我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2008年6月

2008年6月19日 (木)

ミノルタSR-M

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昭和30~40年代のミノルタ一眼レフ、SRシリーズはかなりポピュラーですが、この「SR-M」はかなりなレアもの。ベースとなった「SR-1s」に秒3コマの連続撮影可能なモーターを内蔵した派生モデルです。

このモデルの一番の特徴というか・・・見た目でビックリするのが、画像にあるような大きな大きなグリップ部分。この中に電池ボックスがあって、単3電池が8本も必要なのです。ボディー下部のモータードライブ部分はボディーと一体式で取り外し出来ないものの、先程の大きな大きなグリップは取り外しが可能で、取り外した際はボディーの巻き上げレバーが使用可能になるらしい。

ブラックボディーしか存在しないというあたりも、マニアの心をよりくすぐるのでしょうか。

ちなみに、この「SR-M」の持ち主は5月11日付ブログ「売って!買って!」と同じ方。アローカメラでカメラ・レンズを売った当日にそのお金で、以前から他店で目を付けていた「SR-M」をGET!その足で再びご来店され、思いっきり見せびらかせていただきました。そして、その勢いのまま、我楽多屋でミノルタMCレンズを2本もお買い上げ~。毎度ありがとうございました!

2008年6月18日 (水)

オリンパスペンW

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6月16日、日経の夕刊。この記事の私の第一印象は・・・「うわっ、えらい汚いガラクタ!」。ただ、すぐに「オリンパスペンW(ワイド)」と気付いて、「何だ何だ?」と落ち着いて見たら、森山大道さんの記事でした。

記事の内容は画像を拡大して見ていただくとして、オリンパスペンWとはどんなカメラか少し案内します。

1960年代にブームになったハーフサイズカメラの中核的存在がオリンパスのペンシリーズ。ハーフサイズとは、35ミリフィルムの一般的なサイズ(24mm×36mm・フルサイズとかライカ判とも言う)の半分の面積(18mm×24mm)に1コマの画像を記録させることで、フィルム代や現像代そのままで倍のカット数が撮影できるという経済性がウリ。

オリンパスに入社して間もない技術者米谷美久氏に与えられた課題が「6,000円で売れるカメラを作ること」だったらしい。米谷氏は独自の技術で簡素化を計る一方で、写りを重視するためにテッサー型レンズを採用した「ペン」を完成させ、1959年に発売。それから、20余年の間に10数タイプのペンが製造され、総生産台数は1700万台を超えるベストセラーとなった。

ペンWはそのシリーズの中で一番広角タイプのレンズを装着したモデルで、その画角はフルサイズに換算すると35ミリ相当。ボディーカラーはブラックのみで、当時の生産台数がけっして多くないことも手伝って、中古市場ではかなり高値で売り買いされています。

*オリンパス ペンW(ワイド):1964年発売。レンズはEズイコー25mmF2.8(3群5枚)。シャッターはB・1/8・1/15・1/30・1/60・1/125・1/250秒。露出計なし。108W×68H×40Dミリ/380g。

また、コンパクトで可愛らしいデザインから女性や若い世代にも人気があって、求めやすいタイプなら中古市場で数千円~手に入る。参考までに、下の画像はちょっと前まで我楽多屋に並んでいた「ペンEE-3」。たしか、6,500円くらいの値札をつけていました。作動等は現状OKで保証は無し、程度はかなりキレイでした。

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↑の画像は「ペンEE-3」

2008年6月17日 (火)

ブラックボディー

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先日、買取り依頼のあったカメラです。マニアには堪らないような機種ばかり5台、そのうち、4台がブラックボディーのカメラです。ちなみに、左後:ライカM4ブラック塗装、左前:ライカM4ブラッククローム、右後:ニコンF2チタン(チタンはブラックボディーのみ)、右前:ライカⅠF(シルバーボディーのみ)です。

1985年にミノルタがα7000というオートフォーカス一眼レフを発売してから、以後、発売されるカメラのほとんどがプラスチック製の黒い色をしたカメラばかりになりました。それまでのカメラといえば金属製のものが多く、その外装は金属部分のシルバーと皮を貼った部分の黒のツートンカラーがほとんどで、その銀・黒の色合いがカメラのイメージと言っても過言ではなかったと思います。

