我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2009年7月

2009年7月31日 (金)

ヤシカ-635

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現物を見るのは私にとって今回が初めてかもしれません。

ヤシカフレックス、ヤシカルーキー、ヤシカマット・・・ヤシカには案外と二眼レフに沢山の機種が存在しますが、この機種はかなり珍しい部類に入ると思います。1958年登場のモデルです。

「635」の名の由来は、「6×6判」の「6」と、「35mm判」の「35」だと思います。そうなんです!このカメラはブローニー判フィルムだけでなくて、35mmフィルムも使用可能なんです。

二眼レフの王様!?ローライにも「ローライキン」というアクセサリーがあって、それを使用することで35mmフィルムが使用可能になりますが、この「635」はボディー自体が35mmフィルムを使うことも前提にした仕様になっています。

では、どこか違うのか?というと。35mmフィルムを使用するときに、フィルム室に35mm用の部品(下の画像を参照)を装着しなければいけないのは、「635」も「ローライキン」も同じです。でも、「635」の場合、フィルムを装填してしまえば、それだけで後は何も手を加えなくて良いのです。

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「ローライキン」の場合、35mm用カウンター目盛などの部品をカメラにセットしないといけませんが、「635」には35mm用の巻き上げノブが既に装着されているのです。

カメラに向かって、左側にはブローニー判(6×6)用の巻き上げノブが付いています。オートマットなので小窓の中のカウンターに撮影枚数が表示されるようになっています。そして、カメラに向かって右側には35mm用の巻き上げノブが付いていて、そのノブ自体に0~40までの目盛が付いているのです。

35mmフィルムが使える二眼レフといえば、昨年発売された「ブラックバードフライ」なんてトイカメラもありました。縦位置撮影がノーマルになるという感覚が新鮮でありますが、この「635」の装着レンズはヤシコール80ミリということで、かなり望遠になってしまうわけで、スクリーンには赤線で35mm用のフレームが引かれているのだけど、スクリーン全体の1/3くらいしか有効画面にならないわけで、実際にはちょっと使いづらさが・・・。

 

「3」と「F」

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上の画像は、先日買取り依頼のあった品物です。すべて同じ人からの買取り品です。一眼レフとレンジファインダーカメラという組み合わせが珍しい訳ではありません。

買取り成立後に、当方で作成している「買取カード 兼 仕入伝票」に品名、製造番号等を記入している時に気付いたことなのだけど。。。

一眼レフは「ニコン F3」というモデル、レンジファインダーは「ニッカ 3F」というモデル。たまたま偶然なんでしょうが、品名が「3」と「F」の順序が入れ代わっただけ。しかし、2台のカメラに共通点はありません。

このことは、きっとカメラを手放しに来られたお客さんも気付いていないことでしょう。。。でも、たまたま気付いてしまった私には何か不思議な後味が残りました。で、大したことじゃないのだけど、些細なご報告までということで、アップしておきます。

無理矢理に共通点を見い出しておくと、当時のニッカにはニコンのニッコールレンズが標準レンズとして組み合わされて販売されていました。画像に写っているレンズが、まさにそのニッコール50mm/F2です。

ちなみに、私は高校3年生の時のクラスが「3年F組」でした。。。

*ニッカカメラ / ニッカカメラの前身である光学精機社は、戦争により輸入が困難になったライカのコピー機を軍の命令により製作していた。戦後は社名を「ニッポンカメラ」→「ニッカカメラ」と変えながら、コピーライカの製造を続けた。1958年には「ヤシカ」の子会社になり、1966年吸収合併される。今回登場の3Fは1956年の発売。

2009年7月30日 (木)

大判熱も併発!?

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常連Bさんが、ついに大判カメラに手を出してしまいました~!

