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★本日第3火曜日、明日水曜日は我楽多屋の定休日です。よろしくお願い申し上げます。
少し前に持ち込まれたフジノンの引き伸ばしレンズ。うっかり見逃してしまいそうでしたが「あれ?」と気付きました。
レンズ前玉のまわりにある名板には「FUJINON-EX 1:4.5 f=75mm」と表記されているのに、後ろ玉側の鏡胴には「2.8/50」と記されているのです。
ん?どっちよ?と思ったわけですが、絞りリングに「2.8」まで表記がありますし、口径の大きな前玉からしても「FUJINON-EX 1:2.8 f=50mm」に、何故だか名板だけ75mm用のが付いてしまっているのであろうと推測しました。
持ち込まれた方はあまり知識をお持ちでなかったのか?50mmと思いこまれていたような雰囲気。
ちなみに、30数年前の発売時における希望小売価格的には50mmより75mmの方が7,000円くらい高かったわけで、どこかでインチキ紛いの交換がされたのか?と考えてみるも、私が直ぐに気付けたくらいにバレバレなわけで...。
「エルモ」というと~8ミリのシネカメラや映写機の印象が強いんですけど、スチールカメラの二眼レフ「エルモフレックス」もボチボチと見掛けます。
ただ、今回改めて知って言われてみれば~なんですが、エルモってスチールカメラは二眼レフしか作ってないんですね。
そのエルモフレックス、初号機の登場は戦前の1938年まで遡ります。以後、1955年までの間に細かい仕様の違いを含めて約10機種ほど登場した模様。
画像の個体は1955年(1954年かも)登場の「V」型と思われます。中期以降のエルモフレックスの特徴と言えるのが、ピントフード。
普通にピントフードを開いてウエストレベルで見る方法(下の画像参照)は、①ピントスクリーンを直視するのと、②ルーペを出して拡大して見るのと、2つのスタイル。これが出来る二眼レフは他にもたくさんありますよね。
ポイントはアイレベルで可能な2つのスタイル(下の画像参照)。ピントフードの前板が2段階に倒れるようになっているので、①深く倒して素通しでフレーミングするスタイルと、②少し浅く倒して後ろ板にあるレンズの入った接眼部を覗くと、前板の裏にあるミラー経由で見えるピントスクリーンでピント合わせが出来るスタイル。
ローライフレックス(後期)もアイレベルでフレーミングと拡大ピント合わせが可能なピントフードが付いていますが、両方出来る二眼レフは案外と少ないものです。
この3種のキャップを見たことがある人は多いと思います。どれもカブセ式のレンズ用フロントキャップ。表面の縁に銀色の円が引かれて、中心部に同じく銀色でブランド名が記されています。
そのブランド名は「Canon」「ASAHI PENTAX」「minolta」という有名で規模も大きなブランド。
続いて、下の画像は銀の円の中にブランド名を記した同体裁のキャップなんですが記されたブランド名は聞き慣れないものが多いと思います。中には現存しているレンズメーカーもありますが、かつてあった小規模なメーカーや自社生産をしていないOEM製品に頼っていたブランドなどなど。私も今回初めて見たブランドもあります。
これらのキャップは長年我楽多屋に来ていただいているお客さんから放出されたもの。もう20年程前から、その方がフロントキャップのコレクションをされているのは知っていました。
詳細は伺っていませんが、その数は多分4桁に及んでいたはず。展覧会を開いたら面白いんじゃないですか?!なんてお話ししたこともありました。
その方が数年前から少しずつコレクションを整理されているので、こうやって珍しいキャップを一度に見られる機会が出来たのです。
世話になっている仲間の業者が「これはお土産かな?」と言って差し出した黄色い小さな箱。そこには「Nikon」と記されていました。
その小ささからして中身を想像するのが難しく…開けてみると、ハサミが出て来ました。
こういうタイプの折り畳み式のハサミを昔は何度か見たことありますが、最近は見かけないタイプなのでは??
改めて一番上の画像を見てください。ちゃんと、ハサミのイラスト「✂」が描かれていました。さらには「FOR PROFESSIONAL」とも。ただ、ハサミ本体には何にも記されていません。箱と一緒に無いと、ニコンから出たものなのかどうか不明になりますね。
プロ向けのハサミ?プロサービスに登録しているカメラマンに配ったもの?
