我楽多屋で買った    モノ・マガジン

Powered by Six Apart

« 2017年4月 | メイン | 2017年6月 »

2017年5月

2017年5月12日 (金)

フィートとメートルと

18424034_1523759487666381_196810004

先日の買取り依頼の品物の中にあった、フォクトレンダー。「VITO-B」に純正の距離計が載っていました。VITO-Bは個人的に好きなカメラです。

このカメラが小さくカチッとしたデザインであるのは、距離計を内蔵せずに、シンプルなファインダーを採用しているからなんだと思います。

ただ、レンズの距離表示がフィート表示の個体が多く、そうなると撮影時には、被写体までの距離の目測判断が必要なうえに、フィートとメートルの換算も脳内でしないといけなくなります。多分に漏れず私物のVITO-Bも、今回のもフィート表示。

でも、今回の個体には距離計が乗ってる!!と喜んでいると、その距離計はメートル表示。ありゃりゃ、これじゃ、フィートとメートルの脳内換算は結局しないといけないのですね…。

18403291_1523759480999715_311297840

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

2017年5月11日 (木)

和製エキザクタ PartⅢ

Dscf0269_1280x960

PratⅡの後、立て続けにPartⅢいきます。

このブラックボディのエキザクタ「Twin TL」。これのレンズマウントはエキザクタ・レアルマウントです。また、ここで違うマウントが出てきてしまう訳で、もうグチャグチャで良く分からないですよね...。

で、底面にはシッカリと「MADE IN JAPAN」の刻印。

様々な情報を整理すると、このTwin TLはコシナ製である。というのが大筋です。ただ、ごく初期にペトリが作っていた…という情報もチラホラ。実態は不明なままですが。

さて、エキザクタ・レアルマウントですが、大戦後東側になったイハゲー社とは別に、西側に興ったイハゲー社が発売した「エキザクタ・レアル」というカメラに採用されたマウントなのです。

ただ、業績芳しくなく、2世代目からは日本企業のOEM生産に頼ることになって、それがこのTwin TLなんですね。このカメラの凝っているところは、通常の右手側のシャッターボタン以外に、左指用のシャッターボタンも設けられているところ。

Dscf0268_1280x960

そう、もともとエキザクタといえば、左側にシャッターボタンがあることが特徴のカメラでした。エキザクタ・レアルはそれを継承しつつも、右側にもシャッターボタンを設けていました。エキザクタ・レアルのシャッターボタンはボディ前面に左右対称にあり、見た目にもスマートでしたし、アダプターを使ってエキザクタマウントレンズを使う場合にアームシャッター付きレンズにも対応しました。

が、このTwin TLのシャッターボタンは左右で別々な位置で、右はボディ上面の一般的な位置にあって上から下へストロークさせます。それに対して、左はボディ前面にあって前から後ろ側へストロークさせる感じなのは、やはりアダプターを使ってエキザクタマウントレンズを使うときに、アームシャッター付きレンズに対応するためなのです。

*アームシャッター付きレンズは、このブログ記事(https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2017/01/exa-385f.html)に出ているようなレンズです。

Dscf0255_1280x960

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

2017年5月10日 (水)

要塞

本日水曜日は、アローカメラ&我楽多屋ともに定休日となっておりますので、よろしくお願い申し上げます。

***************

二代目の「先週撮ったもの行ったとこ」は、台場。

今でも使っているのかどうか、、、台場のショッピングモールのキャッチフレーズに「東京リゾー島」なんてのがありました。が、この夕景はそんな優雅なイメージではなくて、ちょっと怪しげな要塞的なイメージじゃありませんか...!?

実際のところ写っているのは、後ろは二つのホテル、手前の細長い塔は「自由の炎」像といって、フランスから贈られたものなんだそうです。

18222612_1514233111952352_267417361

2017年5月 9日 (火)

和製エキザクタ PartⅡ

18341953_1520357651339898_190159792

数ヶ月前に「和製エキザクタ」という話題をしました。

あの時は、エキザクタマウントを採用した日本のトプコンが、後々には本家イハゲー社にボディをOEM供給していたという内容でした。

が、あの~ペトリもイハゲー社にボディをOEM供給していたようだ...というのが今日の話題。なので、「和製エキザクタPartⅡ」。

ただし、これのレンズマウントはプラクチカマウント(M42)です。

一眼レフカメラ黎明期のレンズマウントは、ペンタコン社のプラクチカマウントか、イハゲー社のエキザクタマウントか~という時代だったわけですが、後々にはイハゲー社も廉価シリーズのエクサにプラクチカマウントを導入しちゃったりするんで、話はややこしくなるのです。で、そのうちペトリまでがエキザクタネームのカメラをプラクチカマウントで供給していたわけです。

この「EXAKTA TL500」のベースとなったと思われるペトリは「FT」あたりのよう。

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

2017年5月 8日 (月)

カメラに捧げる愛情

Dscf8284_1280x960

先日、お客さんがこんなことを言われました。「カメラを複数台持つと、個々のカメラへの愛情が薄れてしまうので、買わないことにしていたのだけども、出先でたまたま入ったカメラ屋さんでニコンのカメラを買ってしまった…」と。

