我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2009年8月

2009年8月13日 (木)

トリガーレバー

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我楽多屋、店内奥のショーウインドウにズラリと並んでいたリコーのレンジファインダーカメラに気付いて、ショーウインドウのガラス棚を下から、しゃがんで覗き込んでいるお客さんがいらっしゃいました。

「お~、トリガー巻上げのリコーが並んでいるね!」と。

そう、昭和30年前後のリコーのレンジファインダーカメラにはトリガーレバー巻上げ式が多いのです。

トリガーレバー巻上げとは・・・、一般的に多くのカメラは、フィルムを巻き上げるレバーがカメラ上面についていますが、底面についたレバーでフィルム巻上げを行なう方法をトリガーレバー巻上げといいます。普通、速写性を高められることがトリガーレバーの利点とされています。また、リコーでは「ピストル式速写レバー」と読んでいたらしい。

→参考http://www.ricoh.co.jp/camera_lib/library/1960-1.html

ま、今回はトリガーレバーうんぬんより、しゃがんで下から覗き込んだお客さんの行動が印象的で話題にしてみたのですが、念のため、その中の一台の全体像も載せておきます。

リコー35 デラックス(昭和31年発売)、このモデルは上面のノブでも巻上げが可能です。

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2009年8月12日 (水)

柿の葉すし

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関東圏の人にはあまり馴染みが無いかもしれません。私も何年か前までは知りませんでした。もちろん、食べたこともありませんでした。

知ったきっかけは、うちの店でアルバイトをしてくれたLeicaさんのご実家が、柿の葉すし屋さんだったから。和歌山県紀ノ川沿いの粉河にある「なかむらの柿の葉すし本舗」。

たしか、最初はご実家のお母様が気を遣って送ってくださったのだと思います。素朴で魅力的な味と、食べやすい一口サイズがとても気に入ってしまいました。以後、何度か注文して送ってもらってます。

ここで紹介しようと思ったのは、通販サービス(申込みは基本的にインターネット)を一般向けにもやっているから。私が食べて美味しかった!だけでは、和歌山に近い人は別として、私の自己満足でしかありませんからね。

え~、柿の葉すしをご存じない方に簡単に説明を、、、塩漬けにした鯖を柿の葉で巻いたお寿司のこと。元々は海から離れた山間部へ、塩漬けにして運ばれた鯖の調理法として考えられたものらしい。柿の葉にはビタミンが多いうえ殺菌効果もあり、すしの酢とともに鯖を美味しく長く味わう工夫のひとつだったようです。

鯖だけでなく、鮭や小鯛、鮎もあり、なかむらさんのお薦めの「じゃこ」(上の画像)も美味しいです。

カメラやそれに関するものの紹介は普段からしていますが、食べ物となると少し難しいですね。。。食べていただければ、その美味しさは分かると思います!

2009年8月11日 (火)

吊り金具と三角リング

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今も昔もカメラボディにストラップを取り付ける部分の金具を「吊り金具」といいます。しかし、その吊り金具の形は、今と昔で違った形をしているのです。

最近のカメラの多くは、ストラップをそのまま通せるような幅広な吊り金具が付いていますが、昔の金属カメラの吊り金具の多くは、そのままストラップを通せるような形状をしていません。そこに、丸や三角形のリングを介してストラップを取り付けます。そのリングを三角リングとか丸リングといいます。

金属カメラ時代のペンタックスの純正リングが、そういう形(三角形のような六角形)をしているのは認識していましたが、それ以上のことは特に意識したことはありませんでした。

先日、お客さんに「このペンタックス純正リングの形は、ロゴマークと・・・」と言われて、「オォーッ!!」と気付きました。

当時のアサヒペンタックスのロゴマークは「旭光学工業株式会社」の英語読み「アサヒオプティカルコーポレーション」の略「AOCO」をデザイン化したものでした。そのロゴマークの回りを囲んでいる線(罫線)と、純正リングの形を同じにしているのです!知っていましたか!?

