ピンが倒れる
ニッコールの「カニ爪(連動爪)」の有る無しやその形状については、このブログでも話題にしたことがありますし、一般的にも話題になりがち~と思うのですが、カニ爪の間に挟む連動ピンについてはあまり話題にならないような気がします。
その連動ピンはニコンFやF2用のフォトミックファインダー(*1)やニコマートのボディに付いています。そして、それらと同世代の中間リングやテレコンバーターにも連動ピンが付いています。
カニ爪に挟まれた連動ピンがレンズの絞り環と一緒に動くことで、ボディやフォトミックファインダーは現在の絞り値を知ることが出来るわけです。
今回、常連さんからにニコン純正の中間リングやテレコンバーターにある連動ピンが可倒式であることを教えてもらい、「えっ!?」となりました。上の画像、3個あるうちの1個の連動ピンを指で押さえて倒している状態です。こんなとこ?今まで気にしたことがなかった…。そもそもカニ爪に挟まれて弧を描くように動くピンなのに、可倒式の具合が倒れたら倒れっぱなしではなくて、バネ?の作用で元に戻るように凝っているのも立派なんです。
何故に可倒式になっているのか?を確認したくなりました。
まず、ニコマートボディへカニ爪レンズを装着する時には以下のようなお作法が必要になります。ボディにある連動ピンを可動範囲の一番端(Nikomatの名板のt側の端)へ移動させ、レンズの絞りを「5.6」にして取り付けないと、カニ爪に連動ピンを挟むことが出来ないのです。
次に、ニコマートボディへ中間リングを装着する際には、中間リングには絞り環が無いので代わりの白い丸印にカニ爪の位置を合わせて取り付けることで、カニ爪に連動ピンを挟むことが出来ます。テレコンバーターについては絞り値が記されていますが、装着手順は未確認です。
そして次、ボディへ装着した中間リングやテレコンバーターにカニ爪レンズを装着しようと試みると、ピンとツメの位置を合わせるには、レンズの絞り環を「16」にしないといけません…。
もうこうなると、5.6だか16だか覚えらんないよ…ってことではないんでしょうけども、絞りの位置に関係なくレンズを中間リングやテレコンバーターに装着してから絞り環を回せば、可倒式のピンが後傾してツメの間に挟まる~という仕掛けなのです。
ちなみに、フォトミックファインダー(*1)の連動ピンは少し隠れるような位置に付いていて外からはよく見えていませんが、カニ爪が描く円弧上の動きよりも少し余裕を持った動き方をするので、特に作法は必要とせずレンズをボディへ付けてから絞り環を回せば、ピンがツメの間に挟まるようになっています。
ここまで書いて、文章だけでは理解しずらいだろうな~と思いました。現物をお持ちの方は実際に試してみてください(・_・;)
なお、Kenkoなどの社外品のテレコンの連動ピンは可倒式になっていないので、ピンとツメを目視で合わせて装着する必要があります。
最後によく言われるニコンの「ガチャガチャ」操作は、ピンがツメに挟まってレンズが確実に装着された後に、絞り環を最小絞りまで一旦回してから最大絞りまで戻すことで、ボディやフォトミックファインダーに最大絞り値を認知させるための作業のことで、その時にする音が「ガチャガチャ」だからなんです。
(*1)連動ピンのあるフォトミックファインダーは、F用が全種とF2用がSとSB。
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