★本日第3火曜日、明日水曜日は我楽多屋の定休日です。よろしくお願い申し上げます。
「これください」と、お客さんがレジカウンターへ持って来られたレンズ「SNC PENTAX 135mm/F3.5」。
レジ打ちをしていると、お客さんが「これ、珍しいよね。ここに『見本品』って書いてある」と言われました。
私は「えっ!?」と思いました。そんなこと全く気付いていなかったので、紙袋へ入れようとしていたレンズを改めてよく見ると、そこには~。
どうやら、もともとは刻印に色も付いていたようですが、『見本品』の上からマジックか何かで黒く潰してしまっているようです。
思わず「ホントですね!全く気付いていなかったので、1枚撮っていいですか?」と確認してから撮ったのがこれです。
「SUZUKI'S AUTO FOCUS」を覚えていらっしゃいますか?
今年の3月に我楽多屋へやって来た、その謎のカメラを話題にしたところ。思いのほか沢山の反響をいただきました。
→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2022/03/suzukis-auto-focus.html
また、「実体を調査したい!」とのお申し出があって、その人(Kさん)に謎のカメラを託した結果。見事に正体が判明したという報告を頂戴して、その内容も紹介しました。
→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2022/06/suzu-1cd5.html
その時に「もしどこかでロイコの組み合わせを見つけたら元の姿に戻してあげようと思っています」とKさんが言われていたのですが、なんと僅か半年ほどで「元に戻しました!」という報告を受けたので、またまた紹介させていただく次第です。
これが本来の姿に戻った、SUZUKI'S AUTO FOCUS付きに改造されたロイコです。脇に置かれているのは、我楽多屋にあった時に付いていた~さらなる改造で付けられていたレンズとシャッター。
Kさんからのコメントには、「部品取りした方は状態がかなり悪かったものの欠損や破損は無さそうなので少し迷ったのですが、よく見たら圧板が欠損していました」と、元の姿に戻すことについて少し葛藤があったようです。
最近は一部で何でも改造改造~元の姿に戻すことが出来ない改造~なんてのも見受けられるようです。廃棄されてしまう可能性があるものが改造で救出されることもあるので、一概にそれが悪い~とは言えませんけどね。
今回の場合、これで80年近く前に業者によって改造された状態へ戻ったのです。私が最初にこのカメラを話題にした時に感じた、当時の時代性や文化を覗き見られる姿になったのです。
木曜日のブログで話題にした、9台のニコンF2を動作確認する件の結果報告をしたいと思います。
先に一言コメントすると「かなり落胆しました…」です。
ボディ9台のうち、現状OKと判断出来たのは、たった1台。
残りの8台の内訳は、高速なり低速シャッターに不調があるのが3台、完全なシャッター不良が3台、シャッターはOKだけども他の部分に難があるのが2台。
また、木曜日のブログでも触れた~電池室からボディ上面にあるフォトミックファインダーとの接点までちゃんと導通しているのは、たった3台でした。そのうち1台はどういう訳か…!?電池を選ぶという不思議な状態でした。
そして、あまり期待していなかったフォトミックファインダー。実はボディよりも1個余計にあったので全部で10個ありました。
10個の中で、まずまず現状OKと判断出来たものが5個もありました。残りの5個の中には動いてはいるものの露出計としての精度で使い物にならないものが3個、全く針が振れないものはたったの2個だけでした。
というわけで、事前の予想とはかなり違う結果となりました。でも、今さらですが大切な前置きをしないといけません。これ、大ニコン様の名誉のためにも大切なこと。
そもそも、このボディ9台がどういう経歴の持ち主なのか?という点。普通にアマチュアカメラマンなどが使用していたカメラを集めたものなのか、それとも一度どこかの業者なりで篩(ふるい)に掛けられて弾かれたものなのか。後者の場合、昨今ありがちな転売ヤーなどによって素人の手が入れられたものの可能性もあるわけです。
私が思うに、普通にアマチュアカメラマンやカメラ好きがワンオーナーで使っていたものや、ちゃんとした中古カメラ店で再販されたものなどを集めたものであれば、あの「ニコンF2」ですから、ここまでボディの状態が悪いとは思えないんですよね…。
でも、時代は流れ~変わる~わけなので、素人の手が入ったりしている品物の流通が増えてきてしまうのも事実。そのためにこうして、しっかり動作チェックをするんですけどね。
画像のパンフレットは、別のページに載っていたカメラの情報から推測して1960年のものと思われます。
額面だけ見れば、感度100の白黒フィルム「ネオパンSS」の36枚撮りが240円、カラーネガは1種だけで「フジカラーネガティブ」(感度32)の20枚撮りが650円、と記されています。
でもこれ、安くないですよ。
1960年当時の物価は、ラーメン50円(約600円)・新聞購読料390円(4,400円)・公務員の大卒初任給10,800円(226,000円)という感じでした。それぞれ(カッコ)内は2020年の参考値。
白黒36枚撮り1本の値段を、当時のラーメンと比較すると5倍弱の値段なので、今に換算すれば1本3,000円くらいになります。初任給と比較すると月収の2%ちょっとなので、今に換算すれば1本5,000円弱です。