2009年8月10日 (月)

ミゼットの功績

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先日、我楽多屋で販売した豆カメラ「ミゼット」、がま口のケース付きだったので、ブログでも取り上げました。

その後、常連のYさんに「がま口ケースを見て思い出したのだけど、うちにも似たカメラがあって、、、あれはどんなカメラなの?」みたいな質問をされました。

私は簡単に以下のような説明をしました。

「昭和20年代に流行った豆カメラの中でもシッカリと作られたモノで、あのミゼットは「ニューミゼット」といって昭和14年に発売されたもの。トイ風なモノが多かった豆カメラの中で、ミゼットは別格。この前うちの店にあったミゼットを買って行かれたお客さんは「昔、うちに同じカメラがあって、がま口ケースのことも印象に残っているのだけど、いつだか手放してしまったので、記念にいただいていきます!」と言われてました。で、売れた値段は〇〇、〇〇〇円くらい」と。

すると、Yさんは「そういうカメラなんだ!それなら大事にしないと。価値が分からないと捨ててしまいそうなカメラだしね・・・」と言いながら帰って行かれました。

で、数日前のこと、Yさんがミゼット(昭和15年発売のニューミゼットⅡ型)とがま口ケースと、古い小さなアルバムを持って来られました。「どうやら、このアルバムの写真はミゼットで撮影したもののようなので!」と。

見させていただくと、アルバム内にメモされた文字から、昭和20年終戦前の写真。密着焼きと思われる小さなプリントから推測して、ミゼットで写されたものに間違いないと思われます。

4センチ四方くらいのサイズに伸ばされたプリントを見ると、実によく写っています。あんな小さなカメラで撮った写真とは思えないくらい。

アルバムの中には陸軍将校だったYさんの御爺様の姿や、竹槍訓練をする女性の姿、絶叫マシン!?と勘違いしてしまいそうな昔の観覧車など、貴重な写真がたくさんありました。

こうしてうちの店にあったミゼットが、Yさんのご自宅で眠っていたミゼットを救出し、さらには残されていた過去の写真まで甦らせたような・・・今回の出来事に何か少し感動しました。

これも、写真として見える形で残っていたからこその話。折に触れて話題にしていますが、デジタルカメラで撮影したあと、そのままいい加減に放置していたら、このような甦りは起きなかったかもしれません。

2009年8月 9日 (日)

大口径コンパクト

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先日、「マミヤSuper Deluxe」を紹介したところ、久々に呼びましたよ!それまで、うちの店で何年間も見掛けなかったのに、再び、同じカメラが入荷しました。それも、自分よりも明るさが0.1明るいレンズを付けた仲間を連れてきました。

仲間と言ってもメーカーは違ってヤシカ製、「Lynx-14(リンクス14)」というカメラです。レンズ好きには魅力の富岡光学のヤシノンDX45mm/F1.4が付いています。

この2台を並べてみると、ボディーの大きさはほとんど同じ。そこにフィルター径にして55ミリの大きなレンズが装着されていて、コンパクトと呼んで良いんだろうか?と思うくらいの重力級です。

一緒に並べたペトリカラー35がオモチャのように見えてしまいます。

ヤシカ リンクス14/1965年発売。先に登場している他のリンクスシリーズが最高速1/1000秒シャッターを装備しているのに対して、このリンクス14の最高速は1/500秒まで。大口径レンズを装着する制約の為と思われます。また、このカメラ登場の翌年に「ヤシカエレクトロ35」が発売されて、簡単EE機構撮影が大衆に受け入れられたことで、台数はそれほど伸びなかったようです。

それから、マミヤSuper Deluxeの正式名称は「マミヤ35 Super Deluxe」でした。それと、前回の個体の軍艦部に貼られていたプレートは今回の個体には無く、「MAMIYA」と刻印されています。

2009年8月 8日 (土)

日本カメラオリジナルTシャツ

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カメラ雑誌8月号発売の時にも話題にしましたが、日本カメラさんがオリジナルTシャツを作成し、それを今度の「新宿クラシックカメラ博」で限定販売するらしいのです。

このTシャツが何となく、いや、そこそこに、もしかしたら、猛烈に気になっておりまして、再び話題にしたいと思います。

デザインは、過去の「カメラ年鑑」の表紙をアレンジしたもの。日本カメラさんも自分のところの本をTシャツ化して売ってしまう!とは商魂たくましい・・・じゃなくて、素敵な発想をしています。

日本カメラの営業マン I さんに「これいい感じじゃないですか!」と話したところ、喜んでもらえましたが、カメラ博での限定販売ということで、そんなに大量に作ってないみたいなのです。デザインが3種類あって、私が一番気になるデザイン(画像内左端)はわずか限定50枚、その他の2種類もカラーやサイズを指定すると、かなり少数になりそう。。。

