我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2016年6月

2016年6月12日 (日)

928

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田中長徳氏のブログで話題にされたことがありますが、うちの店にもご来店いただいている某K氏は、製造番号に自分のお名前にちなんだ語呂合わせの数字並びがあるカメラを収集されていらっしゃいます。

実はうちの店でも該当品をお買上げいただいたことがあります。

ところで今の時代、非常に市場性を失ってしまっているプラスティック製のフィルムコンパクト機。それらを数台まとめて整理していた時に、「ハッ」と思いました。

これは今までに何度も見過ごしていたと思うんですが、このカメラは「ペンタックス ESPIO928M」って機種。この機種名にある数字が、まさに「それ」なんです。

さて、製造番号にまつわる話題は今までにいくつかありました。ここに少しまとめてありますね→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2011/05/516516.html

 

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2016年6月11日 (土)

Autoboy JET

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この変態カメラ...いや、変形カメラ。意外にも、本ブログでは話題にしたことがなかったようです。

キヤノンはニコンと違って、コンパクトカメラを造るのが下手ではないので、金属カメラの時代から「キヤノネット」、そして、AFコンパクト時代は「オートボーイ」、APSフィルムになってからも「IXY」と人気シリーズを輩出しております。

そのオートボーイ・シリーズの中で特徴的なモデルは数機種、今までにご紹介してきました。

 

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さて、この「オートボーイJET」は、1990年の登場。円筒形のレンズを握って撮るような撮影スタイルです。片手でムービーカメラを構えるようなスタイルは、京セラのサムライなんかにも似ています。だからと言って、特別に画期的な機能が付いているわけではなく、、、デザイン優先、奇をてらって~というのが一番の理由のような気もします。

ただ、細かい部分では工夫されているところもあります。一番上の画像で分かるでしょうか、レンズのフロントキャップが電源スイッチを兼ねているうえ、180度ターンさせて開くと、そこにあるのはストロボの発光部。発光部の前にある集光板はズームに連動して前後し、望遠側での撮影に一役買います。

それと、先日話題にした何でも付けちゃえ!系の中国製カメラみたいに、ウエストレベルでもファインダーを見られるようになっています(下の画像で赤い→のところ)。あちらは反射式でしたが、これは実像式。ちなみに、下の画像で黄色い↑は通常時のファインダー窓。

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さらに付属品のクロ―アズアップレンズには、発光部を覆うディフューザーが一体化されています。

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2016年6月10日 (金)

ブラック & クリア

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今まで、色違いの同機種を並べたりして、「ブラック&ホワイト」なんてネタは何度かしたことあります。

が、今日は「ブラック&クリア」です。

この二眼レフのキャップ、「RIKEN」と書いてあるので「リコーフレックス」のものでしょう。

「理研」が「リコー」に社名変更したのは1963年4月のことですが、リコーフレックスの全盛期は1950年代までだし、「RICOH」と記されたリコーフレックス用キャップも案外と見かけます。

「RIKEN」と記されたこのキャップ、その形状からして、上下レンズがギアで連動する初期の頃のリコーフレックスのものと思われます。そうすると、それ系の最後発型で1957年発売の「ミリオン」までになります。

1957年だから昭和32年以前に、こんな透明な仕上げのキャップがあった!!ってことになります。

なんか今風というか、ある意味でシャレてますよね!?

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2016年6月 9日 (木)

Seagull DF5000

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久々にやって来た中国製カメラ「Sesgull DF5000」。その圧倒的に個性的なデザインがウリ!?です。

「Colani」コラーニって記されているので、かの有名な工業デザイナー「ルイジ・コラーニ」によってデザインされたものと思われます。

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ただ、このカメラ、ちょっと観察するとバレてしまうのですが、なんらかのベースボディの上にまるで粘土でも貼り付けるかのように造形したであろうことが、ミエミエなのです...。

で、ベースであろうカメラはミノルタX-500かX-300あたり。電源スイッチ、セルフタイマー、巻上げレバー軸やシャッターボタンの位置がそれらと同じ位置にあります。レンズマウントはそのままミノルタMDマウント。実際、ミノルタ一眼レフのマニュアル機は晩年中国で造られていたのも事実。

下の画像でそこら辺が分かると思います。元のボディやワインダーがあって、その外側に肉付けされているのが。

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アイレットも元のボディに付いているものを利用するので、その部分は肉付け部分がくり抜かれています。

