我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2014年5月

2014年5月13日 (火)

英製 agimatic

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うちの店にやってきた時点で、既に壊れていたのがとっても惜しいこのカメラは、イギリス製のAgimaticというカメラ(1956年)。

いろいろと凝った造りをしていて、それを列記するだけでも、すごいです。

シャッターチャージとレリーズをレンズ横にある一つのレバーで行ないます。一度大きくストロークするとシャッターチャージとフィルム巻上げが行なわれて、次に小さくストロークするとシャッターが切れます。

ファインダーは二重像式の距離計が内蔵されています。残念ながら連動はしておらず、アクセサリーシュー隣にあるノブを回して二重像を合致させて表示された数値(距離)を見て、レンズ側のヘリコイドを回して数値を合わせます。

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ボディ背面、アクセサリーシューの真下にある丸い覗き窓は、光学式(消失式)の露出計の確認窓。ここで読み取った数字を、ボディ上面端にある換算表で露出を読み取ります。

通常であれば、フィルムの巻上げかな?と思う、ボディ右手グリップ部のギザギザノブは、この露出換算表を動かすためのモノ。

レンズは固定式ではなくて、標準45㎜以外に望遠の85㎜の交換レンズが用意されています。望遠用ファインダーはどうするのかというと、ボディ前面の小さなノブをスライドさせることで、標準のファインダーの前にマスクが出てきます。

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フィルム巻き戻しは、ファインダー接眼部に被さるようになっている部分がレバーになっていて、多くのカメラでフィルム巻上げをするようなレバー操作で巻き戻していきます。普通ボディ底面にあるスプロケットをフリーにする巻き戻しボタンは無くて、このレバーを引き出した時点でフリーになります。

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これだけの機能機構を、このコンパクトボディに納めていることが凄いです。見た目のイメージ的にはフォクトレンダーVITO Bによく似ていますね。

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2014年5月12日 (月)

ジュピターにタクマー

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先月、ロシアレンズの「ジュピター8.5cmF2」を買って行かれたお客さんが、それ用にレンズフードを探しに来られました。

「実際に合わせてみてもいいですか?」と尋ねられたので、「どうぞどうぞ!もし、袋に入っているのでこれは!というのがあれば、袋も開けますので~」と返答しました。

ご自身でしばらく店内を探されていましたが、程なく、「おっ!これはいい!」と。

タクマー135ミリ用のフードが、ケラレることもなく、さらに逆向きに付けてもピッタリと納まる(携帯用に)とのこと。

レンズの描写にもとても満足いただけているようで、今回もバッチリなフードを見つけられて、ツイてますね!

ミノルタα7にタクマーフード付きのジュピターレンズ付けて~のこの渋い組み合わせのお客さん、大学生さんです!

最近、にわかに学生さん率あがってるよ~な我楽多屋です。

 

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2014年5月11日 (日)

RICOH Super 44

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リコーさんのウェブによると

「アメリカの家庭写真はプリントではなくスライドが主流であった。35mmスライドフレーム(5cm×5cm)に一杯になるベスト(127)フィルム使用の正方形画面のカメラが流行をはじめた。」そうである。

で、このカメラの発売は1958年のこと。

登場の経緯がそういうことなので、日本国内ではほとんど見かけることのない「リコースーパー44」です。

また、これもアメリカ市場を意識してのことでしょうか・・・(意味不明、いや意味深)!? シャッタースピード・絞りの数値が、カメラを構えて上方から見た時に、見やすい向きに表示されています。

なので、テーブルなどに置かれたカメラを正面から見ると、それらの数字は天地逆になっています。

小さいボディなのにちゃんと作られているうえ、ネームプレートがとてもお洒落だからか、思いのほか存在感のあるカメラです。

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2014年5月10日 (土)

ニッコール→コニカ

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画像の組み合わせ、コニカFTA(コニカARマウント)に、ニッコール28mmF3.5(ニコンFマウント)が装着されています。

