我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2012年12月

2012年12月14日 (金)

重いセコール

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今日は、このマミヤ一眼レフ用のレンズがえらい重いので。。。

カメラ好きな人なら、このレンズを持った瞬間に「重いなぁ~」と思うはず。

実際に重さを計ってみたら、ご覧のように360グラム。数値を言われても分かりずらいでしょうから、他のレンズも計ってみました。

  • ミノルタのMC55㎜F1.7が、224グラム
  • スーパータクマーの55㎜F1.8が、202グラム
  • 同じくスーパータクマーの50㎜F1.4(それも8枚玉)が、243グラム
  • オートニッコールSC50㎜F1.4で、306グラム
  • ちなみに、初代EOS-Kissのボディは、362グラム

でした。

こういう重さを実感すると、いいレンズを使っていて「良く写るんだろうなぁ~」と思うんだけど。。。さて、このレンズ、何マウントよ?ってことになります。

マミヤの一眼レフって、マウントを何回か変えているんですよね。このマウントは、バヨネット式。後期のZEシリーズのバヨネットマウントとは、鏡胴デザインなどからしても明らかに違うモノ。

で、サクッとマミヤ一眼のマウントをおさらいしておきましょう。以下のような推移をしてます。

  1. エキザクタマウント【プリズマットNP:1961年】
  2. 専用マウント【プリズマットWP:1962年】
  3. M42マウント【プリズマットCP、マミヤセコールTLなど:1964年】
  4. 専用マウント【マミヤセコールオートXTL:1972年】
  5. M42マウント【DSX1000など:1974年】
  6. 専用マウント【NC1000S:1978年】
  7. 専用マウント【ZEシリーズ:1980年】

と、20年の間にこんなにコロコロとレンズマウントを変えていたのです!

で、今日取り上げた重いレンズは「プリズマットWP」用。使えるボディは、この1機種だけらしいので、カメラを探すのが大変そう。。。マウントアダプタで他のカメラで使う?いやいや、マウントアダプターがないでしょ?

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2012年12月13日 (木)

海鴎 seagull

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かつては、同じようにカモメのマークがロゴに使われていた(すでに2世代前らしい)リクルートが、最近CI してロゴが変わりました。こちら、中国製二眼レフ「海鴎」は、ご覧のように、漢字・アルファベット・イラストマークの見事な3段階表示です(笑)。

海鴎というと、この二眼レフに限定して見がちですが、「上海海鴎照相機」というカメラメーカー。

二眼レフ以外にも、一眼レフやレンズシャッター機、コピーライカの上海なども製造しています。また、幻のコピーライカと言われる「紅旗20」もここで造られたらしい。

話しを二眼の海鴎に戻します。

代理店さんのコピーに4万円台(正規新品)でローライ気分!とありましたが、ちょっと大げさな気も…。ただ、モノの質は別として、使い方など二眼レフの醍醐味を味わえるのは事実。

で、描写もシャープで、色なんか案外とビビッドに発色するようで、撮る楽しみは十分にある模様。中古なら、新品と一桁少ない額で入手も可能ですし。

*現在正規に輸入されているものには「海鴎」の表記はなく、銘板部も「SEAGULL」と表記されているはずです。

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参考までに過去の記事を→http://arrow-camera.weblogs.jp/blog/2010/03/03sakurasky.html

第87回 得?or 特?

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今回の得特企画は、謎の「Nicca」の双眼鏡。

ホントに「得」なのかはよく分からないけど、初めてみたので「特」なのは確かな感じ。

「Nicca」(ニッカ)といえば、秀逸なコピーライカを造っていたメーカー。後にヤシカに吸収合併されてしまいますから、そのブランド名が生きていたのは、1960年くらいまで。

で、この双眼鏡。その「Nicca」なのかどうかが、まず不明です。

パッと見た目はおもちゃチックな感じもするんですが、銀色の部分は金属製、ピント合わせのリングの感触なども良い感じなので、決してオモチャの類では無さそう。

これ系に惹かれる人がいらっしゃるかどうか~なんですが、いつものように我楽多屋ご来店早い者勝ちで、2,012円。

ん~、高いのか安いのか、正直よく分かりませんけど。。。

2012年12月12日 (水)

招き猫3体

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テナックス(TENAX)というカメラ、かなりディープ系のカメラだと思います。

特徴は招き猫の手のようなシャッターチャージレバー。画像の真ん中にあるのは、当然ホンモノの招き猫ですが、左側にあるのがテナックスⅠ型で、右側がテナックスⅡ型。

まずはⅡ型から。1938年に登場した戦前のモデルです。

レンジファインダーを内蔵し、レンズ交換可能な重量感あるボディ。そして、下の画像で分かるように、メカメカしい造りは戦前のカメラとは思えない出来映えです。

Z193

 

Ⅰ型は、その呼び名からしてⅡ型より先に出ているようだけども、実際は1年後の1939年に登場しています。Ⅰ型が出たことによって、ただのテナックスだったカメラが、テナックスⅡ型と呼ばれるようになったのだそう。

