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我楽多屋で買った  モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第212

特許 関式サロン露出計

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広告写真をやっていた頃、アシスタント仲間で露出の当てっこをするのが流行りました。

当時のフイルムは感度が64でした。それでスタジオ内とか通りで絞りとシャッターがいくつかというのを当てるのです。

そのままやってもつまらないので、確かコーヒー1杯とか、銀座に出店したばかりの三越の4丁目の角のマクドナルドのハンバーガーショップのハンバーガーをかけたりしたこともありました。

それで私などは露出を3分の1ステップで当てる、いわゆる「人間露出計」というタイトルをとっていましたが、あれから40数年が経過すると、私の露出計の感度もだいぶ落ちてきたようです。

「特許関式サロン露出計」というのは大型の計算尺のようなもので、表に撮影条件を細かく設定して、裏で計算をすると適正露光が出るというふうになっています。

私が物心ついた頃はすでにセレン色の露出計が大流行でしたから、この露出計算板を使っていたのは私などよりずっと上の世代、つまり昭和20年代後半に写真の道に入った人々だと思います。

フェイクではありますが、何かちょっと象牙色のダイヤルというのがおしゃれでした。この露出計算尺に異常な興味を示している人も私の周囲にいます。

この計算尺をさらに小型化してライカのアクセサリーシューの上に乗せるというような「進化したモデル 」もありました。

連休で、二代目さんが高尾山に「無酸素で全部歩いて登頂」したという武勇伝を聞きに行ったら、偶然テーブルの上にこの露出計算表があったので譲ってもらいました。我楽多屋さんではずいぶんいろいろな露出計を買いましたが、このタイプの品物は初めて手に入れました。長年の夢が叶ってとてもうれしいです。

来たる6月10日には「CT70計画 」という私の写真家になって50周年と古希のパーティーを皆さんが開いてくださいます。この露出計のコンピューターはそれの特別なお祝いという感じがしました。何しろ電気的な故障は一切ありませんから、これ1個持っていればまさに万能ですね。

面白いのは撮影環境の設定ですが、映画館を撮影するときの区別などがちゃんとあって一流館というのと二、三流館というのはちゃんとダイヤルの合わせる場所が異なっているのです。それと明るい商店という設定ではデパート、一流品店というのと、それ以外の商店というのはちゃんと分けられています。

私は露出計は全く使わないのですが、その理由というのは頭の中にあらゆる場所での撮影の経験データーが入っているからです。ですから私の露光決定のパターンをあえて図式化すると、ちょうどこのような露出計算ダイヤルになるのでありましょう。

しかしながら昔はよく見えた露出計算板ですが、今見ると進んだ老眼のせいでほとんど見ることができません。それで手持ちのルーペでようやく細かい設定をしたのですが、iPadで撮影したのを拡大すると細かいディテイルがよくわかることがわかりました。

関式というのは私にとっては有名な場所で、神奈川県川崎市の木月というところに関写真研究所といったと思いますが、かなりマニアックなアクセサリーを作っているメーカーがありました。その「きづき」という地名が珍しいので、一度現地に行ってみようと思ったまま、いまだに果たせていません。


  
(2017.5)