「案外と知られていない、カメラ史上に残ってもいいハズの不思議カメラ」、ということで紹介したいのがオリンパスOM101。
オリンパスのフィルム一眼といえば、OMシリーズ。今年発売されたデジイチのOM-Dは、そのMFシリーズのOM-1などを彷彿させるデザインで登場してきました。
あえて、「MFシリーズ」と言ったのは、AFのOMが存在しているからです。
OM707というカメラが、1986年にオリンパスのAF一眼1号機として登場。しかし、純粋にAF一眼と呼べる機種はOM707が最初で最後。オリンパスはAF一眼市場からすぐに撤退してしまうのです。
ただ、OM707の後に、このOM101(1988年)が登場します。このOM101が実に不思議カメラなのです。
OM707用のAFレンズを装着しても、いわゆるAF機能(シャッターボタンを半押ししてピント合わせてくれるような)が作動しません。どうするのかというと、ボディ背面右上にあるダイアルを回すと、「ジーコ、ジコ」と電気仕掛けでレンズのピントリングをカメラが回してくれてピント合わせをします。この仕掛けを「パワーフォーカス」というのだそう。
そして、OM101はオリジナル状態では、プログラム露出のみで露出操作は何にも出来ません。そこで、「マニュアルアダプター2」という小道具をボディ側面に装着して、絞り優先露出やマニュアル露出を可能にするんです。
このように、なんとも中途半端というか不思議な機能のカメラになってしまっているのです。
OM101登場の背景は、いろんなところで噂されているように、OM707でAF市場進出に失敗したオリンパスが、大量に売れ残ったAFレンズを売り切るために出した苦肉の策、それがOM101だというのです。。。実際、かなりなバーゲンプライスだったそうだし。
最後に、今、改めて見ると、デザイン的にゴツゴツしたOM707より、面白味あるデザインだったりします。それと、今回一緒に出て来た、AF50mmF1.8のコンパクトな鏡胴と合わせると、ちょっと使ってみたくなる装いになりました。