我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2009年7月

2009年7月14日 (火)

新旧混血ペン

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↑お客さんが見せてくれたカメラです。見た瞬間「出ました!」というか、「やっちゃいましたね!」そんな感じでした。

オリンパスの新型デジカメ「ペンE-P1」に、ハーフ判フィルムカメラ「ペンEE」のレンズを移植してしまってるんです。

これはインパクトありますよね!

こうしてしまえば、セレン式露出計の受光部(レンズのまわりのブツブツした感じのところ)は飾りでしかありませんが、飾りとして見たって十分に魅力的なガラス細工調って感じでしょうか!?

もともとがパンフォーカスレンズですから、描写はあまり期待できないような・・・。お客さん曰く「写りはちょっとね。。。拡大すると荒いし、、、写ルンですレベルかな・・・(笑)」と。「細かいことは気にしないで、遊びで作ったから~」とも付け加えていました。

天晴れ!というカメラいじりですね!

2009年7月13日 (月)

コシナのノクトン

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コシナからノクトン50ミリ/F1.1というレンズが発売されました。マウントはライカMマウントに準拠したVMマウント。

興味深い超大口径レンズでありながら、メーカー希望小売価格125,000円(税別)という値段にも大いに魅力を感じている人も多いのではないでしょうか!

超大口径ということで比較されそうな、キヤノンの0.95や、ニッコールの1.1、ライカのノクチルックス1.0(1.0に変わる0.95も発売されたばかり)、ズノーの1.1などの中古品がそれ以上の値段、モノによっては何倍もの値段で売られているのですから。

その描写や性能については、カメラ・写真雑誌のレポートで確認してください。

私が気になったのは、コシナの広告に「ツァイスイコン、ライカ用(ベッサには使用できません)」と表記されているのです。何で?なんで?ナンデ?

同じ広告内には、BESSAシリーズ10周年(さらにはコシナ創業50年)を記念して・・・というコピーまで書かれているのに。

でもでも、アサヒカメラやカメラマガジンに載っているノクトン50ミリのレポート記事にはベッサに付けてテストしているんですよ。カメラマガジンには「ベッサボディとのバランスも良かった」とまで書かれています。

というわけで、コシナのホームページを覗いてみると~。ヤベェ~。自分の早とちり、理解力不足に気付きました。。。

「ベッサには使用できません。」のは、別売りのスリット入りフードのことでした。。。まぁ、ここに書かなければ誰にもバレなかったのですが、あ~恥ずかしい。

2009年7月12日 (日)

がま口のケース

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昭和20年代~30年代にかけてブームになった豆カメラ。以前は「ステキー」というカメラを紹介したことがありました。

今回は「MIDJET(ミゼット)」というカメラです。

この手のカメラには似たものがたくさんあります。我楽多屋の番犬!?「盲導犬の募金箱」のラブラドール・レトリーバーのフィギュアが首から提げているのは、かなりトイカメラチックなモノですが、この「MIDJET」はかなりシッカリ造られています。

今回入荷した「MIDJET」は元箱・ケース付きでした。このモデルの登場自体は昭和14年のよう。面白いのが、その専用ケースがご覧のように「がま口」スタイルなこと!私は初めて見ました!!ケースにはちゃんと「MIDJET」の文字が入っているので、純正品で間違いないでしょう。

一緒に写っている10円玉は、豆カメラなので大きさの目安に~と思って置いてみたのですが、「がま口」だから小銭入れか!?と、そんな連想も出来るわけで、シッターを押しながら笑ってしまいました。

2009年7月11日 (土)

シールをたよりに・・・

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みなさんが中古カメラを買われた時にもあることだと思いますが、私どももお客さんから買わせていただいたカメラのチェックをしていると時々あることです。

裏ブタを開けると、フィルム室に何かのシールが貼られていることがありませんか?

例えば、フジのカメラにフィルムはフジフィルムを使いましょう!的なシールだったり、カメラを販売したお店の店名や電話番号が書いたシールだったり・・・。どちらも、最近のカメラではほとんど見かけませんので、シール自体に時代を感じることが出来て、より楽しめたりします。

最近では、修理の名人「早田カメラ」さんで修理されたカメラには、それと分かるシールが貼られているのは有名かもしれません。

今日、買わせていただいたニコンFのフィルム室に貼られていたシールは海外のものでした。「Texas」とあるのでアメリカでしょうね。「Rental and Repair」と書かれているのでアメリカのカメラ屋さんで修理されたカメラなのでしょうか?

