赤パール
カメラ界において「パール」というと、コニカのスプリングカメラを思い浮かべる人が多いと思います。
「パール」の歴史を調べてみると、1909年までさかのぼることになります。コニカの前身である小西六が、六桜社時代に作った「パール手提げ暗箱」が最初の「パール」。以後、645判のセミパール(1938年)や、ベスト判のベビーパールが登場します。
そして、1949年に登場したパールⅠからが、一般的に「パール」と言われるセミ版のスプリング式カメラ。以後、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ(1958年)と進化していくのですが、最終型パールⅣは135フィルムの流れにおされて、僅か5,000台ほどしか造られていないと言われています。
それでも、Ⅳ型はダイカストボディで、採光式ブライトフレームやフィルムの自動巻き止めなど、スプリングカメラとしては他にない新機構を備えている、高級カメラだったのです。
今回、私がパールⅣを取り上げたのは、名機、高級機だから~ではなくて、、、レンズのヘリコイドを無限大から近接方面に回していくと現れる鏡胴の「赤色部分」に惹かれたからです。私が基本的に「赤」が好き!ということもありますが、この赤色がいい「赤」なんですよ。
ボディ・レンズの他の部分はシルバーとブラックでしか構成されていないのに、意表をつくような赤。それには、収納時に無限大位置まで戻しなさいよ!という喚起の意があるようです。そう、レンズのヘリコイドを無限大位置にしておかないと、鏡胴が繰り出された状態では前蓋が閉まらないのです。
ずいぶん前に話題にしていますが、コニカはセルフタイマーでも「いい赤」を使っていたことがあります。