ただ、5~10年くらい前、フィルム一眼レフの中級機・入門機の一部にシルバーボディーとブラックボディーの2色をラインアップする機種が出てきましたが、これは、金属カメラが持つ「カメラ感」「存在感」を意識した商品開発からだったのではないかと想像します。しかし、デジタルカメラの時代になって、再び一眼レフはブラックボディーばかりに戻ってしまいました。

とはいえ、金属カメラの時代にブラックボディーのカメラが無かった訳ではありません。金属にブラック塗装を施したカメラも存在していました。その多くは、シルバーボディーよりもいくぶん高価な設定だったためか(カメラ自体が高価な時代のことだし)、一般向けにはあまり売れなかったのが事実。では、ブラックボディーの存在意味は何なのか?

プロが好んで使っていたと聞きます。黒いボディーだと被写体への写り込みを極力避けられる・・・という理由だったり。また、シルバーボディーの場合、戦場などでは反射して狙撃の対象になりやすいから・・・という理由もあるようです。

そんなプロ志向の理由と希少性からマニアには、ブラックボディーの金属カメラが人気だったりするんでしょうね。

2008年6月16日 (月)

空き缶は要りません

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16日午前9時ごろ、店にやってくると、本日は店のシャッター横、石造りライカの土台の上に空き缶が置かれていました。朝からアンハッピーな気持ちになり、昨日の「ハッピーなお客さん」の後にふさわしくない内容になってしまいます・・・。

一昨日の朝、同じく店のシャッター横に置かれていた「ミノルタα7xi」は、処遇に困る~とは書きましたが、カメラを置かれていった方の意思が「不要なカメラなので適当に処分してください」ということだと思うので、私どもとしては、部品取り用など何らかの方法を取らせていただきますし、捨ててしまって、そこで終わってしまうよりは十分に良い結果であると思ってます。

しかし~、自分が飲んだ缶コーヒーの空き缶を何で人の店の前に置いて行けるんでしょうか!うちの店はカメラ買取り専門店ではあっても、空き缶買取り専門店ではありませんし・・・。

最後に気を取り直して。今日、「ハッピーなお客さん」が来店されました。早速、ブログもチェックされていたようでしたが、ご自分のことだとは思いもしなかったようで(実は私の予想通り)、「えぇ!」という感じでした。ごく普段の振る舞いの中で人をハッピーにさせるのは、そうそう意識して出来ることではないですからね。

2008年6月15日 (日)

ハッピーなお客さん

先日のこと、うちのアルバイトが、ある常連さんのことを「あのお客様がご来店されるとハッピーな気持ちになるんです」と言い出だしました。たしかに私から見ても、その常連さんは優しくて丁寧な雰囲気を持っている方です。アルバイトも、その常連さんと交わす挨拶・会話、その方が発する雰囲気を受けて純粋にそう感じたのだと思います。

そのお客さんは、おおよそ週に数回ご来店いただきますが、以前、このブログでも書いたように「買い物における打率3割の法則!?」みたいな話もあるので、毎回毎回ご来店のたびにお宝をGETしていただくのも難しいものであります。

しかし、その方は「我楽多屋さんにやって来るのは癒しみたいなもので・・・かえってスミマセン。。。」などと言われていて、ヒットが出ない7割の時も何かを得て帰っていただけているんだな・・・と安心したりもします。

で、フッと思ったのですが「お店の人をハッピーにしてくれるお客さん」って、とても素敵な存在だと思いませんか?そう思った途端、このブログに書かずにはいられなくなりました。私も外に出れば、他のお店でお客さんになるわけで、利用したお店で「嫌なお客だな!」なんて思われるのは嫌なことだし損なことだ、とまでは自覚していました。しかし、お店の人をハッピーな気持ちにさせる!そこまでは考えたことは無かったと思います。

お店でたくさんの方と接せられることは本当にいろんな勉強になります!

