ストラップの取付け部がボディ側面の片方だけにしかないコンパクトカメラは数多くあります。このタイプのカメラはストラップを付けて首や肩から提げると、カメラは縦に吊るされた状態になりますよね。
その状態でブランド名や機種名が正しく読める向きで記す(上の画像で右側)のをシリーズとして基本にしたのが、キヤノンIXYでした。
まだフィルムカメラの時代です。APSフィルムのスタートと同時にカメラ自体のデザインとともに、縦吊りにすることさえ洒落た雰囲気で売り出したのが、初代IXYで1996年。2000年に発売されたデジタルカメラのIXYでも、キヤノンはその路線を長く継続しています。
デジタルのIXYは全機種が縦スタイルなんですが、APSフィルムのIXYには数機種だけ縦吊りなのに…ブランド名や機種名を記している向きが違うのがあるんですよね…。それがかなりスタイリッシュなデザインの機種だったりするから、ちょっと不思議。
そして、キヤノンはその路線が好評だったからなのか?!35ミリフィルムカメラのオートボーイシリーズでも2000年以降のモデルの多くにこの縦スタイルを導入していまいた。その中の2機種が画像の「Autoboy N130」「Autoboy N150」。
詳しい人からのご指摘があるかもしれないので付け加えておきますと、IXYのような縦スタイルは他メーカーにも存在しています。やはりAPSの時代に多いような気がします。でも、ずいぶんと昔にチノンなんかも作っていました。
レオタックスのロゴネーム入りの黒フード、渋いですよね。
でも、この個体には一つ問題点がありました。レンズへの取付けのネジ切り部に一ヵ所、それなりの歪みがあったのです。
持ち込まれた時に付いて来たメモに、一緒にあるフィルターには付くのでそれを介せばレンズに取付け可みたいな~内容が書かれていました。ムムム…自分で現物確認していないと、こういうのって自信を持って説明出来ないから売りずらい。
店にあった同サイズのフィルターにも多少のキツさは感じるもののネジ込めました。それなのに、レンズには直に付かないのか???そんな理由で、店に出しあぐねていました。
数日後、常連Kさんから電話があり「この前行った時にウインドウにレオタックスがあったのだけど、まだありますか?」と。
残念ながらもう売れてしまった旨を伝えると、「あるお店にレオタックスに付いていたトプコールが売られていて買おうか迷っているのだけど、そのボディが残っていたら合わせられるので欲しいな~と思ったんで電話したんです」と。
実は私の方もこの黒フードで悩んでいる時に、Kさんなら欲しがるかも…と思っていたので、ボディは売れちゃったけど、こんなフードがあるんですが~とお伝えすると、「えっ、まさに狙っているトプコールに合うフードですね。買いますので、取り置きしてもらえますか?」とのこと。
翌日すぐにご来店くださいました。狙っていたレンズを買った上でご持参してくださったので、見事にレンズとフードのお見合い成功!という画像です。
我楽多屋では通常、電話やメールなどでの在庫確認のお問合せ・品物の取り置きはご遠慮いただいております。これは各種数ある在庫の確認が正確に出来ないことがあること、在庫があっても現物を見て判断していただくことが大切であると、考えているからです。ただし、店で一度ご確認いただいた品物の場合は短期間のお取り置きは相談に乗らせていただいております。
また、今回の件は長年気持ち良くご来店いただいている方への例外的な対応になりますが、実店舗での対面販売を大切にしたいと考えている店ですので、こういう例外が稀にあることはご理解の程お願い申し上げます。
日本シイベルヘグナーというのは、かつてライカの輸入販売代理店をしていた会社です。その時期は1974年~2005年。その前はシユミット商会という会社が戦前から輸入販売をしていました。
さて、画像の小さな金属に刻まれている「sh」はシイベルとヘグナーの頭文字。これはシイベルヘグナーが販売したライカボディに添えられたものです。
最近はあまり見なくなりましたが、30年くらい前は買取ったライカのストラップにこれが付いているのをちょいちょい見ていた記憶があります。
いろいろと検索していたら、ネット上で以下のような文言の書かれた紙を見つけました。
