我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2009年9月

2009年9月21日 (月)

マミヤの「S」と「M」

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バックフォーカシング式の中判カメラ「マミヤ6」。ここにあるのは「K型」というモデル。元箱、皮ケース、取説、保証票まで揃った見事な状態。その保証票をみると、この個体が新品で販売されたのは昭和31年のようです。保証は2年間有効らしいです。

私は特に気にすることなくスルーしていたのですが、うちの買取名人や常連さんの1人が「へえ~これキャップが付いているんだ!?」と言いました。そう、スプリング式で折り畳めるから、レンズは収納されてしまうわけで、その状態ではキャップは不要のはず。

当時、実際に付属されていたのかどうかは不明ですが、現在見かけることはほとんど無いキャップであります。

そのキャップに付いている「S」と「M」のアルファベットをあしらったマーク。このマーク自体はクラシック系のマミヤ製品にはよく付いているマークですが、ところで、これ何の略かご存知ですか?

一説には、マミヤ光機の「M」と、世田谷光機の「S」という説もあるのですが、私がちょっと調べたところによると・・・。世田谷光機(株)の前身、マミヤ光機製作所の世田谷工場が出来たのは昭和21年であるのに、昭和15年のマミヤ6の広告には、すでにあの「S」「M」マークが掲げられているうえ、カメラ本体にも刻印されているのです。。。すると、この説はちょっと疑わしい。。。

で、推測するに、マミヤの創業者であり発明家でもある間宮精一氏のイニシャル「S」と「M」か、または、マミヤ光機製作所のマミヤの「M」と製作所の「S」か、、、そんなところでしょうか!?

それ以上はシッカリと調べていません。。。まぁ、こういう推理や調べる過程が面白いわけで。。。すみません。

ちなみに、マミヤ6のレンズにセコールレンズが装着されるのは戦後から。ということは、セコールの「セ」と「コ」は「世田谷光機」が由来というのは間違いないでしょう。実際、画像のマミヤ6のレンズには「SETAGAYA KOKI SEKOR」と刻印もされています。

最後にマミヤの歴史を記しておきましょう。昭和15年マミヤ光機製作所が創業されます。昭和21年にレンズとシャッター自給のために世田谷工場を建設。昭和25年に世田谷工場を世田谷光機(株)と法人化。同年続いて、母体マミヤ光機(株)も法人化。昭和38年世田谷光機をマミヤ光機が吸収合併。その後、近年には親会社さんが一転二転するのですが、得意の中判カメラにこだわり続けているメーカーさんです。

2009年9月20日 (日)

リコー オート35V

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この2台のカメラ、良く似ていますよね。左手は日本の「リコーオート35V」というモデルで、右手は「ロシアのゾルキー10」というモデル。どうしてこんなに似ているのかと言うと、右手のカメラが左手のカメラを模しているからです。

模されたリコーオート35Vは1961年発売。オート35Vの2年前に発売された「オート35」もデザインはほぼ同じ。今見ても「近未来」という言葉が当てはまるくらいの斬新なデザインは、当時の日本市場ではあまり受け入れられなったものの、アメリカ市場ではそのデザイン性が評価されたそうです。

そのデザインについて、リコーさんのウェブから少々言葉を拝借すると「在来のライカ型カメラから脱却して、前面カバー式で上下二分割、革張りは廃した」とあります。

模した方のゾルキー10、ゾルキーといえばバルナック型のコピーライカが有名ですが、この10ではリコーさんをコピーしてしまったわけです...。登場した時期が定かではないのですが、1959年(リコーオート35の登場年)以降であることには間違いないと思います。

この2台を比べてみると、全体のフォルム(ゾルキーは前面カバーが二分割ではないが)やシャッターボタンの位置、トリガー巻上げで巻き戻しレバーもフィルムカウンターも底面にあることなど、ほとんどそのすべてが同じ体裁。

唯一の大きな差は、ゾルキー10が距離計連動ファインダーを内蔵している点。何でコピーの方が優れていて、それもカメラマニアに喜ばれそうな機能が付いている…と不満というか嫉妬というか…不思議な疑問点に気付きました。

しかし、この点もリコーさんのウェブを見て解決。リコーオート35には海外向けに距離計連動ファインダーを内蔵したモデルがあったそうです。納得!

