レンジファインダーライカ(型カメラ)のボディに内蔵された距離計ってのは、レンズマウント内側上部にある連動コマとレンズのヘリコイドの動きを連動させることで、覗いたファインダーの二重像を合致させてピント合わせが出来るようになっています。
これは、レンズ交換をしても対応できるような統一された規格になっています。
逆を言えば、連動部分に異常があったり、マウントアダプターで違うレンズを付けたりすると、ファインダーの二重像でピント合わせが出来ないということです。
ところが、かつてHANSA(ハンザ)から、距離計連動型を謳うDシリーズというマウントアダプターが出ていました。
アダプターにヘリコイド状のものがあって、それを回すと確かにライカマウントレンズの後部と同じように、ボディ側の連動コマを押すような仕組みになっています。
きっとほとんどの人は、このアダプターを使えば、異マウントレンズをライカ(型)ボディで距離計連動させられて使えるんだ!と思うはずです。
ちょっと考えて使う場面を想定しても、レンズ側のヘリコイドはどこかで固定させておいて、マウントアダプターのヘリコイド操作で何とかなるのだろう!と思うはずです。
がぁ~、実際のところはちょっと違って、こんな手順です。
- ファインダーを覗きながら、マウントアダプターのヘリコイドを回して二重像を合致させます。
- その時に示されたマウントアダプターの距離表示を読みとります。
- 読み取った距離表示と同じになるように、レンズ側の距離指標を合せます。
要は、単体の距離計で測った数値をレンズの距離指標に合わせる行為と同じわけです。
考え方を変えれば、ボディの距離計を単体距離計として使って距離だけは読み取ってしまおう~!的なアダプターなんですね。
なんかぁ~騙されたような気がしなくもないですが、我々が勝手に早とちりしているだけで、距離計連動型には変わりないんですね。せめて、距離計連動型の測距機能付きマウントアダプターって言ってもらえると、早とちりもし難かったような気がします。
実際、HANSAさんのカタログなどには以下のように表記されていました。
「カメラボディの『距離計』に連動して、被写体までの正確な距離が測定できる『測距機能つき』のマウント変換アダプターです。アダプターで測距した距離情報を取り付けレンズに設定することで、従来の目測のみに頼った方法りもはるかに正確な距離合わせが出来ます」
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