我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2009年5月

2009年5月13日 (水)

僕は、グルメだ。

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1984年版I.C.S.輸入カメラ協会発行のクラシックカメラガイドの表4(裏表紙)です。

「僕は、グルメだ。」というキャッチコピーとともに、ハッセルブラッド500C/M プラナー80mm/F2.8付きが皿の上にのり、ナイフとフォークが並べられています。

わざわざ説明するまでもなく、それだけ味わい深いカメラだということを言わんとしているのですが。。。わたし的にはこんな金属質な硬いもの「いただけません」。。。(笑)。いやいやそうじゃなくて、今の時代にはこのキャッチコピーは合わないだろうということです。

特に広告の勉強をした人間ではないので、偉そうなことは言えませんが、雑誌やテレビの広告を見ていて、時々「ん?」と思うものがあります。

最近では本田技研のオデッセイのテレビCM。ハリウッド俳優のジョージクルーニーがオデッセイから降りて来て、ガソリンスタンドで給油するパターンと、駐車してチケットを車のダッシュボードに置くパターンがあるのですが、どちらも、クルマはほとんど映っていなくて、カメラはジョージクルーニーを追っているだけという感じなのです。

ナレーションでクルマの性能などをアピールすることも一切なく。画面に「いいクルマが好きだ。男ですから」とテロップが出るだけ。もちろん、最後に車名のテロップくらいは出ますけどね。

もうひとつ、トヨタ自動車のオーリスのテレビCM。車名が「オーリス」だからか、「リス」が走ってる姿が大部分映っていて、終わってしまうんです。このCMはさすがに短期間しか見られなかったので、もしかしたら、問題になったのかも。。。

と、宣伝にはイメージ戦略というのも重要なのですが、あまりにもイメージに寄り過ぎると「ん?」ということになりかねない。いや、それが狙いの場合も多分にあるのでしょうけど。

2009年5月12日 (火)

M-1

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「M-1」と言っても、漫才の選手権大会ではなく、カメラの話。

オリンパスマニアはもちろん、ちょっとカメラに詳しい人ならご存知でしょうが、かつて、「M-1」というカメラの名前をめぐって、ちょっとした問題が生じたことがありました。

先日、買取り依頼の品物の中に、問題の「M-1」と、それに続き型番のような「M2」、そして、改名後の「OM-1」が揃い踏みしたので、ちょっと触れておこうと思います。

1972年7月、オリンパスから世界最小・最軽量の35mm一眼レフカメラとして「M-1」が発売。ボディーの大きさ・重さとともに、シャッターの音の大きさや振動にもこだわった造りで、ユーザーはもちろん、他メーカーにも注目されるようになります。

ところが、発売の数ヵ月後にドイツで行なわれたフォトキナで、ライカ社からクレームが付くのです。何故なら、ライカには既に、「M1」(1959年)というカメラが存在していたから。登録商標上、法的な問題はなかったようですが、オリンパスは製品名を「OM-1」に改めて、翌年からOMシステムとして発売。

そのOMシステムは「宇宙からバクテリアまで」というテーマのもとに、膨大なレンズ、アクセサリー類が登場していくことになり、壮大なOMシリーズを形成していきます。

「M-1」(=OM-1)が他メーカーに与えた影響としてもう1点興味深いことがありました。発売当時世界最小をうたったことに対して、ペンタックスは幅・高さ・奥行ともに、「M-1」より5ミリずつ小さい「MX」というモデルを1976年に登場させていることです。

2009年5月11日 (月)

カメラいじりまでの3段階

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毎週土曜日の朝に決まってご来店いただくお客さんの話です。

GW前のある日、仕事帰りに立ち寄った京橋の写真屋さん(中古カメラが少しだけ陳列してあるそうです)でジャンクのニコンSを発見。しかし、シャッター幕が固着していて、どうにも動かないジャンク品。でも、レンズ(50mm/F1.4)も付いていて、外装はキレイなので衝動買いしてしまったそうです。

