ラピッドシステム
私自身があまり親しみないから…か、今まで「ラピッドシステム」のカメラやフィルムについては取り上げたことがなかったようです。
ラピッドシステムとは、フィルム装填や巻き戻し失敗のリスクを軽減させようとアグファが開発したシステム。フィルム自体は普通の35㎜と同じ有孔フィルムを使いますが、専用のカートリッジに入っています。
撮影しながら同形の巻き取り用カートリッジに送り込んでいって、フィルム終了後は巻き戻さずにその巻き取り用カートリッジごと現像出しするというシステム。
ただ、スプールがなくてフィルムはカートリッジに押し込んでいくだけという構造上、フィルムを長く出来ず、35㎜フルサイズで12枚分ほどの長さが限界。そのため、多くは24㎜×24㎜のスクエアフォーマットを採用して16枚撮影が可能でした。
でも、登場した時期が世の中不況の折(昭和40年)だったうえ、システム的にはフィルムの平面性を保つ点で弱点があり、早々に消滅してしまった経緯があります。
もともとの開発理由が前述のようなことなので、上級者向けのカメラはなく普及版ばかりが登場しましたが、各メーカーとりあえず参戦しました。
キヤノンはダイアルラビッドやデミラビッド、リコーはラビッドハーフ、オリンパスはペンラビッド。
フジも数機種出しますが、この「フジカ ラピッドS2」は重量感もあり良く出来ています。そして、その低く横長なデザインが他にないスタイルでオシャレだと思いませんか?
上の画像で後ろに写っているのは、比較のために置いたオリンパスペンEE3、こちらはラピッドではありません。
*ラピッドシステムについての参考情報→http://www.fujifilm.co.jp/history/dai3-05.html (ページ中程にあります)