我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2022年3月

2022年3月31日 (木)

フィルム写真はお金がかかる!?

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最近、店でお客さんと「フィルムはお金がかかる!?」ことについて話すことが何度かありました。私と同世代もしくはそれ以上の世代のお客さんと。*以下、フィルムとはカラーネガフィルムについてです。

皆さん「フィルムが高くなった~」おっしゃいます。そのうえに「現像代およびプリント代が掛かる~」おっしゃいます。

確かに、ここ数年フィルムの値段は値上がりを続けています。現像代・プリント代については、それほど値上がりはしていないと思うのですが、今から30年近く前の一番安い時代を知っている世代にはデジタルと比べて大きな負担に感じてしまうんですね。

思い起こせば「0円プリント」なんてのがありましたからね。同時プリント依頼すると、12枚撮りでも24枚撮りでも36枚撮りでも現像代は同じで500円くらいでしたが、プリント代は何枚でもタダでした。その分、色などの質は少し大目にみないといけませんでしたが。

また、ほぼ同じ時期。逆輸入などの外版でしたがフィルムは1本100円~200円とかで入手することが出来ました。下手!?をすると、現像出すと1本貰えたりする店もありました。

どうしてもその時代と比較しちゃうんですよね。で、高い高い思ってしまう。

でも、最近フィルムを始めたような若い世代は、フィルム1本1,000円とか~現像+データ焼き込み代で1,000円くらい掛るのは当然の感覚でこの世界に入って来ているので、各自お小遣いをやり繰りして月に数本フィルムを使用している人たちが案外といらっしゃるんです。

1本のフィルムを何ヶ月もカメラに詰めて撮り続けているオジサン達とは、フィルム写真に対する感覚が違うんです。私自身も反省せねばなりません…。

また、今の若い世代は現像した写真をCDや転送サービスでデータとして受け取るので、あまりプリントをしない傾向。なかには「同時プリント」って言葉を知らない人もいるのかも...。

あと、もっと昔の話を。カラーネガフィルムが一気にシェアを伸ばしたという大阪万博が開催された1970年頃、フィルムは36枚撮りで1本500円程、現像代が400~500円でカラープリントE判(L版より少し小さい)が1枚60円くらいしたそう。大卒初任給4万円程の時代ですから、今と比べ物にならないくらい高いですよ。それでも、多くの人がフィルムカメラを使って写真を撮る時代だったのです。

 

 

 

2022年3月30日 (水)

2022プロ野球開幕戦

本日水曜日は、我楽多屋の定休日です。よろしくお願い申し上げます。

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二代目の「先週撮ったもの行ったとこ」は、京セラドーム大阪。

先週金曜25日に臨時休業させていただく際、正直にその理由をブログへ書きました

さらには、試合の結果次第で翌日午後2時からの割引き率を変えてしまおうという企画まで発表。

それでも、「面白い企画ですね」と言っていただけるお客さんもいらっしゃって、ホッとしました。

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2022年3月29日 (火)

カメラ屋で売れなくなったもの

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カメラ屋で最近売れなくなったもの...。

「最近」ってのはデジタルの時代になって~と解釈してもらって良いと思います。

以下、挙げる順番に意味は無いです。

『ストロボ』・・・デジタルカメラは高感度撮影が可能なので暗いところでも写せるし、蛍光灯やタングステン球の色の影響も受けずに写せますからね。

『テレコンバーター』・・・コンパクトデジカメでさえ高倍率高性能なズームが使えますからね。

『三脚』・・・高性能な手ブレ補正機能や質の良い高感度撮影が可能なので、三脚必須な撮影シチュエーションというものが、フィルム時代に比べて減少してますよね。

『スライドプロジェクター、イルミネーター、ルーペ』・・・どれもフィルムだからこそ必要なアイテムですから当たり前のことなんですけど。

 

そこで、画像のフジフイルムのカラーイルミネーターLite。我楽多屋の在庫にもう10年以上あります。棚の上に置いているため、大きめな地震が来た時に落下して壊れても癪なので、大幅値下げしようかと思います。

元々の定価は29,000円だったはず。それを4,500円の値札を付けていましたが、もってけドロボー!1,100円で良いです。ご来店早い者勝ちです。

サイズは36枚撮り1本分見られるサイズ。外装のプラスティックが少し変色しちゃった感じはありますが、現状は特に問題なく発光しています。また、交換用の専用蛍光灯は2022/3/28現在ビックカメラの通販で在庫ありになっています。

 

 

2022年3月28日 (月)

ニッコールのヒゲ

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昔から通称「ヒゲ」と呼ばれている、ニッコールの被写界深度目盛りです。カラフルで実に綺麗なヒゲなんですよね。

え~と一昨日、何気に手に取った「35-200mm/F3.5-4.5」(上の画像)を見てやっぱり綺麗だな~と思って、他のズームレンズを探してみると、「80-200mm/F4.5」(下の画像)も綺麗でした。

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でも、最近の「35-70mm/F3.5-4.8」なんかはダメ…。ってか、これは被写界深度じゃないのか。

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ここは最後に、ヒゲと言えば~的な43-86を!と思ったら、その時点で我楽多屋の在庫に無いので、ブログネタにするにはシメが無いな…と諦めました。

が、翌日の昨日。その43-86mm/F3.5がやって来ました!!