中判熱にとりつかれてしばらくしてから、「大判にも関心がある、、、」なんて話も聞かされていました。先日のがらくた市で、4×5のシートホルダーをお買い上げいただき、その時にうかがった話では「最近、手頃なスピグラを入手したんです」とのことでした。

で、早速、大判での撮影結果をメールで知らせていただいたので報告しておきます。

 

先日のがらくた市はおつかれさまでした。楽しいひと時をありがとうございました。

あの時購入した4×5フィルムホルダーにフィルムをダークバックで1枚づつセットして、翌日、スピグラとフィルムホルダー5枚(フィルム10枚)をバッグにつめて、銀座周辺に試写に行ってきました。

本日(7/28)その時のリバーサルが現像できてきました。初めての大判カメラであり、シートフィルムの扱いも緊張しましたが、結果はGOOD!

大判の大きなサイズのクリアな描写に圧倒されます。フィルムホルダーも問題なく使用できました。

当分、スピグラとサブのペンタックス6×7の組み合わせで都内を撮影して歩こうと思います。

問題は、この重量級カメラ達を持って1日中歩きまわるためには、相当な体力とスタミナが必要ですが、写真の出来栄えを想像しながらの撮影は重量を忘れさせてくれます。週末は大判&中判ざんまいの日々が当分続きそうです。

大判&中判のBより

 

この報告の翌朝(昨日の朝)、買取名人が「こんな写真が出てきた!」と持って来たのが下の画像。昭和31年5月2日、銀座4丁目交差点の夜景です。上のBさんの画像にちょこっと写っているのは同じ4丁目交差点の和光の角。この夜景は、三愛の角です。雪印のネオンの下に「San-ai」のネオンが見えます。

三愛といえば、今はリコーのギャラリー「RING CUBE」があるところ。銀座の夜景も53年の年月で大きく変わっています。

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写真の出来栄えを想像しながら撮影することで、重量級カメラの重さを忘れられる・・・という点と、プリントして形に残すことで、思わぬところから写真が発見される・・・という点は、2点とも銀塩写真の醍醐味ですね。

 

2009年7月29日 (水)

一日太郎

Ichinichi

一日太郎をご存知ですか?

ヒントは、東京の地下にクモの巣を張るように走りまわっている東京メトロに関係している存在です。なので、地下鉄を利用しない人には、知るキッカケ自体がかなり乏しいかもしれません。

東京メトロに一日乗車券があることはご存知ですか?一日乗車券は知っていても、一日太郎を知っている人は少ないようです。

ごめんなさい、前置きが長くなりましたが、東京メトロ一日乗車券の宣伝に使われているキャラクターが「一日太郎」なのです。しかしながら、すべての宣伝に使われているわけでもなく、ウェブを見てもチョロッとしか姿を現さず、それゆえに知名度が低いものと思われます。

でも、私にはどうも気になって仕方ないのです。まず、その露出度の低さ。契約上!?の問題でもあるのでしょうか・・・?それから、見た目の雰囲気。最近流行りのゆるキャラ風といえば、そんな感じなのかもしれませんが、アンパンマン好きの私としては、似た雰囲気を感じる丸い感じのキャラクターだからかもしれません。

ところで、東京メトロの一日乗車券は、都内のカメラ屋さん回りをするのに好都合かと思います。東京メトロが走っている、新宿・銀座・有楽町・中野・上野・浅草・秋葉原・赤坂・神保町・錦糸町・高田馬場・江戸川橋そして四谷三丁目、どこの駅にも中古カメラ屋さんがあります。

一日乗車券は大人710円で東京メトロ乗り放題。また、都内70箇所以上の人気スポットで様々な特典も受けられるらしいです。http://www.tokyometro.jp/joshaken/

あ、それから。。。このキャラクターも気になる存在です。詳細は不明なのですが、茨城県産のコシヒカリの袋に時々見かけるキャラクター。アンパンマン、一日太郎との共通点に気付きました!どれも「丸い顔に耳が無い・・・」。

Koshihikari

2009年7月28日 (火)

デジカメケースなのに・・・

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身内の者から「こんなものあった!」ともらいました。

クラシック風なフィルムカメラのカッコウをしたデジカメケース。なんとも不思議なデザイン、思いつき。。。後ろ側のデザイン処理はM型ライカを真似ているような気もします。

