我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2009年3月

2009年3月11日 (水)

フィルム置いてみます

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フィルムカメラには味がある、フィルムの良さが・・・などと日々、口にしているのに、自分がフィルムを使っていなかったらダメだよな~と思い、先日、有楽町のBックカメラにフィルムを買いに行きました。

このブログにも記録があったのでキッチリと判明しましたが、昨年の2~3月にも買いに行ってます。いや、その半年くらい後にも一度行った記憶があります。で、その度ごとに地下2階にあるフィルム売場のスペースが縮小しているのです、、、

あの売場、光景を目の当たりにすると、フィルムを買うつもりでも行っても何か淋しくなるというか。。。人によってはフィルムを使う気が失せるのではないか。。。なんて想像してしまいます。

そこで、こうすることにしました。

今までうちの店ではフィルムは置いていませんでしたが(稀に期限切れフィルムとかを我楽多屋で売ることはありますが)、ちょこっとだけ置いてみようかと思います。

だからといって、わざわざうちの店までフィルムを買いに来てください!という訳ではありません。また、まとめ買いなら大手量販店でお願いします。来店のついでとか、手持ちのカメラのフィルムが残りわずかとか、そんな時に気軽に1本!そんな感じで買っていただけるようにです。

まぁ、うちの店でこんな少量のフィルムを置いたところでほとんど意味は無いでしょうが、ちょっとした反骨精神からの思いつき。大手量販店やメーカーが、こんな風に控えめな売り方じゃ・・・売れるフィルムだって売れるわけが無い。ちなみに、ヨドバシカメラ新宿西口のフィルムプリント館では、前述の有楽町量販店に比べれば、十分な売場が確保されていました。

大きなこと言ってみましたが、置いておこうと思うフィルムは1種類のみ。フジのカラーネガISO100の24枚撮りあたりになると思います。店頭に並んで無い場合は、スタッフに一声掛けてください。

2009年3月10日 (火)

引きブタ向きのホルダー

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近頃、中判カメラにはまっている常連Bさん。

休日のカメラ屋まわり兼撮影行脚の途中、うちの店に寄った時に「今日一番の買い物はこれです~!」と見せてもらったのがこれ(上の画像)。「今日の見つけモノはカメラ屋さんじゃなくて、文具屋さんでした」と。

日頃から、肩から提げた貫禄十分のドンケのバッグにブロニカなどの中判カメラを3台程、忍ばせているBさん。出先でフィルム交換が必要になった時のために、フィルムホルダーを外す引きブタの携帯が今までネックになっていたそう。。。

何故なら、同じブロニカなのにカメラの型によって引きブタが専用になっているため、引きブタもそれぞれ持ち歩かねばならないのです。その煩雑さが気になっていたところに、文具屋で適当なカードホルダーを発見。この形のホルダーだと、うまい具合いに数種類の引きブタを収納でき、かつ、かさばらず、安全に持ち運べそうだと、満足気に話していました。

2009年3月 9日 (月)

ケースもすごい

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ニコンSシリーズ用の5cm/F1.1というレンズがあります。今でこそ、フィルター径62ミリなんてありふれたサイズですが、この時代のレンジファインダー用レンズとしては、超ビックリ級大口径の貫禄レンズです。

1950年代半ばから始まったレンズの大口径化競争で、フジノン50ミリF1.2や、ズノー50ミリF1.1や、キヤノン50ミリF0.95など、各社競うように明るい大口径レンズを発売しました。しかし、高額だったこともあり、生産数はそれほど多くなくて、50年程が経過した現在では、どのレンズもなかなかお目にかかることが出来ません。

ちなみに、このニッコールは1956年に発売され、生産本数3000本と言われています。

今日取り上げたポイントは、レンズ自体のウンチクではなくて、このレンズ用のケース。ニコンSPに装着した状態で入れられるケースが上の画像。この大口径レンズを収めるわけだから、当然ながら、レンズよりもひと回りは大きいサイズになります。ご覧のように圧巻!!という感じです。

このニッコール1.1をはじめ、先だっての土曜日は、いわゆるいいモノ系の買取り依頼が続きました。目の保養!?にどうぞ(下の画像:左からライカM6、ローライフレックス2.8E、フォクトレンダー プロミネント)。

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2009年3月 8日 (日)

無理でしょう・・・

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『ここにおいてあった自転車を盗んだ方はすぐにもどして下さい』

店の斜め前あたり、喫茶店のにんじんが入っているビルの壁にあった貼り紙です。

自転車を盗まれて悔しい気持ち分かります・・・しかし、この貼り紙に込められた気持ち通りに、自転車が戻ってくることは残念ながらまずないでしょう。。。

買取りの商売をしていると、カメラ機材を盗まれた人から時々相談を受けることがあります。「どこどこで、こういった機材の盗難にあったのだけど、売り込みがありませんでしたか?」と。

