我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第256

高級なルーペとLEDのフィルムビューワーで

ギャラリーバウハウスで開催される

Today Tokyo 1964/2020写真展のネガフィルムをセレクション

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2度目の非常事態宣言発令で、安全のために月一回開催されている私のトークショー(シドニー寄席)は二代目さんと相談の上、中止させていただいています。早く復旧すればいいなと思っています。

 

2月19日から4月24日までギャラリーバウハウスで、私の50年以上撮影している東京のシリーズの個展「Today Tokyo 1964/2020を開催します。結構力入っているんですが、何しろ半世紀以上1964年の東京オリンピックの頃から、東京オリンピックが延期になった2020年までという50年以上の長い期間なので、自分の生きてきた時間をそのままトレースすることができるのがとても面白いです。私の時間軸でみれば、17歳から73歳。

 

最近、コロナ関係で外出はほとんどしないで、当然のことながらガラクタ屋さんに行くこともできないので、さてガラクタ屋さんで買ったものって何があるだろうと考えてみたら、このところ毎日やっている写真のセレクションに使っている最も重要な2つの道具が、ガラクタ屋さんで買ったものなんですね。

 

まずは非常に高級なルーペです。オートニッコール105ミリです。10年以上前に確か2000円位で買ったのですが、要するにカメラ屋さんの値付けからすると、外観が汚いというのは高く売れないようです。このレンズは私が高校の頃は憧れのレンズで、東松照明さんはこのレンズでたくさんの名作を撮影しているんですが、高校生には高すぎて買えません。それでその代わりにコムラーの135ミリを買って使っていました。1966年でしたか、羽田沖にボーイング727が墜落した時、事故調査の専門家がこのレンズで飛行機の細かいところをルーペ代わりにして見ているのです。すごいなと思いました。まさにプロの道具です。

私の今回の半世紀の東京の写真展のセレクトの目の玉というのが、このレンズというのは不思議な感じがします。思えばロバートフランクが20歳の頃に、名作アメリカ人のネガフィルムをセレクトした写真が残っていますが、若いフランクは裸電球越しにネガフィルムを見ていて別にルーペなんか使っていません。これが若いという証拠なんですね。私も20歳代そして30歳代の頃はネガフィルムを選ぶときには、裸眼で何の問題もありませんでした。

 

もう一つの写真展のセレクションの立役者が、これは6、7年前にガラクタ屋さんで買ったものなのですがLED照明のフィルムビューワーなんです。デジカメの時代になって、こういうものはフィルムを使う人以外には使いません。ガラクタ屋さんでいくつか今までに手に入れているのですが、普通のフィルムビューワーは蛍光灯です。これは最新型のLEDなのでフラットで非常によろしい。

広告写真家をやっているときには、全部フィルムビューワーでチェックするのでフィルムビューワーの色温度には注意を払ったものでした。ところがアサヒカメラとか日本カメラの編集部に当時あったやつは、単に蛍光灯が入っているだけなので色温度がめちゃめちゃですね。フイルムビューワーを必要とするカラートランスペアレンシーを売り込みに行く時は気が滅入るものでした。

いまだに笑えるのは、40年ほど前のアサヒカメラの名物編集長にポラロイドSX-70の写真を見てもらう時に、編集長は編集部のスライドビューワーのスイッチを入れたんです。こういうので名前を残しちゃうというのは逆にエキセントリックです。

  

  

(2021.2)