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我楽多屋で買った  モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第231回

非常に珍しいカメラを2台ぶら下げるネックストラップ

Gkmn230

これ商品としてはあまり成功しないカメラストラップだと思います。

ベトナム戦争の頃、戦場カメラマンが1台のカメラだけではなく、複数のカメラを持ち歩いたのはモノクロ写真と天然色写真を同時に撮影するためでした。

でもあまりにストラップの数が増えると、こんがらかってしまうので1本のストラップに2台のカメラをぶら下げられるようにしたアイデア商品だったのですが、これが戦争カメラマンには結構好評でよく使われていたようです。

当時の戦争写真家の撮影中の写真などを見ていると、結構このダブルカメラストラップが使われています。20歳代の我々がそれに憧れたのは、そのストラップの皮の素材が非常によく出来たものであったからです。特にネックストラップのアイレットをつなげる金属製のロックのついたリングに憧れました。そのようなディティールを持ったものはまだ日本には存在しなかったからです。

それで我々カメラアシスタント仲間は、上野駅前にあるアメリカ軍の払い下げの店松崎商店に似たようなものを探しに行きました。

でもお目当てのそういう種類のカメラストラップは無くて、その代わりにナイロン製のオリーブの頑丈な金具が両端についたストラップを買ってきました。それをニコンエフカメラにつけて撮影に使っていたのです。後で調べてみたら、これはライフルのスリングなんですね。

1973年頃のこと、日大の同級生の一ノ瀬泰三がインドシナに行くことになり、我々仲間で彼にジャングルブーツを買うためにカンパしました。岩倉ともみの500円札を出して7枚で3500円。それで一ノ之瀬はブーツを買ってインドシナに向かったのでした。その年の秋に彼はKhmer Rougeにやられてしまったんです。

カメラを2台ぶら下げるストラップというのは、その意味で私にとってはベトナム戦争の頃の空気が伝わってきます。

二代目さんからの宿題で、どのようなカメラをストラップに付けたのかということを報告しなければなりません。私の場合は結局このような組み合わせになります。でもあの頃から50年も経過してしまうと、1台のカメラを持ち歩いてそれで撮影するのでもう精一杯なんですね。それが時間の経過というものです。

 

 

(2019.1)