しかし、ハサミとしてはそもそも折り畳み式だし、決して使いやすいレベルのモノではないと思います…。
1955年2月号のアサヒカメラに掲載されている、千代田光学精工「ミノルタ35」の広告です。
セルフタイマーの魅力として、3項目が挙げられています。
大きく描かれているイラストは、2番目の後半の場合の例えを表現しているのでしょうが、これは相当に稀なパターンというか...盗られた人が驚いた顔しているので、現代では気を遣わないといけない盗撮ですね(>_<)
同じく2番目の前半の場合「前景に妨害物がある場合」の条件がイマイチ分からないのですが...。私の考えているポイントがズレているだけで、実は簡単なパターンなんでしょうから、分かる人どうか教えてください。
さらに、ミノルタ35の特徴として「自由スタートのセルフタイマーが着いている事は最大の魅力です」と記されています。最初はこれも分からなかったのですが、多分以下の解釈で合っていると思います。
それ以前のカメラのセルフタイマーの多くは、セット後にスタートさせるとシャッターが切れるまでの時間が一定だったのですが、ミノルタ35のセルフタイマーはレバーを止める位置を任意に決められるので、その位置によってシャッターが切れるまでの時間を変えらる~という解釈です。以降、こういうセルフタイマーの方が一般的になっていきますけどね。
ちょうど、我楽多屋に広告に載っているのと同じミノルタ35のMODELⅡがありました。
数日前のお客さんカメラ。ライカM4-PにライカビットMを付けられているのですが、見慣れないグリップが付いているのです。
お話を伺うと、3Dプリンターで作成したグリップとのこと。ライカビットMを付けた状態で装着可能なもの、指の掛かる部分の厚みがあまりないものを欲しくて、ご自身でデザインして出力サービスを利用して作成されたそう。
現状は素材の色のままだけども、着色するかどうかは考え中。
ちょっと興味深かったのは、以前紹介したレンズを作成してしまった高校生に触発された部分もあるんだとか…。あの高校生はテレコンなどのレンズを自分で組み合わせてレンズを作成して、3Dプリンターで作成した鏡胴に収めていました。そこまではしないけど、グリップくらいなら作ってしまおう~と思われたのだそうです。
★本日第2火曜日、明日水曜日は我楽多屋の定休日です。よろしくお願い申し上げます。
世の中には数えきれないくらいの数の一眼レフカメラが存在しますが、いつも思うのは「コシナC1S」のペンタカバー部のデザインって、かなり特徴的な部類だよなぁ~という点。
全体像をパッと見た時点でも特徴的なのが分かると思いますが、上方や下方から見ると~より特徴的であることに気付きます。
しかし、手に取って見るとその質感がかなりチープであることを知ることになります。背蓋を開けてみてもその感触やフィルム室の造りなどがプラスチッキー感で溢れていて、残念になる人もいると思います。
でも、シャッターや露出計などカメラとしての機能部分が壊れている個体は非常に少ないのも事実。日本に限らず世界中へ相当数のカメラがOEM生産されているカメラと基本同一なので、信頼性は高いのです。
あ、ただ一つ気を付けないといけない点があります。ミラーずれを起こしている個体が案外とあります。シャッターを切った際にレンズと接触する可能性があるので要注意です。
このキヤノンFPに見覚えある人いらっしゃると思います。一昨年の夏に一度取り上げました→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2022/08/post-b5c5.html
その後しばらく店に並んでいて売れたのですが、今年また戻って来たので~またしばらく店に並んでいたのです。
というわけで、ブログだけでなくて、店で現物をご覧になった人も多いかと。
昨日、2度目にお買上げいただいたお客さんが「こんな風になりました~」とご持参された姿がこれ ↓ 。
結晶塗装仕上げに塗り替えられていました。そして、ペトリレンズが付いているのです。お客さん曰く「ペトリのレンズを使いたいのだけど、まともに使えるボディがなかなか無くて、動作的には問題の無かったこのFPを改造してペトリマウントにしてしまいました!」と。
「FP」の刻印の「P」を赤くしているのは、「PETRI」の「P」を意識して~とのこと。
古いカメラって、コレクションとして保管されるものもあれば、こうして改造されて使われるものもあります。賛否両論あるでしょうけど、忘れられて死蔵されるよりは明らかに良いカメラ運命なんじゃないかと思います。