しかし、換金目的の盗難の場合は相手もプロ!?でしょうから、国内で品物をどうかすることは少ないようです。盗った品物は早々に海外に持ち出してしまったりするらしい。ただ、私たち業者は古物を扱ううえで、売却者の身元を確認させていただく他、品物の製造番号なども確認することが義務付けられていますから、盗難品が国内で処理されれば、足が付きます。だから、万が一の時は、諦めずに警察に届けるなどの手段を取ることを忘れずに。

2009年3月 7日 (土)

H君のライカM2

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最近登場回数の多いH君。

来月から始まるN大芸写の学生生活を前に、憧れのカメラを入手しました!ライカM2にズマロン35ミリ付き。

ボディーは神田方面、レンズは銀座方面の店でともに本日入手し、その足でうちの店に来てくれました。カメラを始めてまだ数年ですが、その間の密度はかなり濃い~H君、1年くらい前からM2購入を企んでいたそう。

確か、去年その話を聞いたときは、「大学生になってからアルバイトでお金を貯めて・・・」だったと思うのですが、彼自身の頑張りで、進学を昨年中に決めた結果、年末年始にやった郵便局のアルバイト、その後の100円ショップでのアルバイトで、購入資金を確保!素晴らしい!

都内のカメラ屋さんを何軒かまわって、シャッターなどの調子の良いものを探した~というだけあって、確かにシャッター音、感触、動作ともいい感じ。外装はほんの一部、気にすれば気になるところが無くもないですが、かなりお手頃な価格で購入したようで、とても満足気でした。

実はこのネタをブログにアップする際、私自身少しためらいがあったのです。それは、以前、小学校6年生のお客さんの話を載せた時に「子供のブンザイで・・・」という意見がどこかから耳に入ったのを記憶していたから・・・。

でも、H君が自らの頑張りで手に入れた経緯、満足そうな顔を見て、これはいい話、誰にも文句の付けようがない話・・・と思ったのでアップしました。念のため、小学生の話だって、けな気な話で外野からとやかく言われる内容では一切ないんですけどね。

一通り見せてもらった後、包装し直してしまおうとしているので、「フィルムを入れて早速使わないの?」と聞いたら、「いや、今晩は枕の傍に置いて寝ます」と。このトキメキを忘れず、大切にドンドンとシャッターを切っていって欲しいものです。

2009年3月 6日 (金)

ペトリ

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ペトリというカメラメーカーがかつてありました。大正8年に「栗林写真工業」として設立されているので古いメーカーです。戦後、ペトリに名称を変えて、様々なカメラを製造したものの、1977年に倒産してしまいました。

このメーカー、個性的なカメラをいくつか作っており、私自身、何か気になるメーカーです。このブログの画像の中で何回か登場させている「ペトリカラー35」や「ペトリハーフ」は、わたしのお気に入りの2台。

ここに「ペトリ プロ7」(上の画像)というカメラがあります、このカメラを眺めながらあるお客さんと盛り上がってしまいました。何でわざわざこういうデザインなの?という点が多々見受けられるのです。

まず、ボディー前面左上「Petri Pro 7」のネーム回りから、上面のメーター窓やアクセサリーシューにかけての黒い部分、実に不思議な形をしています。メーター窓自体もその中のデザインも個性的。

次に、正面から見て、ファインダーと明かり採り窓のまわりは平行四辺形に縁取られています。で、その上半分は黒でペトリのマークが輝き、下半分はストライプの入った銀色。しかし、良く見ると、この平行四辺形に見える縁取り、実は底辺が微妙にV字型をしています。

そして圧巻!?は、ボディー底面。正面から見て、レンズの左側半分と右側半分で底の厚さ(銀色の部分)が違うの分かりますか?こんなところ、ふつうどう考えたって横一線で十分ですよね。。。

そのお客さん曰く「工業デザインをやったことあるんですが、私にはこのデザインは考えられない・・・」と苦笑いされていました。

2009年3月 5日 (木)

おかげさまで一周年

アローカメラ&我楽多屋のホームページをリニューアルし、この二代目ブログを開始してから、本日でちょうど1年!!!

手探り状態で始めて、少しずつ、皆さんから反応いただけるようになり、また、新たに店に足を運んでいただける方もいて、日々、それを励みに更新を続けてきました。その甲斐あって!?今では1日平均1000ページビューくらいになりました。本当にありがとうございます。

これからも、店やカメラにまつわる面白ネタを中心に更新していきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます!

さて、一周年を機に少々説教を・・・!?