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これも「呼び」ですかね(^^)

 

 

2022年3月27日 (日)

針がビンビン振れるので

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買取りアローカメラから回って来た「コニカC35」。

外装は相当に汚れ、フィルム室のモルトはボロボロ(これは外装の汚れに関わらず多いのですが)でした。

不動品であっても、そういう品物として我楽多屋に並べる時点でモルトをそのままにしておくと、そこら中が汚れるので…とりあえず簡単に落ちてしまうモルトは落としてしまいます。

次に電池を入れて動作のチェックを行なうと、動いてるじゃないですか…。そのうえ、ファインダー内の露出を示す針の振れ方が異様に元気いいのです。

ならば~外装の汚れ、特に黄ばみと腐食っぽいのも落とそうと思って、水分を含ませた布で拭いましたが、かなり頑固。適当なところで諦めようかと思いましたが、元気な針の振れを思うと「もう少し綺麗にしてやろう~」と、今度は秘伝のモノを使って少し磨きました。すると、黄ばみが取れ、腐食っぽいポツポツも取れ、かなり綺麗に!

幸いレンズは少しのゴミと小さなカビがあるだけのようなので(というかそれを確認したので、ここまで綺麗にしたのだけど)、そこそこの商品にはなりそう。

それでも、これは私の変なこだわり…フィルム室のモルトは落としたままです。

なので、付けらる値段といえば、綺麗にするのに掛かった手間を東京都の最低賃金時給1,041円で考えると、ほとんど利益なしですが…。

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↑ 動画じゃないので針は動きません。

 

 

2022年3月26日 (土)

残念ストラップ

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中古ストラップの整理をしていると時々あるのが、短く切って使われていたストラップ。

ストラップの長さは使い方や好みで人それぞれあるだろうから仕方ないのですが、一応ある程度の調整は出来るようになっているものです。

このミノルタのストラップのように、ストラップ本体部とカメラ取付部で太さが違うタイプのストラップで、細い側を極限くらいまでに短く切られていると、中古ではなかなか売りずらくなってしまいます。

今回のは本革っぽいストラップなので、余計に残念な感じ。

ちなみに、下の画像は片側は一番長くした状態で、もう片側が一番短くした状態。その差は9cm程。

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この短い方でもまだ足りない~という方には、いわゆるニコン巻きとか報道結びとかいう方法を使って最短にすれば、下の画像のように上の画像で一番短くした時よりも、さらに4cm強短く出来ます。

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これは短くしたい場合の一例でして、どのようにお使いになろうが自由なんですけども、今回は中古ストラップを扱う立場から見て、切ってしまうと残念…という立場で書きました。

 

 

2022年3月25日 (金)

明日のがらくた市の割引率は

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本日3月25日(金)、我楽多屋は臨時休業させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

臨時休業の理由は完全にプライベートなんですが、今回は内容を明らかにしようと思います。それは明日26日(土)の営業内容に影響を与えようとしているからです。

25日は2022年プロ野球開幕の日で、私は阪神対ヤクルト戦を見に大阪まで行こうとしているのです。

そして、その試合の結果に応じて、26日午後2時からの割引率を変えようと思います。

我楽多屋では毎月第4土曜日の午後2時から通常全品1割引きサービス(がらくた市)をしておりますが、本日25日の開幕戦で私の贔屓チーム阪神タイガースが勝利した場合は、今月に限り2割引きに変更します!!