「近未来」という感覚が気になって、1990年代生れの大学生にこのカメラのデザインについて聞いてみたところ、「宇宙っぽい」とか、やはり「近未来」という言葉が出てきたので、ひとまずはジェネレーションギャップの無さに一安心。

いや、そんな心配より凄いことは、今から50年前にこういうデザインのカメラを製品化していたことがビックリです。

この2台、しばらくの間は我楽多屋店内に展示しておきます(ただし、預かりモノなので販売は出来ません)。

 

2009年9月19日 (土)

病気は自分で治す

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先日、母親から「これを読んでみたら?」と一冊の本を手渡されました。新潮文庫の「病気は自分で治す-疫病学101の処方箋-」(安保徹:著)という本でした。

中には難しい医学用語も出てくるので、簡単にまとめるのは難しいのですが、病気の原因の多くは、過労やストレスなど自分自身で作り出したものであり、その原因を解消することで病気は治せる~的な内容でした。

その中で、ごくごく単純に人間とカメラを結び付けてしまったのですが、病気にならない為の条件の一つに「体を冷やさないこと」が上げられていました。

カメラでもよくあることですよね。絞りやシャッター羽根が低温で動きが鈍く粘ってしまうことが。。。「暖かくなれば動き出すよ!」なんてのん気な会話をお客さんとしたりすることもあります(笑)。

また、カメラの極端な酷使は別の話として、ちゃんと使い続けているカメラの方が動作が快調だったりします。そして、どんなに外観がキレイでも長年放置されていたカメラは、動作に問題があったりします。カメラも程よく使うことで、故障を防げたりするのです。

言い換えれば、「我々がカメラを使い続けることで、カメラ自身が動作を快調な状態に保ってくれる(自然治癒力になる)のだ」と言っても過言ではないと思います。

カメラを売りに来られたお客さんと以下のような会話になることがあります。

  • 店「お客さん、残念ながらこのカメラ、シャッターが動かなくなっていますよ」
  • お客さん「そんなことない。最後に使ったとき、ちゃんと動いていた!」
  • 店「(カメラにホコリがかぶっていたりするので・・・)最後に使ったのはいつ頃ですか?」
  • お客さん「う~ん、3~4年前かな・・・」
  • 店「それだけ放置すれば、壊れてしまうことも多いですよ。それに、機械もの、壊れる直前までは動いているんですから」

写真を撮るより、カメラを集めるのに偏りがちな方、カメラをしまい込まないで、時々フィルムを入れて使ってあげてくださいね。

2009年9月18日 (金)

カメラ雑誌10月号発売

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今月はシルバーウィークと名付けられた大型連休の関係で毎月20日発売のカメラ雑誌各誌が18日発売となっています。

恒例の二代目の勝手な各誌講評ですが、、、

まずは、アサヒカメラから。「カメラの世界遺産 ローライフレックス2.8F」という特集が組まれています。カメラのデータ・性能の他、アクセサリーも紹介されていて、ちょっと見入ってしまいました。名機と呼ばれるカメラを改めてこうやって取り上げてくれるのは中古カメラ屋として嬉しいことです。二眼レフという形式はデジカメには存在しないわけで、、、その魅力をアピールすることは大事なことかと。

脱線しますが、今月末にエイ出版から「二眼レフカメラ ワークショップ」(田中長徳:著)も発売されます。長徳先生から見本誌を頂戴したので、1階我楽多屋に置いてあります。興味のある方はお声掛け下さい。ちょっとだけなら見せて差し上げます(笑)。

次に、日本カメラ。こちらでは、「銀塩派のラグジュアリーな悦楽 あの頃の高級コンパクトカメラ」という特集があります。「あの頃」を1990年代としているので、ミノルタTC-1、リコーGR1、コンタックスT2などが取り上げられています。この特集もアサヒカメラのローライ同様、フィルムコンパクトの魅力をアピールしてくれている点で嬉しい限り。

最後に、月刊カメラマン。巻頭のグラビアでアイルトン・セナの写真集を出した渡辺正和さんの作品が7ページに渡って載っています。私自身、過去20数年間、レースの最高峰と言われるF-1を見続けてきているので感慨深いものがありました。正直な話、セナは好きなドライバーではなかったのですが、トップレーサーの突然の事故死は、ある種の神秘的なものさえ感じたものです。改めて偉大なレーサーだったことを感じました。ちなみに、私好みのドライバーは長年カーナンバー「レッドファイブ」をドライブしていたイギリス人です。