両者を介しているのは、コニカ純正のマウントアダプター、「KONICA NIKON LENS ADAPTER AR」。

現在では用品メーカーなどが、様々なマウントアダプターを製造販売していますが、これはカメラメーカー純正品。

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現在ではちょっと考えられないことですけど、1950~1960年代くらいには、他メーカーのレンズを使えるようにする、カメラメーカー純正のマウントアダプターって、ボチボチと存在していました。

中でも、オリンパスペンF用のアダプターはサービス精神旺盛で、ニコン用や、プラクチカ用、エキザクタ用、ミノルタSR用、ライカ用、キヤノンFD用などが用意されていました。まぁ、フランジバックの関係で各マウントに対応出来るってのも理由でしょうが。

現在ではこういう寛容性は考えられないですよね。

この差は何なんでしょう?大らかな時代だったってことでしょうか。。。それとも、他メーカーユーザーにもうちのカメラを使ってもらおう~という貪欲さがメーカーさんにあったのでしょうか!?

 

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2014年5月 9日 (金)

触るの危険。。。

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日々、くだらないことをたくさん書き綴っているこのブログ。

でも、モノに対する価値観ってのは人それぞれで、ある意味自由であるからといって、暴走はしないように心掛けています。

あと、明らかに負と思えることを、あえて指摘するのもどうかと思っています。

しかし、今回のこの負にはちょっとビックリしてしまいました。

このカメラのレンズ鏡胴部。絞りリングに刻まれているローレット加工の処理が荒すぎて、怪我しそう!! 撫でるだけで、指の皮膚が荒れてしまいます。

分かりやすい例えをするならば、爪切りのヤスリ部分みたいな状態。

個体差もあるのでしょうが、気を付けましょう。

さて、この中国製の鳳凰「205A」。

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ボディ前面に描かれたイラストは、伝説の鳥「鳳凰」の姿と、PHENIX(鳳凰光学の英文表記Phenix Optical Instrument Group Company)の頭文字「P」とを象ったものでしょう。

鳳凰は1万円札の裏にも印刷されているのと同じです。

ここで、勉強です(って、私も今回知ったのですが…)、中国起源の「鳳凰」と、古代エジプト起源の「フェニックス」は、どちらも伝説の鳥には違いないのですが、その性質などは微妙に違うものとされているようで、実際には「鳳凰」≒(二アリーイコール)「フェニックス」らしいです。

 

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2014年5月 8日 (木)

カードマンもどき

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このカメラ(フジ・EPION3000)を手に取って、私と同じ行動を取った人が居らしたら、「おっ!フジのAPSカメラをなかなかよくご存知ですね!」って、言っちゃいます。

で、私が何をしようとしたのか、、、というと、背面の操作部を取り外そうと思ったのです。

画像でも分かると思いますが、背面の左8割くらいの操作部が縁取られていますでしょ。この部分がカパッと外れると思ったのです。「何で?そんなことを!」って思った人は、フジのAPSカメラにあんまり詳しくない人。

詳しくても何にもえらくありませんが。。。

実は、これに似たカメラで別称「カードマン」といって、背面の操作面(外すとカード状)が外れる機種(フジ・EPION3500)があったのです。

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外してどうするのかというと、ひっくり返して、ボディ前面に付けてレンズカバーにもなるっていう斬新な仕組みでした。外した状態でリモコンとしても使えたかな。。。

そんな無駄な知識を持っている自分に職業病を感じました。。。

でも、この2機種、よく似てますよね!?下の画像、右がカードマンのEPION3500で、左がカードマンもどきのEPION3000です。

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2014年5月 7日 (水)

炭酸ガスでJET

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これも先日と同じ、日本のコーワ製で米国グラフレックス・ブランド品。「グラフィック35JET」と言います。

