズはどうするの?と質問形式の内容にしていたところ。いくつか、ご意見を頂戴しました。

その中に「これは!」と思える、『グリップ部分を付け替えれば、左手で使えるのでは?』という案があったので、試してみました。

グリップ部分のネジを外してバラすと以下のような作り。

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これを向きを変えて組み合わせてみたら、全く何の問題もなく左手で握れる向きになりました。ベルトがどっち側に付いても対応出来るような窪みがグリップ部にあったのです。

これで、空いている右手でフィルムを巻上げたり、シャッターレリーズをしたりすることが可能になります。

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製品としては、左右の付け替えが可能になっていたであろうことが推測出来るわけですが、そもそも、右手で握るスタイルはどういう条件下で使うことを想定しているんでしょうね。右利き・左利きという問題ではないですからね。

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あっ!最後の最後に気付いてしまいましたが、昨日の状態はグリップ部の取り付る向きが上下逆だったようです(昨日の画像や今日の一番上の画像参照)。握った時にはそんな違和感なかったんですけど、指の位置に合わせた凹凸が上下逆の方がシックリときます。人差し指と中指はそれぞれに凹があって、薬指と小指は同じ凹に収まる状態。右手側でもその向きで装着出来るので、以前に左手グリップから右手グリップに変えた人がセットし間違えたんでしょうな。

ただし、アクセサリーシューのストッパーの位置は左手グリップの時の方が被写体側にあって確実にスンナリと受け入れられます。 右手グリップの時にはストッパーが自分側に来てしまいますから…だからと言って使えないわけではありません。

 

 

2023年12月 1日 (金)

右手用ですよね…

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このL字型グリップ、ちょっと気になることがあります。

握り部分の形状からして、上の画像のように右手で握るものと思われます。

でも、このグリップにカメラをセットすると下の画像のようになると思うのですがその時、フィルムの巻上げやシャッターボタンを押すのはどの手でやるんでしょう???

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ちょうど、そのことが気になっている最中にご来店された常連さんに「どう思います?」って相談してみたら、最初に出て来た答えが「エギザクタ用でしょ!(^^)」と。

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たしかに、あのカメラなら左手巻上げ・左手レリーズですからね~。でも、日本製の汎用品っぽい製品なのでエギザクタ限定とは思い難く、、、

ケーブルレリーズを通す穴がありません?とか、ムービー用?などなど~いろいろと考えているのが楽しい時間。

その使用方法を聞けば、きっと「あ~」と思うようなことなんでしょうけどね。

 

 

2023年11月30日 (木)

橋渡しをした両方にご報告

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ブラックのペンタックスS3、我楽多屋で何度も物々交換をご利用くださっているお客さんが少し前に放出されたものです。その時点ではシャッターが不動でした。

その後、それを買って行かれたお客さん(我楽多屋で買って直したカメラを何度も見せてくださっている)が「直りましたよ~」と見せに来てくださったことがありました。

「フィルム入っていないので、シャッター切っていいですよ」と言われたので、チャージして1回目のレリーズをしたら何故か途端に不動になっちゃいました。うわ…責任重大…と思っていたら、「あ、原因分かるので再度調整してきます」とお客さん。

で、この画像は再度ご持参いただいた時に撮りました。ファインダーも綺麗になって覗き感もシャッター切った感も実に良い具合でした。

 

ちょっと話がややこしくなるかもしれませんが、再度ご来店いただくまでの間に元々このS3を持ち込まれたお客さんが来られたので、「この前のブラックのS3。買って行かれた方が直して見せに来てくださって、喜んでいらっしゃいましたよ」とお話する機会がありました。

その方は「私も直そうと思って入手したんですけど、シャッター幕まで手を出すとちょっと手間も掛かるので、結局なかなか手を付けられなくて…。いつもこういうものばかり持ち込んですみません」と。でも、そのカメラを必要として直してくれた人の所へ行ったことに安堵してくださっているようでした。

で、結局のところ。私がシャッターを切ってまた不具合を起こしてしまったことで、再度直してご来店いただくことになったことで、直したお客さんにも前オーナーさんに伝えた話をすることが出来たわけです。

持って来た人と直した人の両方に、橋渡しをした店としてご報告が出来たことがちょっと嬉しくてブログネタとしました。

 

もう一つ面白いことがあって、S3を直した人が次に買って行かれたミノルタSR-1ブラックは、S3を持って来た人が次の時に持ち込まれたもの。同じくシャッター幕に何かある系の状態という~。

 

 

2023年11月29日 (水)

秋っぽい空だけど

本日水曜日は、我楽多屋の定休日です。よろしくお願い申し上げます。

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二代目の「先週撮ったもの行ったとこ」は、汐留です。

季節の変わり目にこの数年いつも思うのは、春と秋がほぼ無い…という感覚。今年も夏から一気に冬になってしまった感じです。

この日、雲だけは秋っぽかったんですけどね。

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2023年11月28日 (火)

