田中長徳先生のブログ(8月24日分)で、我楽多屋で月一回開催のがらくた市、別名「シドニー」について語られています。
なんだか嬉しくて、過去のシドニーを振り返ったりしていたら、十余年前の我楽多屋新聞が出てきました。一面(と言っても裏表ペライチの新聞ですが~)の見出しは「田中長徳氏、がらくた市を語る~裏面へ~」。また、モノクロコピーの新聞なので分かりずらいですが、迷彩色の上着を着た長徳先生ががらくたを物色している画像も載っています。
「がらくた市(別名シドニー)」の説明は、ここであえてしなくても良いですよね。長徳先生のブログ(8/24分)や、こちらで確認してください。
で、8月26日分の長徳先生のブログでは「新東京タワー:スカイツリー」が話題になっています。このブログでも8月16日に話題にしました。画像を比較してみると、、、どうでしょう、見る角度に違いがあるでしょうが、おおよそ同じ方面からの眺めだと推測されます。高さ及び、クレーンの形に変化がありますね。残念ながら、ネコは居なくなっています(笑)。
前述の我楽多屋新聞第二号裏面に掲載した長徳先生からのコメントをご紹介したいと思います。
シドニーの楽しみ 田中長徳 常連代表
シドニーには行ったことがあるけど、しどにーには行ったことがなかった。一部、これはファンの間では有名なアローカメラ、我楽多屋さんの月1回の企画である。
本物のシドニーは「硬い岩山にナイフを突き立て、その周囲に色とりどりのペンキの飛沫が飛んでいる」と銘機礼賛に書いたことがある。何でそんなことが頭に浮かんだのか今では思い出すことも出来ないのだけど、シドニーはもともと岩の上に構築された町であること、さらに当時、売り出しのイラストレーター、ケン・ ドーンのアトリエを取材した時の印象が、そういうイメージを残したものらしい。当時のケン・ドーンは日本の女性誌hanakoの表紙の連載が開始されたばかりで張り切っていた。
最初から本物のシドニーの話になって恐縮だが、ここでの話題の本筋はアローカメラのしどにーの話である。と言ってもこちらが偽のしどにーで、あちらの豪州の方が本物であるなどというつもりは毛頭ない。
どちらも、シドニーなのだけど、最近では私は四谷三丁目のシドニーの方に引力を感じている。第四土曜日の午後2時から私が隣りの喫茶店キャロットでコーヒーカップを前にしてカメラトークを開始したのは、1998年の春からだった。確か、その第一回目3月28日は幸か不幸か、私の父親がその日の早朝に亡くなったというタイミングの良さであったけど、そういう身内の不幸を乗り越えて、四谷三丁目に行ったのはなにも野田社長の顔が頭に浮かんだのではなく、カメラ好きの父親であったから、その昇天当日にむしろこういう場所でカメラをひっくり返している方が、これは供養になるであろう、と思ったからだ。それに実際、葬儀社と段取りを済ませると、もう暇ですることのないのが「お葬式」なのである。
以来、毎月のしどにーは楽しみになったが、月末というのは私のような暇人でも、時間が思うにまかせないこともあって、この2ヶ月ほどはお休みしているが、また10月のしどにーからは開始しようと思っている。まぁ、ヨーロッパ流に言えば、夏のバカンスというところだ。その先月8月のしどにーの時には私はミノルタの新製品発表会があり大阪に行っていた。今月は皆さんご存知のフォトキナでドイツはケルンに行っているのである。噂のライカM7がいよいよ登場か!?というので、もし発表になれば、現物をお見せするのは無理にしても、カタログくらいは持参してしどにーをにぎわしたいと思っている。
さて、しどにーで皆さんのお持ちになっているカメラの話などを伺うと、これが面白くて、私のカメラエッセイの生きたネタになっていることは、大変に有り難いことだ。それと同時にアローカメラのしどにーはフツーのカメラ屋さんにはちょっと売っていない面白いものがあるので、私は衝動買いの経験者であるから、ちょっとのことでは興奮買いなどはしないゾ!と思っているのだけど、色々と購入してしまう。最近の買い物はペンタックス6×7が2台、ローライ3.5F、アイモ改造機というところだが、それぞれかなりのお買い得であった。
要するに我楽多屋さんは行ってみる価値がある店だけど、これはお地蔵さまのご縁日みたいなもので、しどにーの日の方が、余計に現世利益があるということのようだ。
(1998年9月執筆)