先日、写真家の飯田鉄先生がご来店された時に「ニコマートは凄いよね、見直さないといけないねぇ」と、ボソリと言われました。
そして、ニコマートの丈夫さをニコンFと比較して補足してくださいました。
我楽多屋の在庫にニコマートが沢山あったことを気遣って言ってくださった~というのもあるのだと思います。
そして、「私もまったく同感なんです!」と言いながら思い出したのが、もう6年半も前のブログ記事。
以下、再度掲載させていただきます。
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ニコンFといえば、日本国内だけでなく世界的に認められた一眼レフと言っても過言ではないでしょう。
それに対して、ニコマート(ここではFTN)は、同じニコンが造った一般向けモデル。
1972年7月時点(既に発売から5~10年くらい経過した時点ですが)での定価は、ニコンF:48,500円に対して、ニコマートFTN:32,000円でした。そして、その価格差以上に、ユーザー側にはプロ向けの上級機ニコンFと、一般向けの普及版ニコマートというイメージが根付いていたと思います。
ただ、それから、40年が過ぎた今、市場に出回っているそれぞれの個体を見ると、普及版ニコマートの堅牢さを実感せざるにはいられません。フィルムを巻上げたり、シャッターを切ったりする時に、その感触や信頼性に「いや~ニコマート立派だよな~」と感じることが多いのです。
他メーカーが劣るというわけじゃありませんが、同時期の他メーカーの普及版である、キヤノンFT系や、ミノルタSR系、ペンタックスSP系よりも一段上の信頼性があるような気がします。それは、上級機ニコンFにも匹敵するような印象。
また、こんな印象が私にはあります。今から10~15年前のニコンFとニコマートの間には、その操作感や印象に、やはり、Fの優位さみたいなのを感じた気がします。
ところが、ここ2~3年のニコンFとニコマートには、それほど差を感じない気がするのです。これは、いくつかの実機に触れて感じた、あくまでも私の主観ですけどね。
10~15年前は、まだフィルムが全盛の時代。ニコンFの場合はまだ現役の個体も多かったでしょうし、そうでなくても、まだ大事にされていた個体がほとんどだったはず。
一方、普及版ニコマートの場合は既に現役を引退して、タンスや押し入れで放置されていた個体が多かったものと思います。
じゃあこの10年で何が変わったのか?現在では、上級機ニコンFでも、現役を引退し放置されている個体が増加したのでしょう。もちろん、ニコマートに至っては、さらに放置された期間がのびているのも確かでしょうけど。
これには、ニコンというメーカーの偉大さを感じます。きっと、普及版ニコマートの製造においても、手抜き(こんな簡単な言葉は適当ではないかも…)をしていなかったんでしょうね。それが、長い年月を経ても、現在のニコマートに表れているんでしょう。
*いちおうニコンFのフォローをしておくと、最近では、酷使された挙句に長年放置された個体が多く、そういう状態でニコマートと比較されているパターンが多いのかもしれない点。
****(以上、6年半前のブログ記事より抜粋)****
上の記事から、6年半。今も同じ思いです。
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