フィルムの値段はこの後、1970年~1980年代に掛けて少しずつ入手しやすい値段になっていき、1990年前後に一番安い時期を迎えます。
その頃のことを記憶している世代が特に今、「フィルムが高い高い」繰り返し言うのです。実際に安くはないですけどね…。
それに対して最近フィルムを始めた若い世代はフィルムの値段に対しての免疫力を持っていて、フィルムを日常的に使っていたりするんです。
そこら辺のことについては、先々月に一度このブログでも話題にしました→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2022/08/post-0e31.html。
昨日、お客さんから我楽多屋店内に並べてある商品のフードについて、「このフード、どう見ても40.5mmじゃないよねぇ?」とのご指摘を受けました。
そのフードを受け取って確認すると、フードを入れた袋に貼った黄色い値札には私の字で「40.5ミリ」と記されています。最近の私の字ですし、それなりに自信もあったので「えっ!?」と思って、フード自体に記された文字を探してみると、そこにも「40.5mm」とプリントされています。
でも、実際のサイズを見ると~ご指摘の通り、たしかに40.5mmより明らかに大きい。
開封して測ってみると、46mmありました。
これ~私のミスじゃないですよねぇ~。製造時点で間違ったサイズをフード自体にプリントしてるんだから。なんかすごい悔しいんですけどぉ~。
これに限らず店内には、特に品物自体にサイズの表記がされていないフィルターやフードなどの場合、黄色い値札に間違ったサイズを記入しているものが稀にあるかもしれません。最近はかなり気を遣っていますので、昔(そういう意識が低いころ)から在庫にあるものや、私以外が記入した文字のものなどは、出来るだけ現物合わせをするなどして間違いがないように心がけています。
それでも、気付けずに陳列されているものがあった場合はお許しください。
1ヶ月ほど前にロシアカメラ8台の動作確認を仲間の業者から依頼されたことやその結果を話題にしました。パッと見た目や、持ち込んだ業者の話では「良さそう」とのことだったのですが、ロシアカメラを信用?しては痛い目にあいますよね…。結果は現状OKと言える個体は8台中2台だけでした。→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2022/09/post-c04e.html
そして今回、同じ業種からニコンF2の動作確認を9台依頼されました。
大ニコンのプロ機F2なので、シャッターについてはかなり安心して良いと踏んでますが〜どうなることやら。
ただ、フォトミックファインダーの露出計の動作や精度については厳しいでしょうねぇ。ニコンF用も含めてフォトミックファインダーの露出計は登場から50〜60年が経過した今となっては、残念ながらニコン製品の中で信用性の低い部類のなってしまっています。
あ、あと、ボディ自体もシャッターはOKでも、電池室からボディ上面にあるファインダーとの接点までの導通は案外と厳しいかも…しれません。
結果が少し楽しみです。
★本日第2火曜日、明日水曜日は我楽多屋の定休日です。よろしくお願い申し上げます。
今日話題にする品物はお買い上げくださったお客さんが「これは〇〇ってやつだと思うんですが、初めて見たなぁ」と言われたモノです。
現物には「PENTAX」と記されているうえ、質感や意匠からも純正品であろうと予想出来たのですが、どこにも品名や型番などが記されていませんでした。
片側はKマウントレンズが装着できるバヨネット、反対側は49ミリ径の雌ネジ切りがされている、いわゆるリング状のアダプター的なモノ。
お客さんの説明によると「これがあると、リバースアダプターでカメラに逆付けしたレンズの前にフィルターが付けられるようなる」とのことでした。
初めて見た~と言われるように、小さいアクセサリーカタログには出ていないし、ネットで検索してもメーカー発信の画像は見当たりませんでした。
いくつか探したいたら、A4サイズのペンタックスアクセサリーカタログ中にイラストだけありました。
商品名「リバースリングライトホルダーK」というそうです。カタログの説明文には「逆向きにしたレンズにマクロストロボAF140Cを取り付けるためのアクセサリー。49mmのフィルターなども装着できます」と。
今まで考えたことなかったですけど、リバースリングで逆付けしたレンズの前にフィルターを付けよう~という発想があるんですね。それを商品化しているくらいですから、必要性があるのでしょう。とすれば、ペンタックス以外のメーカーはどうなの?と思って確認したら、ニコンには「BR-3」という同様のアクセサリーがありましたよ。
半月くらい前に、ロシア製ニコンFマウントレンズを話題にしました→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2022/09/f-4fb0.html
その時、ロシアカメラでニコンFマウントを採用しているボディは「キエフ17や19」であることにも触れました。
そしたら、まさ「呼び」ました!「キエフ19M」が入って来たのです。
この個体、シャッター不良の模様。電池を入れてみたら、ファインダー内で露出の+-表示は点くのだけど、それでもシャッターは不動。
そういう状態なので、レンズを付けて露出計の精度を確かめることはやめました。そのためにニッコールレンズを装着して万が一外れなくなったら嫌だ…という危機管理からです。
それとは別にこれなら~と何となく試してみたら、アイピースはニコン(円形の小さい方)のと径が同じでバッチリと付きましたけどね(>_<)