アローカメラ         &我楽多屋

我楽多屋で買った  モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第208

ウィリアムクラインも使っていたキヤノンのクラシックレンジファインダカメラ

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昭和30年代のキャノンのレンジファインダーが好きです。

ライカを使って40数年になりますが、日大の写真学科の学生の頃にそれまで使っていた一眼レフカメラから、さらにフットワークの良いカメラが欲しくなって最初に私が考えていたのはこのカメラ。ラピッドワインダーが組み込まれたキヤノンvtでした。

これに28ミリの広角レンズを付けて、東京を撮ろうというアイディアでした。

そうしたら、私の父がどうせ買うなら国産よりドイツのライカの方がよかろうと、私にライカM2を買ってくれたのです。とてもありがたいことでした。

でも一方で私はキヤノンレンジファインダーへの道を閉ざされてしまったのです。

昨年の年末の我楽多屋さんの忘年会、これはクリスマスイブと同じ日で、しかも歴史上初めて我楽多屋さんの売り場でお酒を飲んだと言う、忘れられないイベントでした。

今買い取られたばかりのカメラがたくさん並んでいて、その中にこのキヤノンもありました。常連の突撃隊長さんが買おうか買うまいか迷って、それを元の位置に置いたときに私の手が伸びて、そのお宝は私の所有になりました。

これはガラクタ屋さんで行われているルールなのですが、買おうかどうか迷っているカメラを手から離してはいけません。手から離すとそれはもう自分は要らないという意思表示だからです。

黄色い値札が5,800円で、特別価格でその1割引でした。素晴らしいクリスマスプレゼントですね。もちろん訳あり品で、スローシャッターがダメなのと、250分の1秒以上は幕が閉じて真っ暗になります。でもスナップするには250分の1秒があれば充分です。それで新年になってから、もっぱらこのカメラで佃島界隈を撮り歩きました。

1970年代半ばのアルルのフォトフェスティバルに招待された、ウィリアムクラインとアンドレ・ケルテスの2人がトークショーやっている写真があります。その写真を詳しく見るに、クラインはこれと同じカメラに広角レンズが付いていて、それをノーフィンダーで隣にいるアンドレ・ケルテスを撮影しているのです。

いかにもクラインらしいフットワークの良いノーファインダー撮影でした。そんなクラインの気分を大事にしながらのお正月カメラがこのキヤノンでした。

 

 

(2017.1)