野球に興味が無い人、阪神ファンでない人(特にヤクルトファン)には胸くそ悪い話かもしれませんが、阪神が勝てば26日午後2時からの割引き率が大きくなりますので、ご注目の程お願い申し上げます。

言い訳しておきます…。この企画、ずいぶんと昔にお客さんから提案された企画なんですよ。

 

 

2022年3月24日 (木)

ライカ使ひの人へ

明日3月25日(金)、我楽多屋は臨時休業させていただきます。よろしくお願い申し上げます

 

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昭和12年発行の大衆写真講座第2回「カメラを使ひこなすコツ」の中で写真付きで案内されていた、「ライカの構へ方」の8例を紹介したいと思います。

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-1- は至極一般的な構え方ですね。

-2- もありなんですけど、スマホを横位置に構える時って、これに似た持ち方していますよね。

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-3- は中指でシャッターを押すのがポイント。これを人差し指で切ろうとすると、以前話題にした「シェー」のポーズになります(これもいけない構えではないと思いますが)。

-4- も縦位置の構え方として一般的ですね。

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-5- は望遠レンズを使用する時に向いているという構え方。小指でシャッターを押すのも一方法であるとのこと。

-6- ここからは補助反射ファインダーを使う場合(今となってはそれを見つけるのが難しいかも…)。これは一眼レフカメラのウエストレベルファインダーを使う時と同じ要領ですね。

-7-補助反射ファインダーを使った縦位置。ここでも中指で押すことを勧めています。

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-8- これをしなくても-6-の方法で撮ればいいような気もしますが、撮影場所の条件によってはこういうのもありってことでしょうか。

当時はフィルムの性能も低く…何より感度が今に比べて全然低いから、ブレを防ぐためにも構え方はより重要だったわけです。

 

 

2022年3月23日 (水)

美しい

本日水曜日は、我楽多屋の定休日です。よろしくお願い申し上げます。

また、明後日3月25日(金)、我楽多屋は臨時休業させていただきます。

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二代目の「先週撮ったもの行ったとこ」は、ガスメーターと配管美です。

四谷三栄町にある新宿歴史博物館で行なわれている「路面電車と新宿風景」を見に行きました。

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店から歩いて10分かからないような所で興味ある展示をやっているのを知らずにいて、少し前に店へ来てお客さんに教えてもらったのです。無料で見られる展示なのに、なかなか中身の濃い内容で満足しました。

4月3日までなので、関心のある方はまだ間に合いますよ!→https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/news/104423/

そして、今日の画像はその新宿歴史博物館の近くで発見した、ガスメーターとその配管美。

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2022年3月22日 (火)

SUZUKI'S AUTO FOCUS

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常連さんが「これは正体がイマイチ分からないカメラなので置いて行きますから~(お金は要らないという意味で)」と、言って持ち込まれたカメラです。

とはいえ、他のものと合わせて物々交換という形で引き取りました。

当然常連さんもいろいろ調べた上でのことだろうから、ネット検索で簡単に結果が出るものでもないはず。時間があるときに、店にある本で調べてみようと思いました。

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まず、このカメラを見て確認出来るのは、トップカバーに「SUZUKI'S AUTO FOCUS」と刻印されている点と、レンズに東京光学のシムラーが付いている点。

でも、「鈴木」というブランドやメーカーのカメラは戦前戦中戦後を通して見当たりません。

広告記事を集めた「昭和10~40年 広告に見る国産カメラの歴史」(朝日新聞社刊)を見ていたら、1943年頃にカメラの改造をする業者の広告があって、その中に距離計連動への改造をすることが記されていました。常連さんもそこまではご存知であることを話の中で聞いていました。

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その広告の中に「鈴木式連動装置」という文字を見つけました!

すると、次はベースになったカメラが何か?なんですが、ボディにそれが分かる刻印などが何も無いのです。「国産カメラ図鑑」(朝日ソノラマ刊)に出ているたくさんのカメラの写真から、各部の形状が似ているものを探して「ロイコ」(理研光学)であろうことがほぼ判明。

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でも、ここに至るまでにはレンズにシムラーが付いていることも条件として合わせて探していたので、遠回りをしてしまいました。

どうやら、レンズも元々このカメラに付いていたものではなくて、「ミニヨン」(東京光学)のレンズを移植されたようなのです。シムラー6cm/3.5が付いているカメラが他に見当たらないのと、レンズとシャッター(セイコーラピッド)の組み合わせが「ミニヨン」でしかなさそうだし、見や目もそのもの。

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ということで、このカメラはロイコを鈴木式の距離計連動に改造し、当時評価がされていたシムラーレンズに付け替え改造までされたものであろうと推測されるのです。

この件を元オーナーの常連さんにお話したところ~追加で確認出来たことがありました。ミニヨンは前玉回転式なので、ロイコに付け替える際にはレンズを固定するなどの改造も合わせてされている点。

最後になりますが「興味深いなぁ〜」と思ったのはこの種の改造について、ユーザー側から需要があったのか?それとも業者側からの提案的なものなのかは別にして、広告を出して商いにしようとしていた当時の時代性や文化をのぞき見ることが出来たことです。

 

★3月25日(金)、我楽多屋は臨時休業させていただく予定です。