わくわく通信 Vol.11
常連Bさんから届く「わくわく通信」、ずいぶん久しぶりと思ったら去年の6月以来。
といっても、去年の12月「オリンパスM-1ブラックの検証」をわくわく通信とは題さなかったので、実質的には12回目。
今回は先だった我楽多屋で買っていただいた「ニコマートFS」の検証。私はこの事実を知らなかったのでビックリしました!
今日は、「ニコマートの秘密」の検体検証結果を報告します。
今回の調査の目的は、前にニコンのホームページで紹介されていた「ニコン・ファミリーの従姉妹たち」(豊田堅二氏)の「ニコマートFT」の回に記載されていた1枚の写真と記事でした。
内容は「ニコマートFT」は発売直前まで外光式で量産準備して、発売4ヶ月前にTTL方式に変更したとのことです。そして、初期型のFT or FSには、ダイキャスト部に外光式の孔があり、それを応急で塞いだものがあったそうです。
先日、購入した「FS」は生産数がきわめて少なく国内5,000台(FTは70,000台)とのことから、上記の外光式の痕跡が本体内部にあるのではないかと推定しました。
<検証内容>
- 「FS」と比較検証のために「FTn」も分解して、上記の外光式Cdsの撮り付け部の痕跡がないかを確認してみました。
<検証結果>
- 「FS」のフロントダイキャスト部には、資料写真にある試作品の外光式Cds取り付け位置に明らかに、後からダイキャスト金型を修正して孔を埋めた跡がはっきりと確認できました。(裏側もCds取り付け部修正で丸く肉盛りした状態を確認)
- 比較のために分解した「FTn」では完全にこの部分は表も裏もフラットに修正されており、上記のような痕跡はまったくありませんでした。
*画像左上・右上とも、上がFS、下がFTn。 画像左下はFS。 画像右下はFTn。
ニコンのロングセラー機である「ニコマートFTシリーズ」にも、発売直前に色々なドラマがあり、今回その初期型に技術者の苦労の痕跡を発見できたことに感動しました。
もし「外光式Cds」のまま製品化されていたら、これほどのロングセラーにもならなかったと思います。分解時の写真と資料もお送りします。
また、ワクワクを探しにおじゃましますね!
常連Bより