我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第305

普通の人は、レンズキャップに異常な執着を持っているらしい

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ガラクタ屋の二代目さんのブログというのは毎日更新されているというのが魅力です。ずいぶん前に二代目さんがブログをスタートさせる時にあたって、私が「毎日連続した方がいいですよ」と進言しました。多分連続して投稿なんか難しいのではないかと思っていたら、ちゃんと毎日更新して人気ブログになっています。

ところで、この四半世紀ガラクタ屋さんからずいぶんいろいろなものを買いましたが、一度も購入したことがないのがレンズキャップなのです。

以前オリンパスのトークショーで坂崎さんと一緒に登場して、ギターを弾いてオリンパスの歌を歌ったりしました。それが終わってオリンパスの人が特別バージョンデジタル用のレンズキャップというのを販売したのですが、私の価値観からするとあんなもの誰も買わないよなと思っていたら、全部売れてしまったのです。しかも値段が5500円。高いよね。

二代目さんのブログでもよく話題になるのが、お客さんが自分のカメラのレンズに合うキャップを探しに来るというので、それがいつも不思議に思っていました。

というのも、私はレンズキャップを使わない政治信条で、一度はパリのメトロで素晴らしいショットが撮れたと思って、ふと手元のライカを見たらレンズキャップが付いている。すぐにメトロのゴミ箱にレンズキャップを捨てました。

別の時はハノイでブロニカ645で撮影していて、非常に良いショットが連続して撮れたと満足していて、手元のカメラを見たらレンズキャップが付いている。この時もゴミ箱を探してレンズキャップを捨てました。

アメリカ空軍の偵察用のカメラに付いているレンズキャップは真っ赤にペイントされています。そこに大きな字で離陸前に必ずこのキャップを外せと書いてあります。キャップをつけたまま飛んでしまっては大切なミッションが台無しです。

しかし、この場合は真っ赤なレンズキャップを捨てろという命令は書いてありません。ちゃんと飛行計画の後はレンズキャップを付けろということなんでしょうね。

二代目さんがレンズキャップの研究をかなり進めているから、お店に来る人がレンズキャップを探しやすくしているのは確かです。ご自身でもフォクトレンダーのカメラのレンズキャップを長年探していて、似たようなやつがあったので合わせてみたらちょっと大きかったとか。

二代目さんの研究はさらに進んで、レンズキャップのプラスチックを成型するための金型に記されている識別番号の調査までやっています(https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2024/12/post-1604.html)。日本レンズキャップ研究学会の会長さんというところだね。

ケチなフランス人という感じで、レンズキャップを使っている人はアンリカルティエブレッソンです。私のライカの本のカバーにブレッソンの写真を掲載したのですが、ちゃんとライカに紐でレンズキャップが付いている。

それに惹かれて私もガラクタ屋さんで、十数年前に紐のついたレンズキャップを買いましたが使いにくいのですぐに捨てました。

 

   

(2025.3)