貼られたシールなどをたよりに、そのカメラの今までの経緯を勝手に想像したりするのも楽しいものです。

そういえば、ちょっと話は変わりますが、以前にこんなことがありました。アローカメラで買わせていただいた品物の中に、ライカの赤い箱があり、その中にかなり昔のフィルムが保存されていた名残があったのです。その箱をお買い上げいただいた田中長徳先生に「中にあったフィルムはどうされました?」と聞かれて、処分してしまったと答えると、ずいぶんと残念がられたのです。

私としては、やはり・・・商売として買わせていただいた品物の中にあったフィルムが、手放した方にとって何らか不本意な形で公開されたりすると良くないことと思って、どちらかというと積極的に処分したので、何か複雑な心境でした。

*このネタは「我楽多屋で買ったモノ・マガジン第115回」で語られていますので、こちらも参照下さい。ちなみに、2009/8/5以降は第115回を閲覧できなくなるので、以下に一部抜粋しておきます。

 

二代目社長に「この中に入っていたネガはどうしたの?」と焦って聞いたら、「あ、ネガは処分してしまいました。あれ、要るんですか」とのお答えでちょっとがっかりしました。そのネガの箱のインデックスには「南洋」とか鉛筆書きで書かれていたのですから、これは戦前を生きたライカ人類の生きた記録なのです。

我楽多屋さんの女子大生のアルバイトのお二人に聞いたら、彼女たちは「南洋」の意味を知りませんでした。それで「君たちが行く、グアムやサイパンのことだよ」と補足説明したのでした。

その次の週に作家のいしいしんじさんに、このことを話したら、彼も残念がることしきりでした。「そりあ、もったいないわ、そういうネガがありゃ、小説が一本書けたのに。ほんにあきまへんな」といしいさん。

2009年7月10日 (金)

鉄ちゃん

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アローカメラおよび我楽多屋にご来店いただくお客さんの中には、鉄道マニアも多いようです。で、最近は鉄道マニアのことを「鉄ちゃん」と呼んだりしますが、カメラマニアを「カッちゃん」とかは呼ばないようですね。。。

さて、四谷系銀塩情報発信拠点としても、また、多くの銀塩カメラファンにとっても、頼みの綱であるのが富士フィルムさん。そこにお勤めで、うちの店のお客さんでもあるTさんは、自らが強烈な銀塩マニアであり鉄ちゃんです。そのTさんから、こだわりの写真展を紹介されたのでお知らせしておきます。

  • 「リバーサルフィルムで撮る鉄道写真の魅力」
  • 2009年7月9日(木)~7月22日(水)
  • 9:00~19:00(土曜10:00~17:00)日祝休館 最終日は14:00まで
  • 富士フォトギャラリー新宿
  • 東京都新宿区西新宿6-12-6 コアロード西新宿1F
  • Tel 03-3342-9811

ギャラリー内には40数点の鉄道写真が展示されているそうです。そのすべてがリバーサルフィルムで撮影されたものだそうです。DMには「お子様連れでも女性の方も是非ご鑑賞下さい」とあるので、鉄ちゃんでなくても、気軽に足を運べそうですね。

2009年7月 9日 (木)

エツミからこんなもの

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これが何か分かりますでしょうか?

必要ない人には何とも思わないモノでしょうが、「あったら便利!」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか?

つい最近、エツミから発売された商品名「マーティン スタンドプレート」(標準価格税込み2,100円)というものです。

例えば、一眼レフにワインダーやモータードライブを付けて、ちょっとでも大きめ・長めのレンズを装着した状態で、カメラをテーブルなど平坦な所に置くと「バタん」とカメラが前屈みに傾いてしまう・・・なんて経験したことありませんか?あの状態で放置しておくのは、レンズに変な向きから力が掛ってしまうので不都合だったりもします。

また、カメラを飾っておきたい!なんて時にどうしても安定の悪いカメラも時々ありますよね。これは、お店でカメラを陳列する時に切に感じた経験があります。

「マーティン スタンドプレート」を使えば、ご覧のようにガッチリと安定させて置くことが出来ます。

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そもそも、この商品はカメラスタンドとして単体での使用とともに、専用のハンドストラップとセットでカメラグリップとしての使用も考慮されたものです。ちょっと気になったので紹介してみました。

「デジカメWatchでの紹介記事」

http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090624_296304.html

「マーティン スタンドプレート」

http://www.etsumi.co.jp/catalogue/catalogue.cgi?serach1=M-7378

2009年7月 8日 (水)

飯田先生のペンデジ

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昨日、飯田鉄先生がご来店。肩から提げられた白い物体に反応しないわけにはいきませんでした。

先週金曜日に発売された「オリンパス ペンE-P1」です。詳細や、勝手な講評は以前に取り上げ済みですが、私自身、現物は初めてだったので、飯田先生にお願いして触らせてもらいました。

