我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第296回
あの黒田さんから勧められた、
真っ赤なニコンF3のエバレディケース
もう二十年近く前になると思います。東京都庁に勤務している黒田さんがさあやさんとご結婚するというので、マスコミテレビで時の人になっていました。
朝のテレビでそのニュースを見て、銀座のすきやカメラさんでご本人が居られて、私に挨拶をなさいましたのでびっくりしました。いつも本を読んでいますという嬉しいお話です。
黒田さんは重要人物ですから、いつもSPの方が2人ついていました。それで立ち話で40分もカメラのことを会話したのです。黒田さんは私にはライカのことをいろいろお聞きになりました。それで私のほうは、黒田さんがお持ちのこの真っ赤なエフスリー用のレザーケースが欲しくなってしまいました。
ガラクタ屋さんが紹介しているレザーケースは下半分だけですが、黒田さんが金属製の頑丈なトランクケースの中から出して見せてくれたのが、この真っ赤なエバレディケースなのです。
私は50年前にニコンカメラのカタログを撮影していたので、当然ながらエバレディケースも撮影しました。当時はブラック一色で茶色もあったにはありましたが、こういう真っ赤な色ではなかった。ニコンのカタログを撮っていた私という人間が黒田さんに刺激されて、この真っ赤なエバレディケースが欲しくなったというのが非常に面白い展開でした。
それから黒田さんはお勤めの東京都庁に行く途中のカメラ屋さんの在庫情報を私に送ってくれるようになりました。例えば、ライカのバルナックタイプの防水ケースが出ていて、値段はこれこれですが買いですかね?それに対して私の答え、パッキングがないやつだとちょっとやめたほうがいいですね。などなどでした。
フランスのライカタイプのカメラフォカの同好会も黒田さんとつくりました。ただし会員数は彼と私の2名だけ。
話を戻すと、黒田さんがお使いの真っ赤なエバレディケースが頭から離れなくて、数日経過してガラクタ屋さんに行ったときにその話をしたら、「ありますよ」とすぐ目の前に出してくれたのは感激でした。
ところで後日談になりますけれど、黒田さんを警備している2人のSPの方の1人の方が中古カメラウィルスにやられてしまったのだそうです。という意味はやはり黒田さんが行くところはガラクタ屋さんを始めとする中古カメラ屋さんが出回るポイントという事なんですね。
(2024.6)