我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第314回
渋谷永福町さんから譲ってもらったレアなキャノンカメラホルダー
ガラクタ屋さんで買ったモノ・マガジンは以前単行本になったこともあり、考えてみれば、人間の欲望というカメラとアクセサリーは非常に広大な宇宙空間ということもできます。
がらくた屋さんの連載ブログを私は毎日読んでいて、そこに欲しいものがあると、お金を握って走って買いに行くのです。
大抵の場合は一番乗りでゲットできるのですが、1度だけ買えなかったものはラトビアで作られたオリジナルのミノックスでした。
つい最近のこと、二代目さんのがらくた屋さんブログでキャノンフレックス用のカメラホルダーというのが登場してびっくりしました。
今までガラクタ屋さんで買ったものには、キャノンのカメラホルダーも結構あります。私が感心するのはレンジファインダー用のキャノンのカメラホルダーはびっくりするほど立派なレザーケースに入っていること。
それでカメラホルダーはレンジファインダー用だとばかり思っていた私の潜入感覚が打ち壊されたのが、キャノンフレックス用カメラホルダーでした。
それで慌てて買いに行こうとして問い合わせしたら、これは売り物ではなくて、常連さんのFacebookのハンドルネームが渋谷永福町さんという人の持ち物で、どうもこのレアなカメラホルダーをガラクタ屋さんに見せびらかしに来たようなのです。
当然のことであって、私が中古カメラ市でサイン会をやって、100人ぐらいのお客さんが私のサイン会の列に並んだときに、それは私の本にサインをもらいたいというのではなくて、お客さんが持っているライカやコンタックスを私に褒めてもらいたいというのがその動機なんですね。
それで売り物ではないレアな、私が初めてその存在を知ったカメラホルダーなんですが、ありがたいことに渋谷永福町さんがそれをガラクタ屋さんに持って来てくださって、譲り渡しし指名で田中長徳というので、私に譲ってくれたのです。これは本当に嬉しい。
キャノンフレックス用のカメラホルダーは何が凄いかというと、この時代のキャノンのカメラはカメラのボディーのボトムの巻き上げ方式ですから、トリガーレバーの運動を妨げないようにカメラホルダーの空間構造が設計されていることです。
それが私にとってどのように魅力に感じるかというと、これはライカの迅速巻き上げ装置であるライカビットMPのスケルトンモデルという感じがするのです。
つまり、ラピッド巻き上げアクセサリーのカバーを外して中が丸見えという感じなのですね。
これは私の幼年時代に見た絵本の記憶とオーバーラップしてくるのです。その絵本のタイトルは「中を見よう」というので、車の中のエンジンの様子とか、電車の中のモーターの様子とか、灯台の中のライトの様子などを説明している。私の言ってみれば、機械学に対する興味を最初に教えてくれた絵本でした。
レアなキャノンフレックス用のカメラホルダーで、結構自分の記憶空間の深いところを漂うことができたのです。
レアなアクセサリーですから、5000円位は払ってもいいと思ってガラクタ屋さんで買うときに値段を聞いたら1500円だと言うので私は大喜び。
残念ながらホームインプルーブメント計画のせいで、手元にキャノンフレックスが1台もないので、キャノンフレックスRPを買いました。これがレンズが付いて980円でYahoo!オークション。
連載記事に花を添えるために、付いていたスーパーキャノンマチックレンズをブラックライトで照らしたら、レンズが明るく浮き上がりました。これは蛍石レンズを使っているのです。
(2025.12)