その直後に立ち寄った八重洲の本屋さんでニコンの修理本「クラシックニコン完全分解修理手帖」を発見してしまい、これは、シャッター幕の交換をしてみろ、ってことか!?と思って、その本を購入したそうです。

こうなったら、自然と足は秋葉原へ向かい、Yバシカメラでシャッター幕を購入(約3,000円)していたそうです。

と、ここまではGW前にお話を聞かせていただいてました。

で、GWが明けて聞かせていただくと、見事、シャッター幕交換を終えたそうです。今までにいくらか、カメラいじりの経験はあったそうですが、シャッター幕の交換は初めてで、修理本を見ながら試行錯誤だったとのこと。

それでは、上の画像の説明をします。

カメラは復活したニコンS。幕の交換だけでなく、内部のクリーニング等も行なったそうでファインダーやレンズ内部もクリアになっていました。

その手前にある値札が面白いですね。故障品20,000円で購入されたことが分かります。修理70,000円とも書かれているので、購入とともに修理を依頼すればプラス70,000円で完動品になるのでしょう。ということは、お客さん自身で70,000円相当の作業をしてしまったわけですね。

カメラの上に見える黒い布が固着していたシャッター幕。かなりベコベコでゴワゴワです。

右手の本が「クラシックニコン完全分解修理手帖」というニコンS、SP、F、F2用の修理マニュアルです。カラー写真で詳細に解説され、実に頼りになりそうな本です。発行はスタジオ タック クリエイティブという会社。4,800円という値段はずいぶんとお手頃価格のように思いました。

左上のプリント2枚は修理後の一度目の試写だそうです。画像ではちょっと分かりずらいのですが、右側のプリントの右半分が露光されていません。このテストで最高速1/500秒だけ幕の動きに支障があるのが判明し、早速、追加で手直しをしたとのこと。

今回のこのお話、修理内容自体は皆さん経験済みの方も多いかもしれません。わたし的に非常に興味をそそられたのが、ジャンク品を見つけた直後に、トントントンと修理本、シャッター幕購入と3段階に話が急進したあたりが、タイミングというか、巡り合わせというか、買い物や趣味の醍醐味なのかな!という点です。

2009年5月10日 (日)

18/120で約15%

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早速、先日のブログに反応して、銀塩親子のお父さんからメールをいただきました。

GW(多忙なお父さんには貴重な2日間だけのお休みだったらしいですが)に何処へ行きたいかお子さんに聞いたら、「富士山撮りたい!」と返事が来たそうです。

「~行きたい」とか「~したい」じゃなくて、「~撮りたい」ですから、最初から「撮影」が目当てのお子さん達、見上げたものです!

いただいたメールには、警察庁の記事が残念。。。というコメントもありましたが、今回の富士山撮影で、中判も含めてフィルム派も多数見かけた!との喜びの内容でした。

また、ご家族4人で35mmを15本、ブローニーを3本を撮影したそうで、私が例えた「フィルム使用目標の年間一人30本」を、このGWだけで、約15%達成した!との報告もありました。

え~どういう計算かというと、年間30本×4人=120本、今回の使用フィルムが18本、18/120=約15%!というわけです。

上の画像は、フィルム18本のイメージですが、富士山の姿と末広がりをイメージして並べてみました(笑)。

2009年5月 9日 (土)

レンズ遊び

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しかし、我楽多屋のお客さんにはいろいろな方がいらっしゃいます。

