我楽多屋で買った    モノ・マガジン

Powered by Six Apart

« 2011年1月 | メイン | 2011年3月 »

2011年2月

2011年2月 6日 (日)

金色が渋いマウントアダプタ

P297 
マウントアダプタによるオールドレンズ遊びは、デジタルカメラによって、よりメジャーになったと言えます。やはり、結果がすぐ分かること。撮り比べがしやすいからだと思います。

でもそのマウントアダプタも、万能選手ではなく、物理的に相性の良くないマウント同士では、不具合も発生します。

その一つがフランジバックの問題。マウントによって、マウント面からフィルム面までの距離の差がそれぞれ決められている都合上、Aというマウントのレンズを、Bというマウントのボディに付けられても、無限遠までピントが合わなかったりするのです。

また、エギザクタマウントのレンズを、キヤノンEOSマウントのボディに装着するマウントアダプタの多くは、フランジバックとは違う問題で、わずかな厚みにより微妙に無限遠が出ないそう。それは、エギザクタマウント・レンズの多くで、マウント面より出っ張った部分があり、そこがボディ側のミラーに干渉してしまうことを防ぐ為に、微妙にアダプタの厚みを増しているという、苦肉の策なんだそう。実際にはレンズの絞りを「8」くらいまで絞れば、分からないレベルらしいのですが。

画像にあるエギザクタ・EOSのマウントアダプタは、強度ある材質で極めて薄く仕上げているので、無限が出るのだそうです。ただ、突起部分がミラーに干渉してしまう危険は各自の責任で・・・ということでしょうか。

この方のEOSボディが、デジタルじゃなくて、フィルムであるのが渋いなぁ~と思ったのですが、その理由には、デジタルVSフィルム問題の以前に、ペリクルミラーでミラーが動作しないEOS RTだから、前述のミラーに干渉してしまう問題が避けられるからなんでしょうけどね。

でも、このマウントアダプタ、規格性能のことよりも黒地に金色という見た目の渋さが気になりました。。。正確には銅製らしいので、「銅色」が正しいようですが。

我楽多屋で買ったモノマガジン更新

田中長徳先生の連載コラム「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」を更新しました。

第136回目になる今回のテーマは「キヤノン50mmF1.2用のフードにフィルターは必携です」。

昨年末に我楽多屋でお買い上げいただいた、ブラックキヤノンに関する内容です。

それでは、こちらよりお楽しみください

2011年2月 5日 (土)

記憶と記録

P373 

戦後間もない昭和二十年代の銀座の町並みを撮った写真などを時々見かけることがあります。そのすべてがモノクロ写真ですから、私が想像する昔の銀座はモノクロになってしまいます。それもセピアがかったような、、、

それに対して、自分の幼い頃の記憶は自分の目で見た出来事ですから、カラーで残されています。

そして、私は既にカラー写真の世代なので、記録として残された写真もそのほとんどがカラーです。記憶も記録もカラー。

さて、昭和30年前後、実際に銀座のカメラ屋で小僧をしていた買取名人などの場合、当時の記憶はたぶんカラーで残されているのだろうと思いますが、記録として残された写真は前述のように、そのほとんどがモノクロ。

このギャップがどういうものなのか、カラー世代の私には、イマイチ想像がつかないのです。

自分の記憶が薄れていくにつれ、記録として残っているモノクロ写真に影響されてモノクロ化されていくのか?それとも、記録されているモノクロ写真を見ても、自分の記憶が勝ってカラー化されるのか。。。

なんだか、取りとめのない話題になってしまいましたが、上の画像は、先月案内した「よつや探訪まっぷ」の表紙。これは昭和20年代の四谷四丁目の交差点、縦に走っているのが新宿通りで、向こうが皇居方面だそうです。

2011年2月 4日 (金)

スピードガン似

6a0120a63eae74970b0147e22f59ee970b

私がブログ用やメモ用に使用しているコンパクトデジカメの数倍の大きさと重さがあるこの個体。いったい何でしょう?

その形からボールやクルマなど高速で動くものの速度を計る「スピードガン」みたいな雰囲気でもありますが、その正体は「minolta AUTO-SPOT 1°」というスポットメーター。

ファインダーを覗くとそこにある指針・指標がとても穴路儀―(←すごい変換!「アナロギー」なんて言葉ないけど)でカッコいい!で、電池を入れたら動きました!

