我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2016年6月 7日 (火)

ミランダのAiCマーク

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1950年代半ばから60年代にかけて、元気の良かったカメラメーカー「ミランダ」。この「センソレックスEE」は1972年登場なので、その歴史の中では最後寄りに登場したカメラです。

ただ、改めて手に取ってみるに、そのズッシリとした重量感は、ただ重いだけではないような質感が感じられます。で、この個体に付いてきた標準レンズがF値1.4。ミランダのレンズの中で、この明るいレンズの流通数はかなり少ないはず...。

それから、細かいことですが今回一番関心したのは、シャッターダイアルに併設されてるフィルム感度設定部。ここにあるのは全然珍しくないんですが、感度設定を変えてみようとダイアル部を持ち上げながら回してみたら(これも有りがちな操作方法)、感度数値が回してる方向と逆回転するんですよ!何じゃ!この凝りよう!!分かりづらいでしょうから、動画録りました。


YouTube: ミランダセンソレックスEE

さて、このカメラ、型名にもあるようにEE機構のあるカメラです。でも、1972年にEEカメラを初導入しているようでは、かなり遅れ気味なんですよね。それも、さっきはズッシリとした重量感ということで褒めましたけど、その時期にこの手のボディに無理矢理!?にEE機構を載せているようでは、一世代遅れてる感あったと思います、当時は。

また「ペトリ」と「ミランダ」を一括りして論じるような傾向もありますけど、ペトリ好きなわたし的に見ても、もともとは「ミランダ」の方が格上ですよね。だって、航空光学を学びロケット研究を目指していた人が手掛けた会社・カメラですから。このカメラの基本にあるシッカリ感には、まだその息吹が残っているような気もしました。

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あと、この個体にはAiCのマークが貼り付けられています。これはミランダの元気がまさにいい頃の1968年、ミランダの株を買い始めたドイツの商社AiCのことです。AiCは1969年には100%買い占めますが、1976年に経営資金を止めてしまったのがキッカケでミランダは倒産に追い込まれてしまったのです。

 

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