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でも、さすがコラーニ!と言って良いかと思うのですが、、、巻上げレバー付近は見事に不思議な処理がされています。前方から見れば、ほかと同様に元のボディに肉付け処理されているのですが、後方から見ると、巻上げレバー自体がその肉付けの一部になっていて、なんとも不思議な形状をしつつ、決して操作性は悪くなっていないのです。

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しかし、これはどうしてもいただけない点がありました。レンズの鏡胴がレンズ前玉の縁にあるフィルター用の溝(下の画像で黄色矢印の部分)より、ずいぶんと前方にせり出していて(フード的な効果があるのかもしれませんが...)、フィルターをねじ込むのに苦労するのです。

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最後に、自分でも無理有るかなぁ~と思いつつも言ってしまうと、このカメラの格好が何かに似ているよな?と思ったのは、アナグマ。

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2016年6月 8日 (水)

赤青黄色

本日水曜日は、アローカメラ&我楽多屋とも定休日となっておりますので、よろしくお願い申し上げます。

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二代目の「先週撮ったもの行ったとこ」は、豊洲新市場建設現場です。日々通勤で通る場所なので、今年11月7日の開場に向けて急ピッチで作業をしているのが見ていて分かります。

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今日の画像のエリア(東京都中央卸売市場:提供のイメージパースの左手前にある緑地にあたるので)には建物は立たないようですが、今は整地をしているようです。

そのための重機が夜に作業を終えて、赤青黄の3台寄り集まるように停められていました。

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2016年6月 7日 (火)

ミランダのAiCマーク

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1950年代半ばから60年代にかけて、元気の良かったカメラメーカー「ミランダ」。この「センソレックスEE」は1972年登場なので、その歴史の中では最後寄りに登場したカメラです。

ただ、改めて手に取ってみるに、そのズッシリとした重量感は、ただ重いだけではないような質感が感じられます。で、この個体に付いてきた標準レンズがF値1.4。ミランダのレンズの中で、この明るいレンズの流通数はかなり少ないはず...。

それから、細かいことですが今回一番関心したのは、シャッターダイアルに併設されてるフィルム感度設定部。ここにあるのは全然珍しくないんですが、感度設定を変えてみようとダイアル部を持ち上げながら回してみたら(これも有りがちな操作方法)、感度数値が回してる方向と逆回転するんですよ!何じゃ!この凝りよう!!分かりづらいでしょうから、動画録りました。


YouTube: ミランダセンソレックスEE

さて、このカメラ、型名にもあるようにEE機構のあるカメラです。でも、1972年にEEカメラを初導入しているようでは、かなり遅れ気味なんですよね。それも、さっきはズッシリとした重量感ということで褒めましたけど、その時期にこの手のボディに無理矢理!?にEE機構を載せているようでは、一世代遅れてる感あったと思います、当時は。

また「ペトリ」と「ミランダ」を一括りして論じるような傾向もありますけど、ペトリ好きなわたし的に見ても、もともとは「ミランダ」の方が格上ですよね。だって、航空光学を学びロケット研究を目指していた人が手掛けた会社・カメラですから。このカメラの基本にあるシッカリ感には、まだその息吹が残っているような気もしました。

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あと、この個体にはAiCのマークが貼り付けられています。これはミランダの元気がまさにいい頃の1968年、ミランダの株を買い始めたドイツの商社AiCのことです。AiCは1969年には100%買い占めますが、1976年に経営資金を止めてしまったのがキッカケでミランダは倒産に追い込まれてしまったのです。

 

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2016年6月 6日 (月)

ダブルネーム ²!?