今回ご紹介するのは、どちらかというと撮るのがメインと思っていたお客さんが、改造レンズに手を出していた!という報告です。

ロシア製のLマウントレンズの中味を抜き出して、コンパクトカメラのレンズを埋め込んでみたり、またその前にAFレンズの前玉をあててみたり・・・。

まぁ、その姿と作例は、お客さんのブログでご確認ください。

http://retoro50.blog114.fc2.com/blog-entry-45.html

と、その作例→http://retoro50.blog114.fc2.com/blog-entry-44.html

http://retoro50.blog114.fc2.com/blog-entry-64.html#p_top

と、その作例→http://retoro50.blog114.fc2.com/blog-entry-63.html

こんなに見事な描写を楽しめるんです。

デジタル一眼ゆえのレンズ遊びですよね。ライブビュー付きのデジイチなら、レンズの位置決めなんかも簡単に出来てしまうわけです。

以前にも一度ご紹介させていただいた、こちらのお客さんのレンズ遊びも、何かの参考になればどうぞ。うちの店をはじめ、いろいろなお店で材料を探していらっしゃいます。→http://kanrekiojisan.blog.so-net.ne.jp/

カメラ好きの皆さんの部屋には、使わなくなったカメラやレンズ、使えなくなったカメラやレンズが転がっていませんか?思いきって、工作気分で遊んでみるのもありみたいです(笑)。

2009年5月 8日 (金)

データ加工出来ないデジカメ

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もしかすると、、、ショッキングなニュースが報じられました。

昨日、常連さんにメールで教えていただき、早速確認してみました。5月6日付の朝日新聞です。

簡単にまとめると、警察庁が事件捜査の証拠用写真に使うカメラをフィルムカメラからデジタルカメラに今年度中に切り替えるという。それは、データの改ざんが出来ない新型の記録媒体とデジタルカメラが開発されたためで、検察庁と協議の結果、その新型デジタルカメラなら証拠能力が公判でも維持できると判断されたからだという。

世の中の流れからすれば、デジタル化されて当然という認識もありますが、「写真」という字の如く「真実を写すもの」として、証拠写真を撮る鑑識の現場では、基本的にフィルムカメラだけが使われてきました。

また、数ヶ月前にある関係筋から「全国の警察関係で年間数百万本のフィルムが使われている」と聞き、これだけの大量消費は、我々のフィルム環境にも恩恵を与えてくれている~と安心したりしていました。

それなのに、今回のニュースです。。。。。。。。

ニュースを知らせていただいた常連さんもメールの中で、フィルムやフィルムカメラの今後を憂えていましたが、落ち込んでいたって仕方ありません。我々、フィルムの良さを知っている人間がフィルムを地道に使うしかないんですよ。

例えば、全国の警察で年間300万本のフィルムが使われていたとします。それなら、我々、銀塩同志が10万人いるとすれば、一人が年間30本フィルムを使えばいいだけのことなんです!!!!

我楽多屋で買ったモノ・マガジン更新

本日、我楽多屋で買ったモノ・マガジンを更新しました。今回で第115回目です。タイトルは「ライカD3の箱のネガケース」です。本編はこちらからどうぞ

また、本編中で私がとった行動がとても残念がられていますが、その言い訳は近いうちに・・・。

2009年5月 7日 (木)

学割を設けましょうか。。。

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またまた中学生ねたです。

GW最終日の昨日(GWは10日まで?)、最近流行!?の若いお客さんがご来店。話を聞くと、静岡は沼津から来てくれたそうです。

さすがに、電車賃がかさむので東京で遊ぶ!買物!というわけにはいかないそうですが、、、うちの店には来てみたかった!らしいです。感謝感激!カメラを片手にフラフラ撮影でも・・・という予定らしいです。

手持ちのカメラを見せてもらうと、レンジファインダーのキヤノンでした。型は「L3」、レンズは50mm/F1.8が付いてました。物置から出てきたお爺様のカメラだそうです。きっとカメラ好きのお爺様なのでしょう、保存が良くて、ファインダーもクリアで、何よりクモリレンズで有名な50の1.8が見事にクリアでビックリしました。

新宿御苑あたりにも行ってみたいというので、うちの店から、新宿御苑や新宿駅に向かう途中に多数ある写真ギャラリー回りも、お手軽に楽しめるだろうから勧めておきました。先日紹介した池本さんの写真展も10日まで開催中ですしね。