で、「カメラ屋さんに聞くのもなんですが...それってどうなんでしょうか?」と聞かれました。

そりゃ、カメラ屋として商売のことだけ考えれば、そうやって買い控えてしまわれるとマイナスと思いますが、、、

もっと前に立ち返って、カメラ遊びを「趣味」としてやられているなら、複数台を買い揃えようが、1台に愛情を注ごうが、その人その人の自由。複数台持っていて1台あたりの使う回数が減っても、持っていることでその人の満足感が満たされているなら、それも全然アリと思います。また、1台のカメラにこだわって使い倒すくらいの選択だって全然アリと思います。

ただ、複数台持っていて「死蔵」してしまうのは勿体ないことと思います。世に出して、他の機会を与えてあげた方がいいように思います。

でも、今回のお客さんのお話。初めて行かれた地方のカメラ屋さんで、縁あって出会ったカメラ、その店のご主人さんとの会話。そういう背景が購入されたカメラに付加価値として残ることが一番素敵なことだと思いました。

きっと、このお客さんはそのカメラに愛情を注がれて行かれるのだろうから、まず「死蔵」にはなり得ないでしょうね。

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

2017年5月 7日 (日)

珍ロッコール

Dscf8278_960x1280

先日、お客さんがレアなレンズを見せてくださいました。

ミノルタの一眼レフSRシリーズ時代のロッコール標準レンズといえば、55ミリか50ミリ、大口径には58ミリもありました。が、これは「53ミリ」で、オートロッコールPF53ミリF2」。正直、見たこと聞いたことが無かったです。

お客さんご自身も最近知人から譲ってもらったそうで、特に情報を得てはいない~とのこと。

画像を撮らせてもらって、あとから調べてみたところ、どうやら1963年頃に登場した輸出専用品だった模様。

当時、標準レンズとして広く出回っていたPF55ミリF1.8のレンズは三脚座にカメラを載せたまま、レンズ交換が出来ない~という欠点があったようで、それの対応策だったのかどうか。。。少しコンパクト化されたこの53ミリF2が後から登場したようです。

でも、すぐにパンケーキタイプのTD45ミリF2.8が出たので、ほぼお役御免になったのか...世の中に多く出回らなかったようです。

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

 

 

我楽多屋で買ったモノマガジン更新しました

田中長徳先生の連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」を更新しました。

第212回目の今回のテーマは「特許 関式サロン露出計」です。

それでは、こちらよりお楽しみください。

 

*閲覧は2017年8月初旬までです。

2017年5月 6日 (土)

MAMIYAの1605994

Dscf8280_960x1280

正式にはマミヤの「35EEメリット」というカメラなのですが、ボディ上面の刻印には、「MAMIYA NO 1605994」となっています。

普通、製造番号の前には「No.」だと思うのですが、このカメラの場合「NO」となっているので、ついつい表題のような「マミヤ」の『1605994』って型名のカメラなの?というツッコミを入れたくなりました。

ところで、昔のカメラには案外とボディに型番が記されていないものがあります。バルナックライカ然り、キャノンのレンジファインダーカメラの多くもそうです。ただ、それらの多くの場合、型名は数字やアルファベットが多いのです。「ⅢC」だとか、「4Sb」だとか。

でも、このマミヤの場合は「メリット」なんて、ちゃんとした?名称があるのに、それをボディに記していないんですよね。だから、余計に今日のような揚げ足のようなツッコミを入れたくなったのです。 

Dscf8282_1280x960

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

2017年5月 5日 (金)

トゲトゲで凶器的!?

Dscf8276_1280x960

以前、爆発したライカを紹介しましたが、あのお客さんのライカがバージョンアップしていました。

握り手左側の前面に続いて、背面のグッタペルカも爆発したそうなんですが、今回のバージョンアップねたは、このMD-2に付いてるレンズ、ゾナー50mm/F1.5の鏡胴にハメられた怪しげな凶器的なもの。

これ何のために付けらているか分かりますか?

フォーカシングノブ的な目的で、インシュロックとかケーブルロックとか呼ばれる結束バンドを複数連ねて付けられているのです。

持ち主さん曰く、「ファインダーないカメラなので、覗いてピント合わせるわけでもないから、これでフォーカシングリングを回しやすくして、指の位置感覚でおおよそのフォーカシングをしやすくしているのです~」と。

その理屈は分かりますが、こういう方法でそれを解決してしまおう~って発想がすごいです。

Dscf8275_1280x960

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

2017年5月 4日 (木)

スピンドル加工

Dscf8272_1280x960

ちょっと前の凝ったコンパクトデジカメの一つです。

金属製ボディの前面のほとんどと背面の一部に刻まれた細いライン。こういう加工を「スピンドル加工」というのだそうです。質感アップや滑り止めに効果があるんだといいます。

Dscf8271_1280x960

今回のは2004年発売の「Optio S5i」。今から見ればたったの500万画素。でも、カチッとした金属ボディで実にコンパクト。光学ファインダーも付いてます。

この「スピンドル加工」で思い出して過去の画像を探したら、「Optio S」が見つかりました。こちらは2003年発売で、フロント全面にスピンドル加工がされていました。

166057_485252808213590_1749555102_n

現在のコンパクトカメラ市場はスマホに圧されて厳しいようですから、こういうピリッと味のあるモデルの登場はあまり望めないでしょうねぇ。

 

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。