6a0120a63eae74970b0148c8388768970c

取説によれば「全自動式ですから操作手数がかかりません」とありましたが、測光ボタンを押すと「ジ、ジ、ジ、ジーッ」と測光してカッコいい指針が動くものの、その動きがとてもスローで...手数は少なくとも時間が~。

デジタル時代の現代の製品と比較してはいけないのでしょうが、技術の進歩を感じずにはいられません。

そして、この大きさ・重さ、そして無骨なデザイン。当時のカメラと比較しても迫力十分。

さらに、このスポットメーターの輝かしい歴史が判明しました。市販品だったこの「minolta AUTO-SPOT 1°」をNASAの要請でミノルタが改造した「minolta spacemeter」というのが存在していて、それは1968~69年にアポロ8・10・11号で3回に渡って、月へ行ってるらしいのです!

性能をどうのこうの言ってしまいましたが、自分とほぼ同年齢のスポットメーターなのでした。

 

2011年2月 3日 (木)

弘法も…

P370 

この2本のレンズ、中古市場において市場性のある品物ですから、お探しの人も多いかと思います。

カールツァイスの銘玉「プラナー85ミリF1.4」と、根強い人気のハーフサイズカメラ、オリンパスペンの広角「Gズイコー20ミリF3.5」。

しかし~。画像では分かりませんが、どちらも大きな欠点があります。いや、ありました。。。

「弘法も・・・」というタイトルから、お察しの人もいらっしゃるでしょう。その欠点、買取らせていただいてから発覚したのです。買取名人のプライド?もありますので、「弘法も・・・」の後の表記は避けたいと思います(笑)。

で、どんな欠点かと申しますと、プラナーは絞り羽根が無いのですぅ。ズイコーは後ろ玉にヒビがぁ・・・。

まぁ、年間数千台数千本のカメラ・レンズを買取っていれば、こんなこともたまにはあります(涙)。

でもでも、そういうジャンク品を探されてる方もいらっしゃるわけで、これらのレンズ、我楽多屋にてどなたかに救出されていくことでしょう。

2011年2月 2日 (水)

しっぶ~い系

P360 

ミノルタSR101と、オートロッコールPF 55mmF1.8の組み合わせです。

ブラックボディのSR101は、随所にキズやアタリ、塗装の剥げが見られ、いわゆる「きったね~系」で貫禄十分です。

そして、そこに付いているレンズ、個人的には一目惚れに近いです。

本来、外装はブラックなのですが、このレンズは何とも不思議な色味をしているのです。塗装が剥げたのではなくて、擦れた?色あせた?変色した?原因は良く分かりませんが、青味がかったグレーっぽい色になってしまっています。画像で分かるでしょうか?それが、なんとも「しっぶ~い」感じで、貫禄十分なのです。

新たなジャンル「しっぶ~い」系の誕生かもしれませんね。

第51回 得?or 特?

P366 
フィルム、ストラップ付きの現状OKな一眼レフを特価で!そのまま、街に出て撮影可能です。

過去にも同内容の得?特?企画は存在しました。フィルム一眼レフで遊んでみよう!という、初心者などに好評でした。

今回は、「ニコマートFT AI改43-86ミリ付」と、「リコーXR500 28-70ミリ付」。どちらも、2500円。

露出計の精度や、ちょっとした汚れ、カビなどはご容赦ください。マニュアル操作で現状OKなモノと割り切ってください。

今後はこの入門者向け一眼レフ特価品コーナーを常設してもいいかな~と考えたりしていますが、とりあえず、今回はこの2台。我楽多屋ご来店早い者勝ちです。

2011年2月 1日 (火)

Vixen VX-2

P357 
Vixenといえば、望遠鏡や双眼鏡を製造販売しているメーカーですが、こんなカメラも扱っていたんですね。

ちょっと詳しい人なら、これがコシナのカメラであることに気付くでしょう。コシナC1と同じ形をしていますからね。

しかし、何故ゆえにVixenがカメラ?という疑問は、ファインダーを覗くことでおおよそ推測可能でした。

で、調べたところ、このカメラは天体写真用一眼レフという位置付け。ファインダーを覗いて気付いた、その特殊なフォーカシングスクリーンは、全体が透過スクリーンで中心部分のみマットという仕様です。

P356 

天体用なので、基本ピント合わせは不要なわけで、明るい視野を得るために透過タイプとなっているのです。ただ、一般撮影も考慮して、中心部だけマットになっていて、ピント合わせをしやすくしているわけです。

この「VX-2」は1997年に発売されたそうで、既に絶版になっています。型番が「VX-2」というくらいですから「VX-1」も存在していて、こちらはコシナのCT1EXがベース。やはり、同様なスクリーンが装備されていたようです。

こちらの世界(ふつう?のカメラ・写真)では珍品扱いですが、あちらの世界(天体方面)ではそこそこメジャーなのかもしれません。

最後の最後に気付きましたが。。。ペンタ部の「VX-2」と書かれた下に、「ASTROPHOTOGRAPHABLE  VERSATILE CAMERA」とちゃんと自己主張していました。そして、その一連の文字の右にある弧を描いた線は多分、月をイメージしたものではないかと。