Ⅰ型は戦後も製造されており、特にこの画像のモデルはレアめな戦後のテナックスⅠ型。何故レアかというと、東西分裂後のドイツでは商標権の争いなども起こり、のちに、このカメラもタクソナ(TAXONA)という名称に変わってしまうからです。

Ⅱ型に比べると、小さく軽く、お気軽カメラ的雰囲気。

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さて、招き猫の場合、右手を挙げていると「お金を招く、福を招く」というそうで、左手を挙げていると「人を招く、客を招く」というらしいです。

このテナックスの場合、Ⅰ型は左手、Ⅱ型は右手という違いがあります。。。これはどういう意味なんでしょ。。。

このテナックスがディープな理由の一つは、画面が24㎜×24㎜のスクエアフォーマットだからかもしれません。スクエアフォーマットで撮影したフィルムの現像をプリントショップに持ち込んだら、「トイカメラで撮影したフィルムの扱いは・・・」と忠告されたぁ~という話しもありますしね(笑)。

我楽多屋で買ったモノマガジン更新

田中長徳先生による連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」を更新しました。

今回で158回目、そして、今年は最後の更新になります。

テーマは「ハノイで大活躍のグレーのフィルムコンテナー」です。

こちらより、お楽しみください!

(閲覧は2013年3月初旬までとなります。)

2012年12月11日 (火)

モノホンのM-1ブラックらしい

M1
先日、うちの店にオリンパスM-1のシルバーとブラックが1台ずつ入って来ました。どちらも、使い込まれたうえに動作的にも気になるところのあるジャンクでした。

オリンパスM-1といえば、OM-1の最初期のもので、基本的には同じモデルなのですが、ライツ社から自社のカメラの型番と紛らわしい~というケチがついて、改名する前に出回ったごく数千台と言われるレアものです。

私も今回まで詳しく知らなかったのですが、M-1にはブラックモデルが正規に販売されたという事実はなくて、プロカメラマン向けに極々少数出回っただけらしいのです。その数、20台とか50台とかいうレベルで・・・。

で、うちに来たブラックはモノホンなの?ということで、自分なりに情報集めていろいろチェックしました。接眼部の形状、マウント部のビス、フィルム室の形状やビスの数などなど。

その結果は、ボディ各所にM-1の特徴とOM-1と思われるパーツが混在していて、判断しかねていました。

一番の茶番は、OM-1にM-1のブラック塗装した軍幹部を載せただけ~という結末なんだけど、私の調査でも、その茶番であると結論付けられない物理的要素と、この個体の出所がプロカメマンである点がどうしても引っ掛かるのでした。

そこへ、常連Bさん登場。Bさんはここしばらく、M-1の情報収集されていることを知っていたので、是非ともご意見を~と思ったのです。

Bさんといろいろとお話をした結果、この謎のM-1をBさんに委ねることにしたのです。その結果報告が以下です。お楽しみください!

  

Kn1

Kn2 Kn3
今日は、例の「謎のM-1ブラック」の検体検証結果を報告します。
 
<検証事項>

①本検体は中身は本物のM-1であるか。

②外装のブラックは後塗りではないか。

③MD(モータドライブ)対応はM-1の改造か中身をOM-1と交換して対応したのか。

 
<結 論>

・本検体は、オリジナルのM-1ブラックであると判断する。(①、②)

・MD対応はM-1を改造している。(③)

 
<検証内容>

①添付の分解は左側が、本検体のM-1で、右側が比較のためのOM-1です。分解してわかったことは、本検体はまちがいなくM-1であることが判明。(メーターの低照度傾向SW有無、プリズム押さえ、巻き上げレバー構造、底面構造部連結レバー形状・・等)

②この後塗りブラックかどうかが一番判断が難しいですが、カバー裏面の仕上げ状態や、巻き上げレバーの加水分解した樹脂の下の塗装もブラックであったこと、本体の長期使用による剥がれ部分の状態から見て1973年当初からの塗装と判断する。

③MD対応については、当時のオリンパスのサービスセンターではMD仕様への改造を受け付けていた事実から、本検体購入後にメーカーにて改造されたものと 判断。(本体ダイキャストはM-1のものであり後加工で底部に電源接点撮り付けした痕跡あり。)

*今回のこの検証作業は、最高にワクワクした体験でした!実際に前に購入したM-1ブラックは最初から「カバーはM-1中身OM-1」との正直表示で安く購入して楽しんでいましたが、今回の検証は、正直ドキドキしながらの検証でしたが。結果はまず間違いなく本物でした。

オリンパスのHPにも写真入りで「一般に販売しなかった・・」との記載がありますが、本検体が元プロカメラマンの所持品との話からも、本物のM-1ブラックであるとここに判断します。

*最後に初期型MDを取り付けて快調に動作したことも写真で報告します。

では、またワクワクを探しにおじゃましますね!

