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2017年12月29日 (金)

リガ・ミノックス

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スパイカメラとして有名な超小型カメラ「ミノックス」は、ドイツのメーカーであるという認識の人が多いと思います。決して間違いじゃないのですが、もともとはラトビアで生まれたカメラなのです。

ラトビアという国自体が、複雑な歴史を持っています。第一次世界大戦後ロシア帝国より独立するも、第二次世界大戦中の1940年にソビエト連邦に占領されます。しかし、翌年の1941年にドイツが占領、1944年にソビエト連邦が再占領。現在(1991年~)はソビエト連邦から独立しています。

そんな歴史の中、この超小型カメラのプロジェクトは1936年に、ラトビアと同じくバルト三国のひとつであるエストニアで試作機が開発されます。が、エストニアの国内で支援を得られる企業が見つからず、ラトビアのVEFという企業でミノックスⅠ型(リガ・ミノックス)として1937年から製造が開始されます。

ところが前述のような第二次世界大戦の混乱に巻き込まれるなどした結果、戦後拠点を西ドイツに移して再建され、1948年にミノックスⅡ型としてミノックスⅠ型の再生産を始めるのです。

一般的には、ここからの歴史でドイツのカメラという認識が多数なんですね。

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ここにあるⅠ型には「MADE IN LATVIA」の刻印がされています。

そして、再生産版のⅡ型がアルミ合金製ボディであるのに対して、Ⅰ型はステンレス製なので、比較するとズッシリと重いのです。実際にⅠ型とⅡ型の重さの比較は今回出来ていませんが、Ⅱ型はⅠ型の半分くらいだそうです。

画像で分かるかどうか微妙ですが、Ⅱ型と同じくアルミ合金製のB型(右側)と並べてみると、見た目でもその存在感が違います。

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何故、この初期モデルがリガ・ミノックスと呼ばれるのかというと、VEF社がラトビアのリガという場所にあったからなのです。

 

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