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昨日に続いて、また今日もお客さんカメラねたです。

カメラは「argus/cosina STL」という珍品系(以前、STL1000は紹介済み)。米と日メーカーのダブルネームです。    

コシナ研究会の人でさえ、このダブルネームに?な人がいらしゃったのは、古くからカメラ製造をしているアメリカのアーガスが、OEMがメインである日本のコシナとネームを併記することにメリットがあるのか!?的な部分です。コシナ研究会会長曰く、「本国よりも海外では意外とコシナブランドは浸透しているんですよ」とのこと。

このカメラを見せてくれたYさんのオチは、このカメラに「mamiya/sekor」と記されたボディキャップを付けてしまったところにあります(笑)。

こちらの場合、マミヤは社名で、セコールはレンズ名だったり、一部のカメラの型名なので、ダブルネームと言えるのかどうか微妙ですが、まるで似たような表記方法「~~/~~」がカブって面白いところです。

このボディにこのボディキャップが合致してしまうのは、ともに採用しているマウントが国際規格スクリューマウントのプラクチカ(M42)マウントだからです。

 

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2016年6月 5日 (日)

通称「金ピカコード」

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昨日のお客さんカメラです。

「金ピカ」といっても、保存環境や経年変化で、金というよりも銀に近くなっている個体が多いのも現状でして、それもそのはず~1933年に製造されたカメラですからね。正式名称は「ローライコードⅠ型」で、その初期モデルがこの特徴的な外装をしています。

別称「アールデコ」なんて風にも呼ばれるのは、ボディ表面に貼られた金属板に黒とニッケルメッキ(薄い金色)で幾何学的模様が描かれているから。

今回、改めて見せていただいて、ボディ側面にある巻上げノブやピントノブなどにまで、この金ピカの所以となる金属板が貼られていることに気付きました。今まで、全く意識して見ていませんでした。

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あと、背面に記された被写界深度表が背面全面に記されているのと、この個体はその表面が劣化で擦れているからでしょうか、、、お経か何かが記されているように見えてしまいました。

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しかし、今から80年程前に造られたカメラがこんなにシッカリしていて、味のある存在感を発揮していること自体が凄い。で、描写だって十分に良いのです(古いものゆえ経年劣化など個体差はありますけども)。

 

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2016年6月 4日 (土)

∞を越えて

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レフレックスニッコールC500mm/F8について、先日、お客さんに指摘されてお答えできないことがありました。

ヘリコイドを回すと、∞(無限遠)のマークを越えても、まだ少し回ってしまうのです。これについて「壊れているんじゃないですか?」とのご指摘。

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その時に店にあった、他のニッコールを試してみると、∞マークが指標に来たところでピシッと止ります。まぁ、他メーカーのレンズでも、これが普通なんですが...。

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ただ、なんの根拠も説明も出来ないのに、変な自信があったんですよね、、、このレフレックスニッコールは壊れていないと。でも、その時それ以上調べたりすることなく終わってしまいました。

次の日のこと、某常連さんが我楽多屋店内の新入荷品などをチェックしながら、そのレフレックスニッコールを手に取り、∞マークが指標を越えたところにあるのを見て、「あっ!これ、レフレックスニッコールらしいね」と、おっしゃるのです。

「何々何々何々何々何々?」と飛び付くようにして理由を伺うと、「私も光学的なことは詳しく分からないけど、温度によって収差が出るのを考慮して、∞を越えたところまで回るようにしてあるらしいですよ。昔、同じレフレックスニッコールを持っていたから、不思議に思ってニコンに電話かけて聞いたから間違えないですよ」と。

ほほう~、鏡胴内の温度変化により空気中の光の屈折率が変わるので、望遠レンズやミラーレンズではピントの位置が多少前後することがあるのだそうです。でも、一眼レフだからファインダーで合致するのを確認すればいいわけです。

 

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2016年6月 3日 (金)

ダブルネーム!?

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このフード、片方の側面にはかつてあったカメラや写真の用品メーカー「Walz」の刻印があります。それだけなら、全然珍しくないのです。よく見かけます。

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ところが、反対側の側面にアルファベットの「S」と「M」をデザインした、マミヤのマークが刻印されているのです。

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今までに何度か見たことあるのは、用品メーカーが作ったモノに「for MAMIYA」みたいな感じで入っている場合はあります。マミヤの何々用に作りました~的な感じです。

でも、これの場合は、シッカリとマミヤのロゴマーク入りですからねぇ。「ダブルネーム!?」みたいに思ってしまいます。

真相はどうなのでしょうか???マミヤが付属品として販売したフードに、製造元であるWalzの刻印を入れるのをヨシとしたものなのか???Walzが製造販売したマミヤ用のフードに、勝手にロゴを入れてしまったのか?それともそれをマミヤが認めたのか???

今の時代的に分かりやすく例えるなら、ケンコーが出しているフードにNikonのロゴが入っているようなものですからね。

 

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