ただ、カメラ博での反響次第では再生産の可能性もあるとか。

これは早々に会場に走るか、皆さんにご協力いただいて再生産を期待するしかないですね(笑)。

2009年8月 7日 (金)

段ボールフィルター

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先日の「日食ネタ」の時の中学生 I 君から再び手紙が届きました。

私が「段ボールフィルターに興味津々」と書いたことに反応してくれたのです。

 

「自作ダンボールフィルターをおくります。(少々雑ですが、、、)

このダンボールをレンズの前玉に固定します。

ただし黒くしないと反射するおそれがあるので、黒く両面をぬります。

そして真ん中に5~8mmていどの穴をあけて完成です。」

 

要は段ボールで作るピンホールフィルターですね。「少々雑ですが・・・」というコメントがあるように、送ってくれたのは実際に使ったものではないのでしょうが、、、確かに仕上げがおおまか。。。( I 君ごめんなさい)。

しかし、ここらへんの雰囲気に I 君の「オオモノ」性を感じた次第であります。

2009年8月 6日 (木)

大量入荷

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昨日、アローカメラに大量な品物の買取り依頼がありました。

その為の出張買取りで急遽、昨日5日はアローカメラ、我楽多屋ともに開店時間を通常の10時から12時に変更させていただきました。店のシャッターにその旨の貼り紙をしておきましたが、もしその間にご来店いただいた方がいらっしゃいましたら、大変失礼致しました。

都内某所の高級マンション2階よりクルマ1台分のカメラ・レンズを運び降ろし、帰店後、2階の買取りコーナーに整理のために開封した状態が上の画像です。写りきっていないモノもあります。。。品数はおおよそ二百数十点!ライカ、ハッセル、ニコン、キヤノン、ペンタックス、ミノルタ、オリンパス、フジカ、国産バルナック型ライカコピー、ロシアカメラ・・・などなど、多種多様な品揃え!

今回、これらのカメラを手放されるお客さんも、「こんなに買い貯めていたんだ!」と自分でビックリしたそうです。

ちなみに、わたくし二代目、昨日は重い荷物を抱えて階段を昇り降りすること数十回。今のところ、足腰ともに痛みなど出ていません。。。

その中から、我楽多屋向きの品物はチェックを済ませて、ボチボチと並べ始めていますので(下の画像中段くらい)、どうぞご来店下さい。

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン更新

本日、田中長徳先生の連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」を更新しました。

今回で118回目です。タイトルは「パリの思い出フォカフレックス」。

こちらより、お楽しみ下さい→http://arrow-camera.weblogs.jp/blog/monomagazine2.html

2009年8月 5日 (水)

M型中学生

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カラダのサイズがM型なわけではありません。

以前にも登場してもらったバルナック中学生のY君が、M型ライカを首から提げて来店されたのです。なんと!ライカM3、レンズはエルマー50㎜/F3.5!

前日に銀座方面で手に入れたばかりだそうです。早速、フィルムを装填しているらしいので、「今日は都内でテスト撮影?」と聞くと、「昼過ぎから塾なので、そろそろ帰らないといけない・・・」と言います。M型ライカ中学生は勉学にも忙しいのです。

ライカM3というと、カメラ屋から見てもカメラとして一級品。ちょうど店内に居合わせたカメラマンさんも「俺だって持ったこと無い・・・」と苦笑。

「いやいや、ちょっとビックリだよ!!」と私も正直な印象を彼に伝えました。

カメラとしての一級品を中学生が首から提げている、そのギャップにとてもビックリ!!彼が大人っぽい服装をしていたら、また印象が違っていたかもしれませんが、、、

ただ、ちょっと気になったことがあるのも事実。世の中いい人ばかりではありません。モノ盗りとか安全面が気になったので、それについても彼に告げると、「なので、今日はケースを探しに来たんです」と。

ライカM3純正のケースがあったのであてがってみました。アクセサリーシューに載せた「フォクトレンダーのVCメーターⅡ」を付けたままでも、ちゃんと入るのだけど・・・「ケースとはいえ、ライカ純正になると値段もね。。。予算はどうなの?」と聞くと、「外に並べてあるケースから、使えそうなものを探してみます」とのこと。

このくらいの年齢で、フィルムカメラを趣味にしている子達はとてもしっかりしています。

キヤノン7のケースがほとんどそのまま使えそう!ということで、お買い上げいただきました。キヤノン7のケースは、ライカM3のケースの約1/3の値段なり。