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我楽多屋で買った  モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第230

グリーンのフィルターって何か心が休まる感じがしますね

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この2年ぐらい凝っているのが、私の場合フィルターなんです。

そのフィルターというのも、中学生の頃はイエローのフィルターを使って、高校になるとオレンジのフィルターを使って、日大の写真学科に入学してからは赤外線フィルムでレッドフィルターを使うようになりました。

もちろんこれは全部モノクロームの撮影のためのフィルターなんですが、そういう青年時代のフィルターの記憶が70を過ぎるとまた浮かび上がってくるので、色のついたフィルターを使いたいなと考えていました。

でも、イエローやオレンジやレッドはもう既に卒業してしまったのです。私が1番あこがれの色はグリーンでした。別にグリーンの政治政党を支持しているというわけではありません。

本来のグリーンのフィルターというのは、戦前の場合まだモノクロームフィルムの再現性が完全でなかった当時に、風景写真を撮るときに緑の葉っぱを自然な感じに再現させるためとかそういう目的で結構使われたそうなんです。

緑色のフィルターは何か覗き込むだけで夢があって楽しいのですが、これをデジタルカメラとかに付けてしまうと画面が全部緑色になってしまいます。それではまずいので、スーパーイコンタとかそういう戦前のカメラにモノクロームフィルムを入れてグリーンフィルターをつけて撮影しました。

仕上がったフイルムを見てみると、確かに5月の若葉のころに撮影された緑というのは軽やかな感じで写っていたような気がします。感じがするだけですよ、実際にはどうなのか私にもよくわかりません。

それで、私のフィルターが欲しいという深層心理の中に、フィルターの枠が緑色という欲望が刷り込まれていたらしいのです。

前回の我楽多屋さんのトークショーの終わりに、私が皆さんが買ったものをチェックしていたら、その中のお客さんで緑色のフィルター枠を買ったという人がいたので、私は焦りました。もしもそれが買えていたら私もハッピーになれていたわけですから。

それで私があたふた焦っていたら、二代目さんが確かもう一つありますよ!と言うので探し出してくださいました。感謝感謝感謝です。

一体どこの素晴らしいフィルターメーカーがこんな素晴らしいフィルターを作ったのかな?と思って、高倍率のルーペでフィルターの枠をチェックしてみたら、何の事は無いKenkoなんですね。

写真を初めて半世紀以上になりますが、いつもこの退屈なKenkoの何の変哲もない黒いフィルター枠をずっと眺めて暮らしてきたものですから、ちょっとこのメーカーを見直しました。何か特殊なプロモーションか何かのために作ったのかもしれませんが、そこら辺は一切わかりません。

よく観察してみると、この緑色のフィルター枠はいわゆるメタリックカラーで戦前のツアイスの緑色のガラスのフィルターとはその色が微妙に異なっています。

普段の撮影ではフィルターは一切使用しない私なんですが、今回の我楽多屋さんで手に入れたメタリックグリーンのUVフィルターの存在は、何か気持ちを夢心地にしてくれるところがありました。

 
  

(2018.12)