2008年6月14日 (土)

ミノルタα7xi

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本日、午前9時過ぎのこと。店にやってくると、シャッター前の片隅に紙袋が一つ置かれていました。

中を覗きこんでみると、カメラが一台。ミノルタα7xiのレンズ付が入っています。今までにもこれに似た現象が数回ありました。自宅近くの駐車場に停めていたアローカメラ宣伝カーのミラーにカメラが一台ブラ下がっていたことがありましたし、ちょっと用事を済ます為に路上駐車中の宣伝カーの座席にカメラが置かれていたこともありました。

そのすべてにおいて、メモ書きの一枚も残されていなくて、最初は取り扱いに戸惑ってしまうのですが、そのすべてにおいて、以降なんの連絡もなく・・・。「不要なカメラなので適当に処分してください」ということなのだと判断させていただいてます。幸い・・・というか、そのすべてにおいて、買取価格を付けられるカメラが残されていたことはないのですが、万が一、値付けが可能なカメラが放置されていた場合のことを考えると、私どもも商いでこの店をやっている以上、タダでいただいてしまうことには抵抗を感じてしまいます。

今後もし、このような行為をされる場合は!?必ずメモ書き(趣旨と連絡先など)を残してください(笑)。またもし、13日夜から14日早朝にかけて、このカメラを放置された方がこのブログをご覧になっていたら、ご連絡ください。

2008年6月12日 (木)

テレタクマー1000ミリ

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数日前の買取り品の中にあった巨大レンズです。アサヒペンタックスのM42スクリューマウント、テレタクマー1000ミリF8。その大きさは、全長70センチ余り・口径15センチほど。重さはどれほどだったかな・・・かなり重かったです。。。

画像の中で隣りに並んでいるレンズは、キヤノンEF300ミリF4IS(右側の一番奥)やキヤノンEF85ミリF1.2(右側の奥から3本目)など。どちらのレンズも個々に見れば十分に立派な体裁ですが、並べてしまうと大人と子供みたいな差ですね。

ちょうど、レンズにボディー(ペンタックスSP)が付いていたので・・・、その大きさからして、ボディーにレンズが付いているようには見えない(笑)。100ミリのレンズがどんなものか!?ファインダーを覗いてみようと思いたちました。ボディー付きの重いレンズをやっとのことで、店の入り口付近まで持って行き、ピントリングを無限大にして、店の外へ向けてファインダーを覗きこみました!が、何にも見えない。ん???キャップ外しているし、絞りも開いてる。改めてピントリングを良く見たら、無限大の手前の目盛りが「500m」と刻印されてる!

うちの店から目の前の大通りの反対側まで30メートルあるかないか。その後ろの方の建物までだって100メートル以内。500メートル先にピントを合わせるなんて作業は東京の街中じゃ不可能でしょう。そうこうしている内に仲間の業者がやってきて、早速商談に。ファインダーを覗いてピント合わせするどころか、最短が何メートルだったか確認することもせずに、ドナドナされていきました。

ところで、ペンタックスのレンズになぜ「タクマー」という名称があるかご存知ですか?

第二次世界大戦敗戦によって一度解散に至った旭光学を、戦後、再建したのが松本三郎社長。社長の叔父に当たる梶原琢磨という人が明治時代の著名な写真家であり、その叔父の名前「琢磨」に敬意を表して名付けたらしい。また、切磋琢磨から「琢磨されたレンズ」という意味合いも込められていたようです。

2008年6月11日 (水)

反・鈍感力

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*「反・鈍感力」 著:浅井愼平 朝日新書

この本は、このブログを定期的にチェックしていただき、店にも足を運んでいただいているお客さんからいただいたものです。「第2章あたりから読んでもらうと面白いと思います。時間がある時に読んでみてください」と手渡され、遠慮なくいただいてしまいました。本当にありがとうございます。

実は私、小さい頃から本を読む習慣があまりなくて・・・(これは自分の無能を暴露しているのと同じか、、、)、それに、人に薦められるとかえって意識してしまう性質(この音楽聞いてみなよ~!なんて言われると、好きな音楽くらい自分で見つけるわい!とか壁を作ってしまう、、、)なのです。しかし、今回の出来事は感激に値することで、早速、読んでみました。

「感激」って何?と思われますか?まず、私の下手なブログを読んでいただいていることの嬉しさ。ブログを読んだことで店へ足を向けていただいていることから得られる充実感(実際、その方は今までより来店回数が増えました)。モノに対してこだわっている我楽多屋のモットーを理解し同調いただいている喜び・・・、でないと、お客さんから本など持って来てもらえません。あぁ、嬉しい~。

本の内容がどんなだったか、それは皆様も自分で読んでみてください・・・。それでは、あまりに乱暴なので、ちょっとだけ。アナログちっくなモノに対する価値観などが、お薦めの第2章に書かれていました。写真家の浅井さんの文章なので、カメラを例えにした部分もあって読みやすかったです。また、文化や人生などについても興味深く書かれていて、我が身のことを顧みるきっかけになりました。