近頃、フィルムカメラの売れ行きが悪いから・・・と、「え~っ!」というような安い値段で品物を売る業者もあるようです。消費者サイドから見れば「良いこと!」と思えますが、決してそうとも言い切れません。価値あるものは、それなりの価値で売り買いしないと、市場が活性化しない・品物が流通しなくなる危険性があるのです。

安く売っているということは、安く仕入れている買取っているということであり、消費者がモノを売る(買取りに出す)という行為を阻害しはじめます。

また、安く買ったモノは、どうしても扱いが軽くなる傾向になり、簡単に壊してしまったり、不要になるとどこかへ放ってしまったり・・・しがちです。

結果、品物の流通が鈍くなるのです。

悲しいかな・・・現状ではメーカーがデジタルカメラばかり作っているので、フィルムカメラは現存している中古のカメラを、業者とマニアでうまく大事に共有していかないといけないのです。そのためにも、アローカメラは「カメラ買います」にこだわっていきます。

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皆様から買わせていただいた品物は、それぞれの得意とする業者に転売し流通させ、がらくたチックな品物は我楽多屋で「ワケあり」で販売して、有限遺産のフィルムカメラを大切に皆様と共有していきたいと願うのです。

我楽多屋で買ったモノ・マガジン更新

田中長徳先生の連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」第113回をアップしました。今回のタイトルは「4x5のフィルムホルダー36枚を買ってそのうちの3枚にプラハで救われる」です。

それでは、こちらよりお楽しみください。

 

2009年3月 4日 (水)

レトロフォーカス

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アサヒペンタックス オートタクマー35mm/F2.3(画像右側:ニコンU2に装着)

先週、買取り依頼の品物の中にあったレンズです。あんまり見かけない、ちょっとレアモノです。がらくた市の2~3日前に入荷して、がらくた市で「探していたんです!」というお客さんの所へ嫁いで行きました。

そしたら、昨日、再び入荷。こうなりゃ、恒例の呼びネタとしてブログで取り上げないわけにはいきません。今回は同世代の「オートタクマー105mm/F2.5(画像左側:ペンタックスSPに装着)」も一緒でした。

さて、このオートタクマー35mm/F2.3。広角レンズの割りにずいぶんと長く大きい鏡胴です。何ゆえに?かというと、レトロフォーカス形式の初期の広角レンズだから。と、知ったげに書いていますが、私も詳細はうまく説明出来ませんので、写真用語事典(株式会社日本カメラ社発行)の助けを借ります。

レトロフォーカスタイプ/一般の広角レンズはバックフォーカス(レンズ背面からフィルム面までの距離)が短くなるので、カメラの内部でミラーが作動する一眼レフには使えない。そのため、望遠レンズとは逆にレンズの前面に凹レンズ系をおき、レンズの第二主点を後方に移動させて、焦点距離に比べてバックフォーカスを長くした設計方法をとったレンズをいう。一眼レフの広角レンズは全てこのタイプをとっている。初期のレトロフォーカスタイプは、周辺光量の低価をカバーするため、前玉の凹レンズ群が大きく、ラッパ型をしていたが、現在のレンズは設計の進歩によって、コンパクトになっている。

まぁ、ウンチクも大事ですが、このように見た目が特徴的なレンズをカメラに付けて出歩いてみたくなる・・・そんな衝動にかられるのも事実。最近ではデジタル一眼に付けて遊ぶ人が多いのでしょうが、、、あいにく私はデジタル一眼を持ち合わせていないので、こんな感じ。

ペンタックスS2あたりに付けるのがストレートなんでしょうが、マウントアダプターを介して、あえてニコンのAF一眼に付けて、そのデザインのギャップを楽しむのもオツなもの。。。

2009年3月 3日 (火)

ビー玉を

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我楽多屋で、あるお客さんにちょっと不思議な質問をされたので、お話をうかがってみると、こういう方でした。勉強不足で失礼しました。。。

上原ゼンジさん。今、発売中の雑誌日本カメラの特集「スーパーフォトテクニック 解体新書」(上の画像がそのページ)で記事にされていますし、上原さんご自身のウェブもありますので、詳しくは、そちらで確認していただければと思います。

我楽多屋で探されていたのは、レンズの前にビー玉をセットし、ビー玉越しの写真を撮るための材料でした。ゼラチンフィルターホルダーの前にフードを継ぎ足していけるようになっているもの(名称が出てこない・・・下の画像参照)があるじゃないですか。これを程よい長さにして、前面にフィルターを付け、そこにビー玉を固定しよう!ということらしいです。

*追記:上原さんより早速ご連絡いただきました~お買い上げいただいたのは「K.P.S. PRO. LENS SHADE」とのこと。下の画像は同種の別物です。。。

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いろいろお話をうかがう中で、こんなことも言われていました。「誰でも気軽に出来る程度の仕掛け、工作にしたい。レンズをバラしたり、特殊工具が必要だったりするのは避けたい」と。ご自身だけで楽しもう、という考えではなくて、興味を持った人にも試して欲しいのだそうです。

こういう遊び方もありなんですね!どうですか?あなたも。