2009年9月17日 (木)

ペンタックスK-x

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いまだに入手できない、ペンタックスのデジイチ用レンズDA40mm/F2.8Limited。こればっかりは、ブログで何度取り上げても「呼べません」。

35mm換算でちょい望遠よりの焦点距離61mmという点と、最短撮影距離40cmとイマイチ近寄れなくて敬遠する人もいるらしく、、、そんな人にはDA21mm/F3.2Limitedがいい・・・なんて情報もあり~予算もないのに迷ってました。

ちなみに、小型がウリの両レンズ。その差はDA40mmが長さで10ミリ、重さで50グラム小型軽量。

何気なくペンタックスのサイトを覗いてビックリしました。本日、9月17日発表(発売は10月中旬)で「K-x」というデジイチが登場!スペック、性能云々より、そのカラーリングにビックリ!!20色のボディーカラーと、5色のグリップカラーを自由に選べて、トータル100種の中から自分好みのカラーリングを選べてしまうんですって!!これは凄い!賑やか!やり過ぎ!?

この「K-x」、明日発売のカメラ雑誌には載ってなかったような。。。

スピゴット マウント

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ペンデジなどマイクロフォーサーズマウント採用のデジカメが登場したことで、オールドレンズを含めたレンズ遊びに拍車がかかっています。シネ用のCマウントレンズや、キヤノンFDマウントレンズなども、マウントアダプタを介して使えるようになり、使えるレンズの対象がかなり広がりました。

ところで「スピゴット マウント」って知ってますか?多分、多くの人が「どんなマウント?」「どこのカメラのマウント?」などと言われるのではないでしょうか?

「ニコンFマウント」や「ライカMマウント」などのように、カメラやレンズのマウント形状の分類ではなく、「スクリューマウント」や「バヨネットマウント」と同じように、取り付ける方式の分類と考えてください。

それでも、分からない人が多いはず、、、実は私もつい先日、マウントやフランジバックの勉強をしていたアルバイトに「スピゴットマウント」って何ですか?と質問されたのがキッカケで知ったのです。

日本カメラ社の写真用語事典によれば、「レンズ交換式のカメラで、バヨネットによりレンズとカメラを取り付けたのち、レンズ後端のレンズマウント周辺に付いているリングか、ボディー側のリングを回して、レンズをボディーに締めつける方法で、バヨネットリング式ともいう。レンズ自体を回さない点が普通のバヨネットマウントと異なる」とあります。

具体的には、キヤノンFDマウントやペトリマウントなどがそれ。画像左側のFDマウントはレンズの後端にリングが付いている方式、右側のペトリマウントはボディー側にリングが付いている方式。どちらのマウントも、時々、着脱の方法が分からない。。。という人がいますね。

「スピゴット」、ちょっと覚えにくい言葉ではありますが、覚えておくと少しくらいは偉そうに語れるかもしれませんね(笑)。ついでに、「スピゴット」とは英語で「(水道などの)栓」のことだそうです。消火栓などのようにホースをつないでリングを回す動作と似ているから付いた名称だそうです。

2009年9月16日 (水)

レリーズを首に巻く

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私はアクセサリー類(ここではカメラアクセサリーではなくて)を身に付けることが得意ではありません。「得意」という表現に違和感があるかもしれませんが、人がアクセサリーを身に付けることを否定するわけではないけど、自分はほとんど、しない・できない・・・ということです。

身に付けると、どうしてもその部分が気になって仕方ないのです。

実は、カメラを提げて歩くことにも似た感覚があります。これといった撮影の目的がないと、なかなかスッとスマートに持ち出せなかったり持ち歩けなかったりします。

しかし、うちの店に来店されたことのある方は気付かれているかもしれませんが、首にネックレス状のモノを巻いています。夏場は服装の首元が緩みがちなので気付かれている方が多いかもしれません。

これ、ファッションではなくて、、、ゲルマニウムが混入された健康ネックレスです。。。

昔から頭痛や肩こりに悩まされていた私は、何年か前にこのゲルマニウムネックレスを半信半疑で試してみたところ、どうも効いているような気がして、それ以来、手放せなく~いや、首放せなくなってしまったのです(笑)。

先日ある人に「そのネックレスを見るたびに、何でレリーズを巻いてるの?と思ってしまう」と告白されました!?たしかに、このゲルマニウムネックレス、黒いケーブルのレリーズに似ているかもしれません。

でも、このゲルマニウムネックレスからレリーズを連想すること自体が、一般人には有り得ない、、、四谷系カメラ的な発想ですよね!