そこへ、GW中2回目のご来店になる、バルナック中学生がお父様と一緒に登場。今日はこれから、プロ野球観戦(千葉ロッテマリーンズ戦)だそうです。続いて来店された常連さんが、銀塩派の若返り化に驚きを見せていました。「ちょっと駄菓子屋さんっぽい!」と。

沼津からの中学生の手にはスポーツ新聞が。工藤の記事が気になって買ったそうで、彼は横浜ベイスターズファンとのこと。私も負けないように頑張らねば、物心付いた頃から応援している黄色いチームの戦況を今シーズンはあまり把握していない・・・。

野球に関心があるって、やはり男の子だからでしょうか。カメラ写真趣味に偏らず、いろんなものに興味を持って視野を広げて欲しいとも思います。そんな若人のために、うちの店も「学割」の導入を検討しないといけないかな(笑)。

2009年5月 6日 (水)

ひねくれ!?カメラ

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フジカ35-MLというカメラがあります。発売は1958年。露出計を内蔵しない、完全マニュアルな機械式カメラです。レンズはフジノン45mm/F2付き。

このカメラ、他の多くのカメラと構造的というか、操作面で明らかに違う部分が3点あります。

まず、フィルムの巻き上げレバーがボディー底面にあります(画像内、赤丸部分)。ふつう、ほとんどのカメラはボディー上面にあるものですが。。。まぁ、これに関しては、同じく底面で巻き上げるトリガー式もあるので、凄い珍しいということもないかもしれませんが。。。

二つ目は、ピント合わせをボディー背面右上にあるダイアルで行ないます(画像内、青丸部分)。ふつう、ほとんどのカメラはレンズの鏡胴を回してピント合わせをしますが。。。

そして、三つ目はフィルムの巻き戻しクランクがボディー側面にあります(画像内、黄丸部分)。ふつう、ほとんどのカメラはボディー上面にあるのですが。。。

と、このようにまるで奇をてらうかのようなこだわった造りをしています。人によっては、それを「ひねくれ」というかもしれません(笑)。

この造りの利点は、巻き上げ、ピント合わせ、シャッターレリーズの3操作が右手だけで可能という点です。

でも、それは赤丸、青丸の部分であり、黄丸については、何故ゆえに?と疑問が残ります。

2009年5月 5日 (火)

Audi と Leica

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こんなものを見つけました!ドイツの自動車メーカーAudi(アウディ)のキャンペーンです。

期間中(既に先月で終了してます。。。)に指定の車種を成約した人の中から抽選で、ライカのデジカメをプレゼントしてくれるというもの。カメラは市販されている「D-LUX4」ですが、付属の革ケースにAudiのロゴマークが型押しされているのがオリジナル!

この10年くらいで、AudiはメルセデスベンツやBMWと肩を並べるドイツ製プレミアムブランドとして認知されるようになりました。しかし、かつては技術的にこだわったクルマ造りをしていたものの、特に日本国内では、輸入代理店Y社の販売手法による違ったイメージ造りがされてしまっていました・・・。Y社はメルセデスベンツオーナーの奥様やお嬢様向けに、Audiを売るようなイメージだったのです。

このキャンペーン、私なりの勝手な解釈ですが、、、販売促進という意味合いは当然でしょうが、Audiのプレミアム性を強調するためのひとつの方法のような気もします。ということは、ライカの方がプレミアムブランドとしての認知度が高いと判断されているのではないでしょうか!?

キャンペーンのコピーに以下のような記述があります。

ドイツ生まれの「Audi」と「Leica」。共にジャーマンエンジニアリングのこだわりが強く、ハイクオリティな製品を生み出し続けているからこそ、このコラボレーションが実現しました。

しかし。。。Audiオーナーの方はあまり知らない方が良いかもしれませんが、D-LUX4は基本的にパナソニック製なんですがね。。。