フィルムカメラを入れたっていいんじゃない?と考える人も多いでしょうが、サイズがかなり小さいのでコンパクトデジカメを入れるのがやっとの大きさ。試しに、ペトリカラー35とペトリハーフを入れることを試みましたが無理でした。。。

フィルムカメラのケースという感覚で捉えると、後ろ側からガバッとフタを開けるイメージですが、このケースは前側(デザイン上のレンズ部分)からガバッと開けます。ま、本来がデジカメケースなのだから、何もフィルムカメラのケースの概念にこだわる必要もないのですね。。。

でも、このーケースの商品化の背景は、デジカメを使っていてもクラシックカメラへの憧れは捨てきれない!?って発想なのでしょうかぁ?

色は画像のブラック一色のほかに、シルバーとブラックのツートンと、シルバーとブラウンのツートンがあるようです。価格は1000円台半ばくらい。

http://www.setocraft.co.jp/variety/

http://store.shopping.yahoo.co.jp/antiqueshow/motif.html

2009年7月27日 (月)

パラジャスター

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これは立派なカメラアクセサリーです!その名は「ミノルタ パラジャスター」。

以前、二眼レフのパララックス補正については、スリックの三脚のこれは何だろう?を発端にネタにしたことがありましたが、この「パラジャスター」も使用目的は同じものです。まるで電車のパンタグラフのように上がり下がりして、パララックスを補正してくれます。

この上に大きなボディの二眼レフを載せて上げ下げするわけだから、立派な造りにしておかないと不安です。

マミヤの二眼レフ用の「パラメンダー」は時々見かけますが、このミノルタ製はかなり珍品の部類に入るかと思います。こうなると、それだけでは写真も撮れないカメラアクセサリーなのにカメラ自体より値が高くなったり~なんて現象が起きてきます(笑)。

 

2009年7月26日 (日)

がらくた市報告

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昨日のがらくた市、心配した雨はどこへやら・・・逆に暑さとの勝負になってしまいましたが、無事に終了することが出来ました。ご来店いただきました皆様、ありがとうございました。

1階我楽多屋店内にも、我楽多屋的ちょっといいモノ系をちょこちょこと揃えられましたし、第二会場のカメラ写真関係中古書籍の特販は「安い!安い!」と喜んで何冊もまとめ買いされた方もいらっしゃいました。

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午後1時から行なわれた「GR DIGITAL カスタムブック講演会」は、澤村・和田両氏の前のテーブルにカスタマイズされたデジカメや、味のあるフィルムカメラを並べながら語られる・・・という体裁でカメラ遊びの新しい提案~という雰囲気で大好評でした。

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午後2時半からの「田中長徳先生のトークショー」は、今回もオリンパスのペンデジが話の中心になりましたが、毎度のように、いろんな脇道にそれながらの楽しいトークで盛り上がりました。今回の秘蔵品放出セールは初のデジカメ!「リコーGRデジタル」の限定バージョンでした(一番上の画像参照:画像提供はHさん)。購入希望者は5人、いつものジャンケン大会で勝者を決定。

「GR DIGITALカスタムブック講演会」、「田中長徳先生トークショー」とも、会場はビルの3階を大家さんから特別に借りて会場にしたのですが、どちらも立見が出るほどの大盛況でした。しかし、会場の間取りとエアコンの位置が原因で、後方で立見の方にはかなり過酷な環境になってしまい申し訳ありませんでした。私も熱中症になるのでは・・・!?と思ったくらいでした。

2009年7月25日 (土)

アーガスC3

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先日、アローカメラで買取り、我楽多屋に並んだ「アーガス(argus)C3」を見て、うちのアルバイトが一目惚れしてしまったのです。

日頃から、アルバイト代やお小遣いを切りつめて、フィルム代や現像代に使わなければならない大学生なりの悩みどころ・・・。お財布の中身と相談しながら、一度は断念。「次のシフトの時にまだ売れないで残っていたら、また考えます~」と言って帰っていきました。

