フィルムカメラの最終兵器!?
さて、数日前にFacebookページで軽く予告をした、中国製フィルムカメラの最終兵器!?みたいなの、いよいよお披露目します。
大きさからしてセットケースと思われるバッグ(上の画像)は、どこにでもあるような至って平静を装った体裁をしています。その中から出てくるのは、これ、「POLO SHARPSHOTS AZ-2900R AUTOMATIC」。グリップ式ストロボを装着したまま収まっていました。
大きめなプラスティック製コンパクトカメラじゃんか!?と言われれば、そうなんですが...。そのデザインなどから、フィルム世代晩期のものと予想されます。
パワーズーム付きなんですが、32-56㎜とズーム比は2倍も無いんです...。透過式ファインダーも連動してズームするんですが周辺が湾曲していて、覗いていると少し気分悪い。
ところが、このカメラの最大の面白ポイントと言えるのが、何故か反射式ファインダーも付いている点。これが~ボディ前面にある丸い窓がかなり大きな為か、ずいぶんと明るくて見やすいのです。ただ、さすがにこちらはズームせず最広角寄りで固定だし、左右逆像。
で、大きな図体しているのにストロボは内蔵していなくて、グリップ式の専用ストロボに頼ります。専用ならシンクロさせるのに、どこか目立たない部分で処理すればよいのに仰々しく付けられた、それもカールしたコードをボディ上面のホットシューに接続します。
このグリップストロボ、優秀で首振り式になっていて、バウンスも左右方向にも稼働しますし、発光部のカバーが前後にスライドしてズーム対応にもなっています。が、そのズームカバー部に記された焦点距離が、ボディの焦点距離と微妙にズレているのが摩訶不思議...。
そして、この画像なら分かりやすいと思いますが、ボディ上面はメタリック調な仕上げにもなっていて、高級感!?を醸し出しています。
で、考えても分からなそうなので、あまり深くも考えていないことがあります。レンズの鏡胴部に記された「56」と「32」の数字。「56」は多分「5.6」でF値のことを言わんとしているのではないかと思うんですが、ここには樹木が1本と2本のアイコンがあるように焦点距離のズーム部分なんですよね...。それに、中国語なので読解出来ない説明書のデータ欄を見るに、このカメラのF値は「8~11」と記されています。ただ、壊れているとも思えないんですけど、条件をいろいろ変えてシャッター切っても、絞りが変化しているように見えないんですよね。
さて、中国語の通訳をされているお客さんにうかがった話によると、実用性が無いようなものでも装備して、多機能・豪華を謳うようなところが中国製品にはある~とのこと。反射式ファインダーにしろ、ストロボにしろ、分かりずらい表記にしろ、それ故なのかもしれません。その結果、なんか怪しげな武装をしたようなカメラに見えてしまうのです。
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