2009年9月15日 (火)

35mm版4×4二眼

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4×4の二眼レフカメラをご存知ですか?ヤシカや、プリモ、ローライからも造られていました。使うフィルムがフィルム幅46mmの127フィルムなので、ブローニーフィルム(フィルム幅61mm)を使う二眼レフより、ふたまわりくらい小さいサイズのカメラです。

このカメラに35mmフィルムを入れられれば、フィルム的にもサイズ的にもお手軽に使える二眼レフになるわけで、それをご自身で加工してしまったお客さんがいらっしゃいます。

フィルム室を開けると、35mm用のマスクがありますが、なんと、これはジャンクのコンパクトカメラ切り出したものだそうです。それを上手く当てがっているだけなので、4×4のボディー側には特に加工はしていないとのこと。

ファインダーを開けてみると、フォーカシングスクリーン上に実際の35mmフィルムを切って加工したマスクが貼られていました。実に、簡単で分かりやすいアイデアです。

そういえば、昨年話題になった「ブラックバード・フライ」の大きさはまさに、4×4二眼レフとほぼ同サイズ。で、使用フィルムは35mmでした。サイズもフィルムもお手頃お気軽という観点では良く似た発想ですが、やはりブラックバード・フライは所詮トイカメラの域。持つ満足感、操作する満足感では物足りなかったのを思い出しました。

2009年9月14日 (月)

ニコンF-601

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私がアローカメラに入って間もなく、買取名人から渡されたカメラが「ニコンF-601」でした。少しカメラの勉強をしなさい!写真を撮りなさい!ということだったのかと思います。

カメラ屋という環境で育つと、いつも身近にカメラがあるので「自分の」カメラというものがそれまで無かったような気がします。特に「あのカメラが欲しい!」というのも無かったのです。

そういう意味で、ニコンF-601は私の最初の「自分の」カメラといえます。当時、同じく最初に自己所有したクルマを撮ったり、望遠ズームを付けて羽田空港に飛行機の写真を撮りに行ったりしました。その後、内蔵ストロボが「ボッ!」と大きな音と、こげ臭い匂いを発して壊れてしまい、修理はしたものの程なく、次機の「ニコンF90」に代変わりさせました。

先日、常連Hさんが「F5でなくて、F-501という選択」と言って、F-501を入手されました。F5の中古価格もかなり手頃になってきていますが、Hさんとしては、あえてF-501というB級選び的なこだわりもあったのでしょう。。。また、F-501ゆえのマウントも入手の大きな理由だそうです。ここでは長くなるので省略しますが、普遍のFマウントとはいえ、いろいろなタイプがあるのも事実なのです。

私も、Hさんに真似て「F-601」を「F6.01」とでも命名して、あえてB級選びで再入手しようか~なんて考えてみました。

引伸ばし機 値下げ3

先月から始まった引伸ばし機セール!?いよいよ、値下げが第3段階に突入しました。

11日土曜日に1台は嫁ぎ先が見つかりました!はるばる大阪からやってきた写真部の女子大生、お買い上げありがとうございました。そろそろ、早い者勝ち状態になるかもしれませんよ。

画像及び程度は、以前のブログ記事で確認してください→こちらです。

  • フジ A450 開始価格40,000円36,000円32,500円 → 30,000円
  • フジ FD-690 開始価格30,000円26,800円24,000円(SOLD OUT)
  • LPL System7700 PRO 開始価格24,000円20,000円18,000円 → 16,000円
  • フジ N690MF 開始価格9,800円8,500円7,800円 → 7,000円

お買い上げいただく条件は、今までと同じ。中古品ですので、ご来店の上、現物を見てお買い上げいただける方。お持ち帰りも極力、クルマなどをご用意いただいて自力でお願いいたします。赤帽などの手配や、極めて近所の方の場合は配送もご相談に応じます。