切る人

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先週から何故か続いている「~人」シリーズ、「消す人」「座っちゃう人」「書く人」に続く第4弾「切る人」。

ずいぶん前に、ニコンF用ニッコールレンズの標準50ミリ用フードを切って深さを浅くして、広角28ミリ用くらいに加工したフードが出て来たことがありました。

大きな「F」マーク入りなので、中古カメラブーム以降はいい値をそこそこ維持しているフードを切ってしまっいますが、これがいつ切られたのかは不明です。現行品当時に切られたのかもしれないですし。

このフード、何故か売り物にせずに、いまだに店のバックヤードに置いてありました。それを今回、引っ張りだしてくるようなフードが現れました。

ライカの90ミリ・135ミリ用フードを標準50ミリ用くらいに加工しているのです。これもいつ切られたのか不明ですが、ライツ製品は現行品当時からそれなりなお値段がしていたはず。

切ってしまって勿体ない~という意味合いで話題にしているわけではありません。加工した持ち主さんに何らかの理由があってされたことでしょうし、加工後はそのスタイルで役に立っていたのでしょうから。

ただ、ニコンとライカ、日本とドイツの人気メーカーのフードでこうして同じように切って加工されているものが、今 我楽多屋に揃っていることに何か不思議さを感じているだけのことです。

 

 

2023年11月27日 (月)

ソニー初の一眼レフ

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2006年6月に登場した、ソニー初の一眼レフデジタルカメラ「α100」。

ちょっとセンセーショナルでしたね。コニカミノルタがカメラ事業から撤退して、デジタル一眼レフ事業をソニーへ譲渡したのが2006年3月でしたから、僅か3ヶ月で「SONY」のネームを掲げた一眼レフが登場したんですもん。

裏では当然に大人の事情があったわけで、レンズマウントはミノルタ時代から続くαマウントで、アクセサリー類も互換性がある。ただ、「α」のロゴは大きく変わりました。

そして、改めて今回よく見て気付いたのはα100って、ボディ前面には「α」としか記されておらず、「100」が記されていないのです。

確認すると、後から出て来るSONYのαシリーズは全機種ボディ前面に、αと数字で構成された機種名が記されています。ミノルタ時代もそうでした。

では、ボディのどこに記されているかというと、背面にある液晶画面の下に小さく「α100」と記されているだけ。この意図はどういったことなんでしょうね??

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2023年11月26日 (日)

ちょっと本音をダラダラと

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このカメラをご持参されたのはシニア女性でした。お母様が持っていたものだそうで、ご持参された女性も若いころにお使いになったことがある~とのこと。

当時このカメラをお使いになっていたお母様はハイカラだし、想像するに…60年くらい前にこのカメラを使われた娘さんもカッコいい。

とはいえ、50年以上置きっぱなしになっていたらしく、我楽多屋がテレビ番組の「じゅん散歩」で紹介されたのを見て、うちの店へ足を運んでくださいました。戦前のツァイス・イコンのカメラなんですけども、買取り査定としては非常に厳しいモノがあります…。

多分、50年くらいずっと入ったままであろう袋から女性がカメラを取り出そうとされるのですが、袋がボロボロと裂けていきます。出て来たカメラを受け取って前板を引き出そうとしましたが、固着していて開きません。無理に引き出して私が壊してしまうと、まだお客さんのものなので責任問題になりかねないので、一旦やめました。

そこまでのお客さんとの会話は、普段も時々あるような以下のような感じ。

「事務的にお答えすれば値が付きません…という部類の品物ですが、それでも手放すということであれば、何百円か千円までってところですよ」(このカメラでも、直近にプロの修理から仕上がって来たばかり~とかいうなら話は少し別ですが)。

すると、「良く写るんですよ」と言われるので、「写る写らない動く動かないという話ではなくて、市場性の問題なんですよ~」と返すことになります。

普段からこんなやり取りを、高く売れると思ってやって来た人とはよくしています。

そこで、「お母様の形見に持っておかれてもいいのでは?」などと提案しましたが、「子供たちが全く興味ないから次の代で捨てられることになる…」と言われます。「でしたら、何らか欲している人への橋渡しをしますから、おまかせてくださいよ」と。

こんなやり取りもよくするのです。

今回はその女性が「分かりました、もらっていただけるなら、そうしてもらいましょう」と言われたので、「いや、うちも店を構えて商売でやっている以上、タダでいただくわけにもいかないし、先程言ったように事務的に答えたら値が付かないものでも、お気持ちの査定をしているんです」と、最後に追加で念を押させていただきました。

時として、うちの店でも処分しないといけないようなものの場合などはタダで引き取る形になることもありますが、われわれ事業者がゴミを出す場合はお金が発生しております点、お察しください。

 

最後に、少し言葉が悪くなるかもしれませんが、お金になると思って持って来たカメラに思ったような値が付かなかったけども持って帰るつもりもない、結局は安く買い叩かれたとか、タダ同然なのでくれてやったとか思われるのは、こちらにとっても心外なのです。

