文京区大塚にあった日本フォートサービスさんの冊子「日本フォートサービスが推奨する 内外カメラ綜合カタログ No.3」。1952年5月に印刷されたものです。
先日、Facebookページには~エキザクタ・ヴアレツクスのビオターF2付きが定価154,000円で載っていることをアップしました。
ライカのページを見ると、「定価」表示されている品物と「概価」表示されている品物があることに気付きました。一瞬何だろう?と思ったけど、中古の概ねの相場のことだろうと推測しました。
店に国語辞典が無いのでネットで調べたところ、「概価」という言葉は一般的な単語としては存在していないみたいです。
でも、冊子の最後の方に注釈がありました。「本カタログに記載致しました価格は一般に公表されているものを定価とし、中古及び今後発売を予想されますものは概価(概算価格)としました。」と。
改めてライカのページを見ると、当時(1952年)最新型のⅢFとそれ以前のモデルとの価格差についていろいろな見方が出来て興味深いです。初期モデルのスタンダードやDⅡでさえ、その時点では20年経つか経たないかの中古品なんですからね。
国産カメラとの比較も必要でしょうから、ほんの一部だけ載せます。
また、当時の物価なども参考として必要になるでしよう。1952年の大卒公務員初任給が7,650円というデータがありました。
★今日に限ったことではないのですが、本ブログの画像、本文中の画像をピンチアウトして拡大すると像が粗くて見ずらいことがあると思います。その際は画像を一度クリックしていただくと拡大画像が開けるようになっています。
さらに、この冊子の内容をよく読むと、日本フォートサービスさんがとても真面目に営業をされていたであろう姿勢がうかがい知れます。
冒頭の一部分を抜粋すると、「弊社は広い視野と正しい公平な観点から良いものをより廉く皆々様の
お手許に御奉仕申上げたいという主旨から、一部粗悪品や体裁の良い形態ばかりのカメラを排して、本当に使用者に喜ばれ、お使いになつて為になるもののみを厳選の上収録致しました。粗悪品を売るということは、弊社で製作されたものでなくても、選んでお買い求め願った弊社の側に一切の責任が帰属致して参ります。営業本位の経営を離れて、価格の高低を問わずその価格にふさわしいカメラ、実質的にその価格として価値のあるカメラを過去の経験を通してお薦めして参りました。人間には人間としての人格があるように、カメラにはカメラ自身の品格があるべきであります。このような意味であくまで良心的製作態度から出発して製作された一流厳選カメラを皆々様にお薦めしてゆきたいと存じます。」と書かれていました。
そして、「カメラの種類は極めてその種類が多く、どのカメラを御自分の御予算からどのようにして選ぶかということは仲々難しいもので御座います。カメラにはみなそれぞれの特徴がありますので、まず御自分の御予算と御自分の御使用目的をはつきりお定め願いまして下記の各種カメラの特徴を御斟酌の上、御自分の御希望カメラを御選択下さい。何れも弊社の厳選一流品の責任票を附して販売致しておりますから御安心の上お買い求め下さい。」と書かれた後に、商品紹介のページに移っていきます。