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我楽多屋で買った  モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第211

パリの仇を東京で撃つ フィルムピッカーの謎

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パリでの写真展が5月5日まで開催されています。評論なども紹介されてなかなか好評のようでありがたいことです。中藤さんと一緒にワークショップもやりました。

ところが私はワークショップの先生としては持っている機材が貧弱なので、ギャラリーのオーナーのルイジさんが心配してライカを貸してくれました。

そしてトライエックスを装填してくれました。

こちらは安心して一本近くワークショップの参加者の皆さんと一緒に撮影して、あと数枚という所で止めてギャラリーに戻ってライカはルイジさんに返しました。

彼は残りのフィルムで私を連写したのですが何枚でも撮れるのです。

ーーーーああやってしまったと思いました。つまり彼が装填したフィルムはちゃんとスプールに入っていなかったのですね。

日本ならワークショップの先生をやって、こういうしくじりをしたらもう2度目はできません。そこら辺がパリは優しくて写真を失敗しても、ちゃんと私の仕事で評価してくれるのがありがたいです。

パリを撮影したけれども1枚も写っていないというフィルムを記念に東京に持ち帰りました。

我楽多屋さんにパトローネに巻き込んでしまったフィルムを引っ張り出す特殊な道具があることを思い出して、探してもらったらちゃんとありました。しかも500円なりです。

そこに買取名人も参加してそんな道具を使わなくても自分は魔法でフイルムを引っ張り出せるんだと言っていました。確かに買取名人ならそういうことが出来そうです。マジックフィンガーですからね。

そのフィルムピッカーという道具を家に持ち帰って、本体についている取説の通りにやってみたのですがどうもうまくいきません。肝心なところが欠けているのか、あるいはやり方を間違っているのかもしれません。

フイルムを使ってプロ写真家として仕事をしていた時に、というのも撮影済のフィルムは全部パトローネに巻き込んでしまうというのが原則のルールであったからです。それでないと二重露光とかめんどくさいトラブルが起こるのです。

私には苦い思い出があります。ベルギー政府観光局の仕事でベルギーを撮影したときに何かトラブルのあったフイルムを胸のポケットに入れていました。東京に戻って次の週にJTBの仕事で伊豆の温泉旅館を撮影に行きました。その時になにげにポケットのフィルムを使って撮影してしまったのです。

結果は惨憺たるものでブリュッセルのグランプラスの風景に温泉旅館の豪華料理が二重露光になっていました。旅雑誌では料理写真は欠かせませんから、私のコストで次の週に同じ伊豆の旅館に行って撮影をしてきました。面白いことにそこの旅館の若いオーナー夫婦が私のカメラ本の読者さんであったので、私が再訪したのを大変喜んでくれました。

まぁそういう背景はあるのですが、このパリから持ち帰ったフィルムはちゃんと先端を取り出してもう一度東京で撮影しようと思います。

でも使い方がわからないので、今度のシドニーに持っていって二代目さんに教えてもらおうと思います。

 

 

(2017.4)