2008年6月 9日 (月)

クラシックカメラ宣伝マン

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「こちらで買ったカメラを帰り途中のドトールなんかで、お茶しながらいじるのが楽しいんだよ!」と言われたお客さんがいらっしゃいました。続けて「まわりの人から興味深げに見られるんだよね。コイツ何してるのか?って目で」とも。

これを聞いて「いやいや、素晴らしい営業活動されてますね!」なんて口走ってしまいました。

現代のカメラはいじるといっても、一つのボタンが何通りもの役割を担っている場合があって、取扱説明書がないと使い方さえ分からない・・・なんてことも多々。それに、小さなボタンを押したところで何とも味気ない。

しかし、昔の機械式カメラの場合、多少独自の操作があったとしても決して複雑ではないので、いじっているうちに理解できたりするものです。また、操作する感触や音に味わいがあって楽しくなってくるのもの。シャッターダイアル、レンズの絞りリング、フィルムの巻上げレバーなどを操作する感触、シャッターを切る音、見て触れて満足感のあるその形。別のお客さんは、カメラが目の前にあれば酒のツマミになる・・・とも言われていました。

そこで提案です。自分のカメラをいくらいじっても誰にも文句は言われません。街中や喫茶店や電車の中で、まわりの人に見せびらかしてみませんか!それによって、まわりの人に家で眠っているカメラを引っぱり出してみよう!なんて思わせたら、こちらのものです。その人がそれを売ってみようと思えば、我々業者を通して昔の品物が市場に出回るわけで、あなたが探し求めているカメラがどこかから出てくるかもしれない。また、その人が同じようにカメラをいじって楽しみだせば、新しい趣味を提案してあげたことになるわけで、さらに、フィルムを入れて撮影してみようなんて思いはじめれば、フィルムの消費を活性化させた写真業界の功労者にもなれるわけです。

あなたの何気ないカメラいじりが世に与える影響は計り知れないかも・・・。

ただし・・・カメラ屋さんでカメラをいじる時には注意が必要です。新品を売る量販店の店頭に並んでいるカメラは、そのほとんどがメーカーからサンプルとして提供されたものだから、どんなにいじっても大丈夫だろうと思います。しかし、中古カメラ屋の店頭に並んでいるカメラは、そのほとんどが間違いなく商品です。なので、あまりいじっているとお店の人にいい顔をされなくなると思いますよ。。。

2008年6月 8日 (日)

ソフトシャッターレリーズ

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ソフトシャッターレリーズとは、カメラのシャッターボタンの上に付けて、シャッターボタンの操作感を変えるものです。使ったことのない人も多いと思いますが、意外とこだわっている人もいるシロモノです。

操作感がどう変わるのか?これは使う人それぞれで違ってくると思うので、「ソフトシャッターレリーズ」のキッチリとした定義はないかもしれません。考えられる長所を挙げてみると、シャッターボタンの高さが変わることによって使いやすくなる・・・と感じる人もいるでしょうし、ソフトシャッターレリーズの上面が平面(ものによっては多少凸状になっていたり、凹状になっていたりしますが)で表面積が広くなるため、同じく使いやすいとか、少ない力でシャッターを切れるとか、結果として、ブレを防げるとか・・・。こんな感じでしょうか。あと、見た目が格好よくなるから!でも理由としては十分だと思います。

で、上の画像が、ニコンのソフトシャッターレリーズ。左手の大きめのが「AR-1」といって、F、F2などに使うもの。右手の小さいのが「AR-9」といって、それ以外の一般的な機種に使えるものです。どちらも、もとは新品で数百円と安価なものですが、最近は品不足傾向でネットオークションなどでは2,000円近くまで値がつり上がることもあるようです。下の画像は実際にカメラに装着して状態。手前が「AR-9」、後ろ側が「AR-1」。

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現在でも部品メーカーから同じようなものが販売されています。例えば以下を参照ください。http://www.un-ltd.co.jp/products/camera/release/index.html

*で、「AR-1」「AR-9」が我楽多屋で売ってるのか?ってことですよね。僅かに入ったのでこのネタを持ち出したのですが、このブログを見てからご来店された場合は、多分、売れてなくなってしまってることでしょう。運良く、次回の入荷に合わせてご来店にいただけた方がGET出来る感じでしょうか・・・。