我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2012年10月

2012年10月15日 (月)

素振り~

N174
カメラの素振り~って、言葉があります。

といっても、ごく一部のマニアの間でしか通用しないかも…ですが、少なくとも、うちの店の界隈ではかなりな認知度です。

カメラにフィルムを入れて持ち出すのではなくて、部屋の中でフィルムを入れずに空シャッターを切る行為のことを、カメラの「素振り」と言います。

効能は、実際に撮影する時のイメージトレーニングだったり、手指腕のトレーニングだったり、そして何より、クラシックカメラの場合は適度に動かしてあげることで、カメラ自体のコンディションを整えられるわけです。

ここからは、お客さんから聞いたお話し。

そのお客さんが某写真家先生に、「素振りばかりしているのもね~。フィルムを入れた方が素振りが軽くなるよ!」と言われたと。

これ奥深い忠告のような気がしました。

「たまにはフィルムを入れて撮りなさいよ~!」という意味合いとともに。その指摘されたカメラがレンジファインダーのコンタックスらしいので、巻上げに多少ゴリゴリ感が伴ってしまうような個体であれば、フィルムを入れて少しテンション掛けてあげた方が、逆にスムーズに感じられますよ!的な意味合いも含んだ忠告なのですよ、きっと。

何か、カメラ愛を感じるやり取りだなぁ~と思いました。

*上の画像は、昨日の「ビビッと来た」Baldessa Ⅰにフィルムを入れた時のもの。ちゃんと、入れました!後は撮るのみ。

2012年10月14日 (日)

ビビッと来ました

N168
久々に「これで写真撮ってみたいなぁ~」と思うカメラに出くわしました。

そのバルダ社製「Baldessa(バルデッサ) Ⅰ」(1957年)は、物々交換でお持ち込みいただいた品物の中にあったカメラ。他には、ジャンクレンズをメインにカメラも3台程ありました。

それらを、ニコンの記念ストラップとニコンF?用のスクリーンに交換され、お客さんにもご満足いただけたようです。

で、そのお客さんに「このカメラはとりあえず私自身で使ってみたくなりましたっ!早速、フィルム入れてみます!」と言うと、お客さんは「ピントが目測ですからね~、山なんか行くときに持って行きました。デジタルだけだと物足りないし…。よく写りますよ!」とお話ししてくれました。

さて、このカメラのどこに惹かれたのかというと、丸みある特徴的なデザイン、超シンプルなザ・マニュアルカメラ的な存在感ですかね。

で、このカメラの狙い通り、高級機過ぎず、かつオモチャじゃない~的な存在感・操作感も良い。もちろん、この個体の状態が良いというのもポイント。

N170 N171
画像(左)のように、フィルム巻き上げはボディ底面のこのノブで行います。携行時用に降りたためますが、その度に引き起こすのも面倒だったりして。。シャッターボタンは、ボディ上面にある大きくて四角いボタン(右の画像)。

バルデッサはこのⅠ型のあとに、距離計が付いたモデル、露出計も付いたモデルも登場するのですが、やはりこのオリジナルモデルが魅力ありますね。

*バルダ社の歴史は古く、創業は1908年にドイツ・ドレスデン。以後、製造されたカメラの多くは大衆機・中級機で、ライカ、フォクトレンダー、ツァイスイコンなどの高級機とはあえて競合を避けていたような風があるとか。

2012年10月13日 (土)

フォーカシングレバー

N099
お客さんご持参のライカM3に付いたヘキサノン28ミリの鏡胴に、手作り感満載のフォーカシングレバーが付いてました。

竹の割り箸を削って貼り付けてあるそうです。操作させてもらうと、実にいい具合。ちょっとしたアイデアで、お散歩カメラを使い良くするカスタマイズですね。

ただ、実を言うと、ネタ用にこの画像を撮らせてもらってから10日間くらい寝かせてしまってました。

それを慌てて引っ張り出して来たのは、この手のフォーカシングレバーってヘリコイドがスムーズじゃないと、逆に厄介なものになってしまうことに気付いたから。

今日、入って来たアイレス35 ⅢCのチェックをしている時のこと。

N164

ファインダーを覗きながら、二重像のズレがないか確認しようとフォーカシングレバーを指で押したら、ちょっと引っ掛かる感あり。で、ちょっと力を入れて押したら、グーッと大きく動いてしまい、戻すハメに。

もう少しで二重像一致するぞ~というところで、行ったり来たり。。。なかなか一致させられない…。

というわけで、ヘリコイドがスムーズに動かないとイライラするタネになり兼ねません。。。そんな時は諦めて、フォーカスリングを回して使いましょう。

2012年10月12日 (金)