ズシリとした金属感や、握った感じには、往年のペンFの感触を彷彿させるものがありました。

さすがですね。装着されたレンズはマウントアダプタを介してライカレンズ。エルマリート28ミリ/F2.8アスフェリカル。

先生自ら、私のスナップを撮って撮影画像を液晶で拡大していただいたのに、「あまりアップで見るものではありませんね(自分の顔を。。。)」などと言ってしまい、じっくり描写を確認するのを怠ってしまいました。。。

「変な質問ですが、何で白を選んだのですか?」と聞くと、「銀じゃ、普通すぎるじゃないですか!」と笑いながら、さらに、「動画が意外と使えそうですよ」とコメントされていました。

飯田先生の写真展が開催されているので、ご案内させていただきます。

  • 飯田鉄写真展 “noraknis”-博物誌に寄せて-
  • 2009年7月5日(日)~8月30日(日)
  • 11:00~18:00(定休日/火・水)
  • cafe & gallery サロン・ド・ヴェール 長野県小諸市八満2214-32
  • http://vert07.exblog.jp/

2009年7月 7日 (火)

我楽多屋で買ったモノ・マガジン更新

田中長徳先生の連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」を本日更新しました。今回で第117回です。タイトルは「ニコンFより格上のニコレックスF」、それではこちらよりお楽しみください。

 

 

ペンのケース

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昨日のネタで使ったペトリ レーサーのカタログ画像は、「カメラ綜合カタログ VOL.27 1967年版」の24ページでした。「総合」でなくて、「綜合」なところに時代を感じます。

ブログ用に使っているコンパクトデジカメでそのページを撮影した後、カタログをペラペラとめくりながら見ていました。いろいろと興味深い品物が沢山で載っていた中で、「オリンパスペン用アクセサリー」のページで手を止めたりしていました。

ペンS用のフードは定価160円、ハードケースは定価1,000円。今の中古相場と比較したらビックリですよね、安くて。

今は在庫にありませんが、時々、我楽多屋にも入ってきます。当時の定価に対して、だいたい、ケースは数倍、フードは数十倍の値段を付けられますね。

さて、その2時間後くらいでしょうか・・・!

ある人(業者ではないがそれに近いような仲間です)が「コレは珍しいよ!」と言いながら店に入ってきました。それが画像にあるペンの赤いケース。赤いストラップまで付いています。その仕上げ具合から、後加工のモノっぽくはありません。多分、私は見るのが初めて。

そういえば!と思って、「カメラ綜合カタログログ VOL.27」の「オリンパスペン用アクセサリー」のページを開いてみたら、載っているじゃないですか!「カラーソフトケース(赤) ¥800」と。薄気味悪いくらいまでに、呼びましたね!?

しばらくは店に置いておきますので、赤いケースを見たい方はお声掛けください。また、欲しいという方はご来店の上、名乗りをあげてください(笑)。

2009年7月 6日 (月)

ペトリ レーサー

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ペトリというメーカーは時々、実に気になることをやってくれます。

以前、「ペトリ プロ7」というモデルを紹介しましたが、これは「ペトリ レーサー(PETRI Racer)」というコンパクトカメラです。

レンズの刻印を見てください。スッキリしているというよりは、なんか寂しくありませんか?

「petri 2.8  45mm」この表記だって、普通は「petri  1:1.8  f=45mm」くらいに丁寧に表記していますよね。そして、反対側の円周部にはポツンと「C.」としか表記していません。 

でも、中にはちゃんと丁寧に刻印(カタログの画像の方をよーく見てください)している時代もあるようで、、、また、赤文字で「C.C」と寂しく表記しているモノもネット上で見かけました。まぁ~、そんなところがペトリっぽいのですが。

今ここにある個体の状態は、露出計は働かなくなってしまっていますが、もともとオート露出機能が付いているわけではないので、シャッタースピードと絞りを自分で決めれば使用可能です。

「レーサー」の名の由来は分かりません。想像するに~露出計が動いていれば・・・の話ですが、ファインダー内の右端に見える針を指標の真ん中に合わせるだけで適正露出が得られる、その簡便性ゆえのスピーディーさを訴えているのではないでしょうか??

それか、当時の宣伝コピーにもあるように、「国際的な感覚」を横文字でアピールしたかったり、「軽量」を訴えるのにスピード感のある競走に例えたとか・・・?

発売は1966年。CdS式の露出計を内蔵し、シャッター速度は1/500秒まで。レンズは同じ45mmでF1.8付とF2.8付があります。未確認ですが、初期型がF2.8で、後期型がF1.8のよう。。。価格はF1.8付が16,400円(1967年)。