常連Bより

Kn4

2012年12月10日 (月)

最近使ってないカメラ・・・2

G760
フジフィルムの「NATURA BLACK F1.9」。

ナチュラ(NATURA)シリーズは高感度フィルムを使用することを前提に、フラッシュに頼らずにその場の自然の光で撮影しようというシリーズ。

現在もカタログに載っているズームタイプ(生産は終了した模様)でも、広角側の開放値は2.8と明るく、当初ラインアップされていた単焦点モデルは、広角24mmに開放値1.9というスペックでした。

その単焦点モデル。ベースモデルはパステルカラーのボディを採用していて、女性を意識したような製品でしたが、途中で登場した、この「NATURA BLACK F1.9」は渋いブラックボディで、カメラマニアにも受け入れてもらえそうな外観をしていました。

実際、私もその存在が気になって入手しました。欲しい時に自分の店に入って来ないもので、仲間の中古業者から入手して、もう8年くらい経つのかな。。。

NPモードってのがあって、この1.9の場合、ISO1600フィルムを入れると自動的にそのモードに設定されて、基本はフラッシュが発光しません。

実際、一番重宝したのは室内・店内での撮影。眼鏡や眼が光らずに人物が撮れますからね。

あと、ISO1600って粒子が粗いんじゃないの~?という心配ありますが、フィルムの質が良くなってるんでしょうね。日中に外で普段使いしても全く気にならないレベルでした。

ただ、最近は出番が少ない。。。

何故かって、室内での撮影って、デジカメの得意分野じゃないですか。。。(笑)

でも、改めて手に取ってみて、この季節、ヒンヤリとした金属ボディの感触がいいし。シンプルで渋いカメラだと再認識。

*上の画像は、NATURA BLACK F1.9の出番を奪っているカメラ、フジX10で撮りました・・・。

2012年12月 9日 (日)

FOR MOVIE

Z178
この外付けセルフタイマーは、よくある外付けタイマーとは別物でした。

本体裏側に「FOR MOVIE」って書いてあり、表側も観察すれば、ちょっと違う意匠してました。

スチルカメラ用であれば、ジーッと動作して最後の最後にシャッターが切れれば良いわけで、仕組み的にはピンが徐々に出て来て、最後に一気に引っ込んでくれれば良いのです。

一方、ムービーカメラ用の場合(コマ撮りでなければ)、しばらくシャッターを押したままにしないといけないわけです。

じゃあ、どうなるのかというと。まず、スチル用の外付けセルフタイマーと同じように、グルッと回してセットします。そして、ここがポイント!→撮影時間を緑の数字で書かれた5・10・15・20秒の中から選んで矢印を合わせます。

上の画像は、5秒に合わせてスタンバイの状態です。

で、ロック解除。ジーッと動き始めます。小さい方の赤い丸印が、本体に記された赤い点を過ぎたあたりで、ピンが出て撮影開始。それから、最初に設定した時間が経過すると、大きい方の赤丸が一番下にやってきて、ピンが戻って撮影修了~って感じです。

しかし、ムービーでセルフタイマーを使用する状況って、あんまり思い付かないのだけど・・・。

2012年12月 8日 (土)

謎のキヤノネット

Cano
カメラボディに記されたメーカー名が、銀ボディなら黒文字、黒ボディなら白文字~という定番説に沿わない例として、キヤノンTシリーズや京セラのAE一眼があるというご指摘をいただいたことまでは報告しました。

また数日前に、こんなカメラをご持参されたお客さんがいらっしゃいました。

黒ボディに赤文字です!!

何年か前に、この状態で購入されたそうです。お客さん自身も言われてましたが、キヤノネットにブラックあったっけ~?という疑問。。。

ちょっと調べてみましたが、情報や噂は見当たらず。。。ニューキヤノネットのQL17にはブラックありますけどね。

私の推測は、これは後塗りなんじゃ~なんですが、こういう言い方は語弊あるかもしれませんけども、キヤノネット如きにこんなキレイな後塗りを施すというのも奇特なお話。まして、キヤノンネームに赤を入れてしまうなんて、ますますマニアック。

ただモノではないですな。。。これを施した人は。

2012年12月 7日 (金)

LeitzのLeica M6

Z138
ライカマニアには当然のウンチクかもしれません。でも、カメラ好きな人の中にも知らない人、多そうなので。。。

私が時々ネタにしている「ライカの赤丸」。

よく見ると、赤い丸印の中に書かれた文字には、「Leitz」と「Leica」の2種類があります。

Leitz Leica

「Leitz(ライツ)」は、元々の社名エルンスト・ライツ時代のマーク。で、古くから「ライツのカメラ」なので「ライカ」という商品名だったのです。

1970~80年代にライツ自体に経営面で紆余曲折があって、1988年からは社名自体が「ライカ」になり、赤丸の文字も「Leica」になったのです。

だから、赤丸的には1988年を境に「Leitz」か「Leica」かの線引きが出来るのです。

そもそも、この赤丸マーク、M型ライカだと1980年発売のM4-Pから付き始め、M6、M7、M8に。一眼レフのR型だと1976年発売のR3から、R4、R5、R6、RE、R7、R8、R9に付いています。デジタルカメラには全機種付いているはずです。

じゃあ、「Leitz」の赤丸が付いてるモデルは?というと、M4-P、M6の初期。R3、R4、R5の初期に限定されるようです。