「お客様各位 お買上げ誠にありがとうございます。このたび、日本シイベルヘグナー(株)の正規輸入品である証として「Sh」オフィシャル・エージェント・マークをご用意させていただきました。ストラップに右記のように取り付けていただければ幸いです。尚、紛失された場合には、代替品はご用意できません。又、このマークは保証書のかわりにはなりませんのでご了承ください。 日本シイベルヘグナー株式会社 写真営業部」
右記のように~の右記にあったイラストを真似たのが下の画像です。
*詳しい方からご指摘をいただきそうなので付け加えておきますと、上の画像の「sh」の金属マークはM型ライカに付属されていたストラップに対応するものと思われ、画像の中に写っている金具と黒い樹脂部はもう少し太いストラップに対応した(R型ライカ用)ものと思われますので、厳密に言うと少し違う組合せになっています。イメージとして捉えてください。
現物が手元に無いのに、何それ!?的なことが発覚してしまうシリーズ。
今週月曜日のブログでした。樽みたいな形をしたキヤノンEFレンズから、それと同時開発されたEOS700の特殊機構をそのカメラボディが手元にないのに、初めて知った!出来事がありました。
今日は専用フードから、それを使うレンズの出処が判明する~という出来事です。
「RICOH 24-40mm φ72」と記されたレンズフードを発見しました。はて?リコーにそんなスペックのレンズがあったかな?と思いました。
ネットで検索しても情報は非常に少ないのですが、「RIKENON P ZOOM 24-40mm/F2.8」というレンズが存在したのは事実でした。
24-40mmでF値2.8通し~というと、トキナーにありましたよね、同スペック。それが分かると、このフードのデザインもトキナーによく似たフードがちょいちょい存在しているよなぁと気付くわけです。
下の画像、右がリコーで左がトキナーと記されていますが、全く同デザインです。
すると、リケノン24-40mmはほぼ間違いなくトキナーのOEMでしょうね。かつて日本カメラ社が毎年発行していたカメラ年鑑で確認したところ。リケノン24-40mmもトキナーの24-40mmもレンズ構成・最短撮影距離は同一、サイズと重さもほぼ同じでした。リケノン24-40mmはカメラ年鑑の1987年版~1992年版までに載っていました。
そういえば~リケノンの50mm/F2の初期モデルが富岡光学製だそうで、「和製ズミクロン」と呼ばれたりしていますが、リケノンズームの24-40mm/F2.8がトキナー製と分かっても、特に騒ぐ人は誰もいないのしょうね…悲。
私の中でトイカメラというのは「ホルガ」や「ダイアナ」などが該当するもので、あえて特徴的な描写をするような作り方をしていたり、だからといって、そのためにお金が掛かるような作り方はしていないカメラ~みたいな解釈をしています。
一方、デジタルの時代になった今は皆無と言ってしまって構わないと思うのだけど、単に簡素に作った安いカメラ~そういうくくりのカメラもありました。何かの景品とかに使われるような...。
そんな部類のカメラの場合、カメラの底面に三脚穴が無いものが案外と存在します。三脚穴って普通(という言い方も変だけど)のカメラなら、まず付いていますよね。
で、今日のこの赤いカメラ「GOKO UF-10」は単に簡素に作った安いカメラの部類の方だと思うんですけど、三脚穴が何故か底面じゃなくて側面にあるんですよね。三脚に据えた時に基本が縦位置撮影になるってことです。その理由は??って興味深い。
GOKOといえば、このカメラの部類では意識を持って作られていたブランドだったような気がします。このカメラにもマクロ機能が付いてますし、よりマクロ撮影に特化した安カメラなども作っていましたから。で、Google検索したらこんなサイトを発見しました→https://www.gokocamera.com/historical/
かつての社長(現:会長)さんの素晴らしい理念があったのです。「日本のカメラは優秀だが高価でもあり、先進国の人々の為のものだ、これら対象地域の人々の総数は地球上僅か13%に過ぎない。ということは日本がカメラ大国と言っても地球上80数%の人々の為のカメラは誰も作っていない。それではそれらの人々のためのカメラを我々は作ろう」ということで、コンパクトカメラ業界にあえて進出したのだそうです。「通常の鑑賞に充分な美しい写真が撮れること」「安価なこと」「壊れないこと」これら三点を徹底して追求した新製品開発を続けていたそうです。
これは失礼しました…。