やはり怖いナ・・・

1512
今から14年前に発売された「FUJIFILM CLIP-IT50」。今となってはビックリな総画素数35万。

N158 N157

先日、自宅にある小さな防湿庫の奥に古いデジカメを発見。中にはスマートメディアが入ったまま。

え~っ、、、何か画像入ってるのかな…?と思ったものの、バッテリー切れてるからすぐに確認出来ない(単3電池が見つからない…)。店のパソコンで開いてみようと思いながらも、数日間持ち出すのを忘れる。。。

で、いよいよ持参して、カードリーダーに入れたが全く認識してくれない。各種メディアに対応しているこのカードリーダーに、スマートメディアを入れるのはいつ以来なのか~。メディアの接点を磨いてみたりしてもムリ。

ふっと思い出したのが、スマートメディアをコンパクトフラッシュに変換するアダプターを最近どこかで見掛けたこと。見つけ出してそれを介したら、幸いにも無事に画像を開けました。

先々月に亡くなった愛猫の画像が記録されてました。

これですよね~、デジタルデータの面倒なところと怖いところは!

・すぐにその場で見られない
・開けない危険がある

デジタルデータだってシッカリ管理していれば防げることだけど、カメラ・写真趣味の人でさえ、なかなか出来ないことですからねぇ。

それの対策のひとつとも言えなくない企画品が、フジフイルムから出ています。インスタントカメラ「チェキ」のこんなパッケージ品(「チェキmini 25 BABY BOX」)です。赤ちゃんの成長を記録するために、1~365日目まで日数を記したシールが付いてるらしい。

フジさんには、モノ(フィルムやプリント)で残すことの大切さをもっともっと訴えてほしい。

2012年10月11日 (木)

お上品なマウント面

N155
一眼レフカメラのレンズマウント部は、最近でこそプラスティック製のものが普及版カメラの中にありますが、ほとんどのカメラは金属製です。

レンズ脱着時には、レンズ側のマウント面と回転しながら接触するわけで、その摩耗対策もあるのでしょう。また、特に重いレンズを装着した時の強度対策もあるでしょう。

フォクトレンダーの一眼レフ「VSL1」というカメラの場合、金属製なんですが、その上にご丁寧というか…お上品にというか…、ボディの側面と同じようにグッタペルカが貼ってあります。

その理由は分からないままですが・・・。

このカメラ、開放測光式の露出計を内蔵しているので、レンズの絞り値をボディ側で読み取る手段が必要なわけです。その方法にちょっと変わった手段を取ってます。

専用レンズのマウント面には設定した絞り値により深さの変わる部分(上の画像でレンズ側マウント面下方にある黒い細長のところ)があって、それをボディ側で読み取っています。それを読み取るのが、ボディのマウント面(正面から向かって左)のグッタペルカから飛び出ている金属の板状のもの。

微妙な深さを読み取るうえで、マウント面のグッタペルカが何かの役に立つのかどうか?ってことくらいしか、想像できないんですけど、関係ないだろな。

下の画像は、ミノルタα-3xiと、α-303si。1世代違いの同クラス機ですが、後発のα-303siはマウント面がプラスティック化されています。

N156

2012年10月10日 (水)

まさに機械仕掛けな

N153

N154

「コンタックスD」というカメラ。1952年に東西分裂後のドイツの東側で作られたカメラです。

知らないと設定方法に迷ってしまうような、シャッタースピードダイアルをしています。

1/50秒以上の高速よりシャッターに設定する時は、ダイアル手前(ボディ背面最上部)にあるレバーを右にシフトして、ダイアルを矢印方向に回しながら黒文字で書かれた希望のスピードを、窓の右側にある黒い指標(上の画像では隠れてます)に合わせます。

また、1/20秒以下の低速よりシャッターに設定する時は、前述のレバーを左にシフトして、ダイアルを回しながら赤文字で書かれた希望のスピードを、窓の左側にある赤い指標に合わせます。

で、今日お伝えしたかったのはこの操作案内じゃなくて、低速シャッターを切った時の模様をお見せしたかったから。

機械仕掛けのオモチャか何かのような、趣きある音と動作が味わえます。

 

映像はシャッタースピード1秒の時。シャッターボタンを押すと「チィーーッ」と音ともにシャッターが切れ、表示窓の中で文字盤がくるっと回転します。

2012年10月 9日 (火)

