パール手提暗函
1909年、今から100年以上の前のカメラです。
小西六(当時は六櫻社)のパール手提暗函3號と思われ、ロールフィルムを使うカメラとしては国産最初とのこと。*パールについては過去記事のこちらもどうぞ→https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2010/01/0105pearl.html
使用するロールフィルムはNo.118という今は無いサイズ、手札判乾板も使えますが同じく入手不可能なので、今となっては撮影が出来ないカメラになってしまっているのですが、この個体は以下のような工夫がされています。
あえて「工夫」という表現をしたのは、元々の構造に「改造」することなく、簡単に元に戻せる方法で今ある120フィルムを使えるようにしているからです。
118フィルムは120フィルムより幅が大きいので、上下にスペーサーを入れて装填するようにしています。6×9サイズで撮れるよう施されたマスクは圧版も装備された立派なものですが、カメラ本体には4ヵ所のテープで貼り付けているだけなので簡単に外せるようになっています。
フィルム送りはちょっと面倒になりそうですが、キッチリと回転量の指南がされているので、それに従えばOK。
こんな風に改造せずに工夫だけで、今あるフィルムを使えようにしている点に「カメラ愛」を感じました。
さらに、乾板用のホルダーや劣化破損してしまったレリーズも一緒に残されているあたり…ますますカメラ愛がひしひしと漂っています。
このカメラを持ち込まれた方は「是非とも我楽多屋で次の人へ橋渡しをして欲しい~」という感じだったことも嬉しく。既にもう嫁いで行っております。
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