ということは、三脚穴を設けるのは必然。しかし、このカメラの場合は構造上、底面に三脚穴を設けるには何らか問題あって、側面なら無理をせずに付けられたから~ってところでしょうか!?違うな…(>_<)
このカメラはご遺品とのこと。オーナーが亡くなられてから、それなりの時間そのまま置かれていたであろうことが推測されました。ボディ表面にかなり埃や汚れが蓄積していたからです。
ただ、この手のフィルムAF一眼レフは全般的に市場性が乏しくなっているうえに、このミノルタα3xi
は普及機なので市場性は余計に厳しいのが実態です。放置されていたのは、それを知ってか知らずか…。
でも、掃除をすると~思った以上に綺麗になりました。グリップ部に劣化とヒビ割れが少しあるのは、これはもう素材のせい、どんな保管をしていても大なり小なり見られる症状なので仕方なし。
それと既に剥がしてしまいましたが、ボディ各所に操作系の覚え書きとして、以下のようなメモ書きされた小さなラベルが貼られていました。
電池蓋には使用電池の型番が、巻戻しボタンには「強制巻戻しする時」と、マニュアル露出時に使うスイッチ2つに「絞り値変更」「シャッタースピード変更」などなど。背蓋には装填されたままだったフィルムの装填日でしょうか!?「平成26年〇月」とも記されていました、2014年ですね。
これらのことから、真面目に写真を撮り・カメラを大切にされていたオーナーだったんだろうなぁ~と思いめぐらすことが出来ました。
ただ、一緒に持ち込まれたレンズは2本(ともにミノルタ純正ではありませんでした)とも、かなりのカビが生えてしまっていました…。
こういう書き込みをすると、ご遺族のことを責めているように解釈する人もいらっしゃるかもしれませんが、そんなつもりは一切ありません。この仕事をしていると、ご遺品の整理はなかなか出来ない~ということは良く聞く話でもあります。
それよりも、オーナーが生前大切にされていたカメラなんだろうな~と感じ取れたことの方が、私の中では大きな出来事でした。
キャップを整理中のこと。あるニコンのキャップに記された銀色の「Nikon」ロゴが光のあたり加減で微妙に色付くのが気になりました。
手に取ってみると、それ以外の部分の質感やクリップ部分の操作感にも違和感を覚えました。
以前、ニコンの古いデザインのフロントキャップで明らかに偽物っぽいものを見ているので、既にこの時点で完全に疑い始めているので余計にそう見えてしまうのです。
ホンモノと比較しようと思い、同サイズのニコンのキャップを探し出しました。
画像では分かり難いでしょうが、確実に仕上げが微妙に違います。右がホンモノで、左がニセモノと疑われるもの?。全般的にホンモノは少し艶があるの対して、ニセモノ?は艶消しな感じ。どちらも裏面に製品番号とサイズが「LC-58」「58mm」と記されているのですが、書体が違うのです。あと、ホンモノの方にだけ、隙間の奥の方に「MADE IN THAILAND」と記されていました。
逆にニセモノ?の方にだけ存在するものを見つけました。側面に小さな穴が一つ開いていました。多分、紐を通すための穴と思われます。
勝手な推測で話を進めていますが、私が知らないだけで…純正キャップに一時期だけ仕様の違うのがあったとか、最新はこれに変わっていたりするのかもしれないことも、いちおう書いておきます。
見た目が樽みたいなレンズは、キヤノンのEF35-80mm F4-5.6 POWER ZOOMです。
外装にある操作箇所はズームボタンが2つだけ。そのボタンのデザインが丸くて大きめなので、いかにも簡単カメラ系のイメージ。
このレンズはEOS700と同時開発されたもの。一見、プログラムAE(モードは8種あり)のみのEOS700なので、レンズも余計なものは排除していたのでしょう…。
「一見」と書いたのは…恥ずかしながら今回知ったのですが、EOS700はモードダイアルが外れるようになっていて、外したダイアルを裏返すと~そこにはBから2000まで11段階のシャッタースピードが記されていて、その面を上にしてボディに装着するとシャッタースピード優先AEが可能になるという、変わり種の機種でした。
レンズがキッカケで、実機が手元にないボディの何それ!?的な実態を知ってしまいました(◎_◎;)
さて、この樽みたいなレンズ。デジタル一眼(といってもひと昔前のEOS30D)に付けても、大きめ真ん丸ボタンを押すとちゃんとパワーズームが作動しました。
この組み合わせでも、見た目は十分OKですね。