カメラボディに撮らせてあげる

N148
ボディとレンズの組み合わせについて、こだわる人がいらっしゃいます。

実際に中古市場などでは古いものほど、ボディとレンズの時代考証が合っているものは価値アリと見なされますし、合っていないとカメラ屋さんが別々に売ったりするものです。

その前に、、、レンズ交換式カメラというのは、レンズを付けないとボディだけでは写真が撮れないもの・・・

ある人がこんなことを言ってました。「古いカメラボディに新しいレンズを付けて撮るという行為は、ボディより後年の進化したレンズを付けることで、そのボディにより良い写真を撮らせてあげることが出来るのだ~」と。

ほほぉぅ、カメラボディを擬人化したようなおもしろい見方。こんな見方もありですね。

確かに、ボディというのは基本的に箱に過ぎないわけで、描写はレンズによる部分がほとんどなわけです。装着するレンズなりの描写を、そのカメラボディにさせてあげて、我々は写真を得る~ってことですな。

最近のデジタル一眼にオールドレンズを付ける遊びは、その逆の行為ではありますが、最新のカメラに古き良き描写を撮らせてあげる~と解釈も出来ますね!

この考え方、カメラボディをこよなく愛する人の発想~って感じでしょうか。

上の画像、左のセットは現代のデジイチにオールドレンズを装着したパターンで、新旧は明らか。右のセットはニコマートFTにNewニッコール50㎜を装着したパターンで、レンズの方が後発品。一眼レフ用の標準ニッコールには数世代あるのですが、ニコマートFTには時代考証的に第1世代が付いてるはずで、Newニッコールは第3世代。

我楽多屋で買ったモノマガジン更新

田中長徳先生の連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」を更新しました。

今回で156回目。テーマは「四谷大好き祭りの日に、カメラとアクセサリーの素敵な物々交換」です。

こちらより、お楽しみください。(閲覧は2013年1月初旬まで)

 

*コラム内の物々交換は特殊なパターンですが、普段から我楽多屋では「物々交換」サービスをやっています。

2012年10月 8日 (月)

1/10秒以下は~

G367
先日、ツァイス系のジャンクカメラ・レンズを少しまとめて我楽多屋に出しました。

中にはシャッターが全然ダメなものもあったのですが、これは大丈夫だろうと思って並べていたものもありました。

その大丈夫だろう~の個体。購入検討されてるお客さんがシャッターを切ったら、あの特徴的な金属製の鎧みたいな幕が開いたまんま閉じない。

耳を澄ますと「チ、チ、チッ…」と音がしては止まったりしているので、ボディを軽くたたいたり、揺すったりすると、また「チ、チッ」。これを数回繰り返していると、数分後に、シャッター幕が閉じました。

シャッター速度がスローに設定されてたので、もう一度、早めな速度で切ったら、案外と普通に切れる。

う~ん、、、ボディとレンズをバラそうかとも思ったけど、スロー使わなきゃ、何とか使えるのだから~と。条件付きで、値を少々下げて再度並べました。

その条件とは、「低速超ひっかかる。1/10秒以下は切らないでください」。

以後、何人かのお客さんがそれを見て、微笑みながら「切っちゃダメなんですね~」と、どちらかというと好反応。

なので、私も調子に乗って「そう書いている以上、もし切って引っかかったら、ハイ、お買上げですからね!」と。

たまには、こんなおふざけ的なやりとりもアリでしょ(笑)。

2012年10月 7日 (日)

私が買って、私が売る

今日は雰囲気を変えて、買取名人からのメッセージをお送りします。

名人が常日頃から口にしているのが、「私が買って、私が売る」というフレーズ。

アローカメラが買取り専門とはいえ、趣味でカメラやレンズを買い集めているわけではないのだから、売るのも当たり前のことだけど、分かったようで分からない感じのフレーズ。。。

要は、買取りを事務的にやらない~ということを言いたい為なのです。

では、名人どうぞ~。

G374
「私、買取り名人が買取価格に自信を持っているのは、私が買って、私が売っているからです。

そう、買取り担当者がリストに基づいて買っているのとは違って、事務的にやらないということです。

お持ち込みいただいた品物は、即、仲間の業者に転売するので在庫のリスクを気にしない、まさにその時点での販売価格を買取価格に反映させられることが第一のポイント。

そして、いただく手数料を自分の裁量で決められることが第二のポイント。

あと、品物によっては、少しお時間をいただいて、より良い条件での売り先を見つけ、その分を上乗せして買取れるような方法の提案もしています。

今の私は、買って売ることで、そのお客様に喜んでもらうことが一番の楽しみです」

とのこと。