数日後、再びアルバイトの日。アーガスC3はまだ残っていました。その日の閉店後、最後の最後まで考えて、彼女はアーガスを連れて帰ることを決断したのでした。

一通り、カメラの機能とか操作方法とかの確認はしていたようですが、それ以上に、このデザインに惚れ込んでしまったようです。手に取っては、眺めては、かわいい~素敵~と言っていました。こんなカメラの買い方は相当なカメラ好き!?いや、カメラをファッションの一部として捉えているのかもしれません。

たしかに、昨今のデジカメなどとは大違いの独特なデザイン。画像のように、居酒屋さんのテーブルの上でスポットライトを浴びている姿も、とても魅力的であります。

次の悩みは、この大きなカメラを首から提げるのに、どうするか?のようです。残念ながら、ケースは付いておらず、カメラ自体にはストラップを通す吊り金具がないのです。

 

・アーガスC3/1939年からマイナーチェンジしながら18年間に渡って製造されたアメリカ製のカメラ。その大きめな直方体のデザインから、アメリカ本国では「レンガ」、日本では「お弁当箱」という愛称がある。距離計連動の機械式レンズシャッターカメラ。シャッタースピードは、B・T・1/10~1/300秒。レンズは50mm/F3.5。131mm×86mm×68㎜、765g。

2009年7月24日 (金)

明日のがらくた市

明日25日土曜日はがらくた市です。

今、「177」で天気予報を聞いたら、降水確率は20%とのこと。なんとか雨は降らないで欲しいものです。

明日の企画は先日お知らせした通りです!よろしくお楽しみに!

変わり種2機種

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変わり種の国産一眼レフが2機種、同時に入荷しました。

一台は「リコーフレックス TLS401」というカメラ(左手の黒いボディ)。そのファインダーに特徴があります。重くてコストのかかるペンタプリズムを、中空プラスティックミラーに載せ替えているのです。

今でこそ、小型や軽量な一眼レフにはプラスティックペンタミラーが一般的になっていますが、最初に導入したのはリコーで、その2機種目のモデルがこの「TLS401」なのです。

それだけでは変わり種の理由にはなりません。。。このカメラ、ファインダーが中空であることを利用して上からも後ろからも覗けるような、2ウェイファインダーを採用しているのです。アクセサリーシューの前にある四角い所からも覗けます。二眼レフなどのウエストレベルファインダーと違って、左右逆像ではないので違和感無く使えます。

しかし、この機構、特に必要性が無かったのか、この機種限りの機構です・・・。

  • リコーフレックス TLS401/1970年発売、M42マウント、リケノン55mm/F1.4付の定価57,500円。

 

もう一台は「コニカ オートレックス」というカメラ(右手のシルバーボディ)。世界で初めての自動露光(AE)方式のフォーカルプレーンシャッター式一眼レフらしいですが、こちらも変わり種の理由はそれ以外にあります。

このカメラ、フルサイズとハーフサイズの切り替えが出来るカメラなのです。

ハーフサイズの一眼レフというと、オリンパスのペンFが有名ですが、あちらはハーフサイズオンリー。「オートレックス」はフルとハーフの切り替えが出来るうえ、なんと!フィルムの使用途中でもボディーの切り替えレバーで操作が可能なのです。

途中切り替えにはお約束があり、ハーフ→フルの場合とフル→ハーフの場合で、巻き上げレバー操作と切り替えレバー操作の順序が逆になります。しかし、どちらの場合も切り替え直後には1/4コマ分のブランクが出来てしまうのは大目に見てやってください・・・。

  • コニカ オートレックス/1965年発売、定価32,100円

 

で、この2台、不思議な共通点があるのです。それも変わり種の理由になるくらいの。

見て分かりますか?シャッタースピードの切り替えダイアルが、ボディ前面にあるのです。それぞれが変わり種なのに、不思議な共通項を持っている点に不思議な感じがしませんか!?