そのカメラ名に由来する、ウンチクがあります。

この個体は後期型でその機能は付いていないのですが、初期型には炭酸ガスボンベを装填することが出来て、その圧縮ガスを利用してフィルム巻上げを行なうようになっていたのだそうです。

その痕跡を見つけようとカメラを見まわしたところ、底面に怪しい部分を発見。

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目隠し蓋のようになっていましたが、先の細いドライバーでこじったら開きました。この大きな穴から炭酸ボンベを装填したようです。推測するに、参考に一緒に写した単三電池よりもいくらか大きめの炭酸ボンベだったようです。

*↑ ここ、いちおう「炭酸」と「単三」をひっかけてます!(笑)

また、検索したところ、ココが普通に開閉できるようになっている個体の画像も発見出来たので間違いナシです。

しかし、この炭酸ガス巻上げ機能が無くなった後期型でも、それっぽい「JET」という名称は継続されたわけです。

このカメラ、フォーカスの仕方を変わっていて「バタフライ式」って言うんでしょうか、、、レンズの上部両サイドにあるボタンをシーソーのように操作して合わせます。

そして、なんといってもその大きさが立派!

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2014年5月 6日 (火)

つつましやかな?ロシア

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かつて、異様なまでの人気を得たロシア製のコンパクトカメラ「ロモLC-A」。

最近の当ブログ的な流れで言えば、ついには日本も真似される側になった~的な代名詞でもあります。

このカメラは、日本製カメラ・コシナCX-2のコピーと言われていますからね!

さて、今回話題にしたいのは、そのロモLC-Aの通称「ウィーン・バージョン」とかいう、ソ連邦崩壊後に再生産されたモデル。

ボディ正面のレンズバリアに、「ロモ蔵」のイラストとレンズ名・スペックが書かれています。

撮影時にレンズバリアを開くと、当然ながらどちらの表記も見えなくなるのですが、レンズバリアを開閉してる途中で、「MADE IN RUSSIA」の表記が見えるのです。一瞬です。

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この妙なつつましやかなところに反応してしまいました。

ただ、この控えめな生産国表記は、「ウィーン・モデル」の名称からも分かるように、再生産を推進した団体がウィーンを中心に活動している人々だった。。。からで、ロシアがつつましやかなわけではないのかもしれません。

そして最後のオチは、このロモLC-Aの所有者は、真似された側のコシナ研究会の会長さん。

 

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2014年5月 5日 (月)

動機は不純

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先日、ニコン製で値札2,000円がついているクリップオン式ストロボをレジに持って来られて、「これってデジカメにも付きますよね?」と尋ねられました。

「付くのは付きますが、発光については厳密に同調するかどうかとか、、、は不明ですけど」とお答えすると、「いやいや、動機は全く不純でして、発光しなくていいんです」とのこと。

「それなら、こっちのジャンクでいいんじゃないですか?」と、ニコン製の発光不良な100円の値札が付いているジャンクストロボをお勧めしました。

お話をうかがったところ、「今度大阪出張でちょっと撮影を頼まれたんだけど、小さいコンデジじゃ信用されないのでNG。だからと言って、大きな一眼レフとか重いから持ち出したくない。で、こんな感じでハッタリが効けば~」ということだそうです。

う~ん、カメラ好きな人が居ないことを見込んでの作戦ですな!!

お客さんにとても恐縮されちゃいましたけど、動機が動機ですから「20分の1」の出費でハッタリが効くんであれば万々歳ですよね!そのお手伝いが出来るのであれば、こちらも万々歳(笑)。

ちなみに、上の画像は再現したもので、お客さんのカメラはキヤノンのパワーショットGなんとかでした。

 

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我楽多屋で買ったモノマガジン更新

アローカメラ&我楽多屋ウェブ内、田中長徳先生による連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」を更新しました。

175回目のテーマは「vs荒木町写真展の大判ハガキがいいな」です。

こちらより、お楽しみください

*閲覧は2014年8月初旬まで。