市場性が乏しくて大きな値が付かないものであっても、それを欲している人がいるのであれば、専門業者として(うちはカメラ屋なのでカメラに関するものであれば)橋渡しの役を担えれば~と思っているのです。

専門業者というのも大事な点、分野を超えてカメラ以外のあれやこれやもやるのは結果的に、知識も思いも浅くなってしまうので本末転倒と思っています。

こういうことを理解していただいたうえで、カメラを買取り・次へと橋渡ししたいと考えています。

 

 

2023年11月25日 (土)

写真の撮り方の本なんですが

★本日25日は第4土曜日なので、午後2時より恒例の全品1割引きサービスを行ないます。

 

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鉄道写真家の大御所 広田尚敬さん(当時は廣田だったんですね)の「たのしい鉄道写真の撮り方」という本にちょっと驚きです。発行は1976年なので、47年も前。

ご自身が「少年向けに書いたつもりの内容が、大人にも充分読みごたえのあるものだと再認識してしまった」と書かれているように、子供に限らず大人の初心者向けにもかなり充実した内容です。

カメラやフィルムの知識のほか詳しい撮影テクニックは当たり前、それ以外にも準備やマナーなど現地での注意点まで事細かに書かれています。

見出しの一部を紹介すると、以下のような感じ。「道の上手なたずねかたをコーチしてください」「大自然から知る天気予報」「レールぎわを歩くとき気をつけることは」「列車待ちの間がたいくつでこまっています」(に続いて食べられる野草の紹介がされています)、「お礼状がにがてです」などなど。

そして、この本一番の驚きは218ページもあるのに「写真」が1枚も使われていないこと。必要な場合はすべてイラストが使用されています。写真の撮り方の本なのに…。

だからと言って、それがこの本の価値を下げている~とかそういうことを言いたいわけではありません。既に書きましたが、大人でも充分に使える充実した内容です。ただ、単純にページをめくって行くうえで写真が無いことにちょっとビックリしました。

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2023年11月24日 (金)

セルフタイマー固まる

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「レンズまずまず シャッターもOKだったのにセルフかけたら固まった…メーターはダメ」

このキヤノン デミEE17の値札に書いた案内書きです。

入荷したカメラの動作確認をしたまんまを書きました。

去年ちょっと書きましたし、店でも時々お客さんに口頭で話すことがありますが、私は我楽多屋に並べるカメラの動作チェックをする時にセルフタイマーはほぼ気にしていません。

逆をいえば、セルフタイマーを使うことが前提でお買上げいただく場合、お客さんにとってセルフタイマーの動作チェックは必然になりますのでご注意ください。お買い上げ前にご自身でチェックいただくかお声がけください。
 
このキヤノンデミは動作チェック(セルタイマーを除く)をして値付けをしようと思いながら、翌日の朝イチにご来店されるであろう(ご来店の曜日がほぼ決まっている)常連さんのことを頭に思い浮かべました。

その常連さんは迷った時に、セルフタイマーの動作の調子で買う買わないを決めることがあるからです。だったら先に試しておいて~そういう状況になったら、こちらから自信を持ってセルフタイマーの具合を先に案内してしまおう!と考えたのです。

で、セルフタイマーをセットして指を放したら、レバーがそこから全く動かなくなってしまったのです(大泣)。

翌朝ご来店された常連さんに「これはどうなの?」と聞かれたので、値札に書いた事実を案内するとお買い上げくださいました。セルフが直れば、状態良く使えるであろうことが決め手になったようです。

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2023年11月23日 (木)

書く人

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ピコレットです。1912年に発売されて人気商品となったヴェストポケットコダックの類似品である、このカメラ。

コンテッサ・ネッテル社で発売されて、1926年にコンテッサ・ネッテル社を含む数社が統合された後はツアイス・イコン社で製造された~と紹介されることが普通です。

でも、実際は1914年頃にネッテル社によって発売されたとするのが正しいようです。そして、1919年にコンテッサ・ネッテル社となってからも製造が続き、1926年からはツアイス・イコン社で製造されて1931~32年頃まで造られたようです。

実際のピコレットを見ると、レンズボードに「ツァイス・イコン」のマークが記された個体(上の画像)と、「コンテッサ・ネッテル」のマークが記された個体があります。これらは、それぞれの時代の製造であることが分かりますが、稀に両方のマークが記されたものもあるようで、それは過渡期に「コンテッサ・ネッテル」時代のものに、「ツアイス・イコン」のマークを「Piccolette」の文字の下に追加したのではないかと思います。

では、最初期のネッテル社時代のものはどうなっているのか?ちょっと調べ切れませんでした…。

で、下の画像の個体。マークが消えてしまったからなのか?手書きで「コンテッサ・ネッテル」のマークが記されています。でも、Nettelの文字がすべて書けずに、いい加減に誤魔化している感がちょっと滑稽でもあります。

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