我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2012年4月

2012年4月 4日 (水)

Byu~N 16

N309

N310

このカメラ、レンズが16個も付いているオバケカメラです。

ちょっと勘のいい人なら、ゴルフスイングなんかのフォームチェック用に連写出来るカメラでしょ!と推測するでしょう。

その通りです。その名は「ビューン16」と言います。「ビューン」とゴルフクラブを振るからでしょうかね(笑)。

ボディ前面及び上面の液晶部に、ゴルフスイングしている人のイラストが入ってるくらいだし、シャッターボタンもゴルフボールみたいな凸凹状になってる徹底ぶりです。

私がこのカメラの機能で気が利いているな~と思ったのは、撮影モードが連写だけでないこと。1コマずつ撮ることや、15コマ連写した後に1コマだけ別に撮ることも可能なんです。

トイカメラでよく見かける4連写カメラや、同じフジから出ている8連写カメラは、連写のみですから。

じゃあ、どんな使い方が出来るのかと言えば、ひとりずつの顔を個別に撮って16人分の顔を並べることが出来たり、ひとりで16面相~なんてことも可能。

15連写+1コマでは、ゴルフでも野球でも…スイング連写の後に、そのプレーヤーの顔写真をおさえる!ってことが可能なんですね。

これは面白い!と思って、実はかつてこのカメラを所有していたことがあるのですが、それらの使い方を実行したことはありませんでした。やろうと思うと意外と面倒で。。。

ちなみに、35㎜フィルムの通常2カット分に16コマを写し込み、プリントは当時あった(今はどうなんだろう?)HVサイズ指定でした。なので、L判でプリントすると、上下に少し余白が出てしまうはずです。

2012年4月 3日 (火)

いい色、ありあり。

N304
ボチボチとサクラが咲き始めている東京都心です。

そこへ、「いい色、ありあり。」って、面白い表現のキャッチコピーが書かれた暗箱が出て来ました。また、サクラカラー自体が懐かしいブランド名ですよね。いや、もう知らない世代も多いでしょうか。

既にカメラ写真事業から撤退してしまったコニカミノルタ。合併前のコニカは、もともと小西六を名乗っていて、その頃のフィルムブランド名が「サクラカラー」だったのです。ここら辺の経緯は3年前の桜の時期に一度話題にしていたので、そちらを参照ください→http://arrow-camera.weblogs.jp/blog/2009/03/post-7983.html

さて、暗箱というもの自体がデジタル時代には無縁なもの。

シートフィルムのホルダーへの装填や、トラブルで撮影途中のフィルムをカメラから取り出す時や、フィルムタンクへのフィルムの装填など…フィルムを感光させないことがその目的ですから~。モノを箱の中に入れ、側面2面にある穴から手を入れて、箱の中の暗闇で作業するんです。

でも、これをお買上げいただいたのは、小学生時代から通ってくれていて、この春に高校へ進学するIくん。

面白いもので、この暗箱とは出所が別なんですが、同じ日にブローニーフィルムのスプールを3本見つけました。すべて、ちょっと昔の金属製スプール(今のはプラスティック製)。

N307
よく見たら、「SAKURA」、「KODAK」、「FUJI」の3種でした。前述のように「サクラ」は撤退済み、「コダック」も今年に入って大幅にラインナップを整理、頼みの綱はフジフィルムなんですが。。。いつも言うように我々が少しずつでもフィルムを消費することが大切なんですよね。

2012年4月 2日 (月)

逃げる針

N305
さて、この露出計。露出計で有名なセコニックの初級者でも安心して使えるシンプルな「AUTO-LUMI L-158」ってタイプです。

フィルム感度を合わせた後、被写体に受光部を向けて、赤い針の振れた位置に緑色の指標を合致させることで、半円部に記されたシャッタースピードと絞り値の組み合わせで露出を読みます。言葉で説明すると、ややこしいけど、実際に操作すれば至って簡単。

ところが、この個体でそれを試みたら、緑の指標を赤い針に合わそうとすると、針が逃げてしまって合わせることが出来ないのです。。。

何か磁気がイタズラしているようで、、、反発して合致してくれないのです。これじゃあ、計りようがありません。参りました…。

その様子を動画でどうぞ。

 
 

ところで、動画撮影後4時間くらいして再度挑戦したら、あんまり逃げなくなりました。下の画像のように、赤い針と緑の指標が合致しています。要リハビリ!?

N306

2012年4月 1日 (日)

KWANON(カンノン)

N300
キヤノン(当時は精機光学研究所)のカメラ第1号機に付けられた名称が「カンノン」だったことはご存知でしょうか?

昭和9年の話です。「カンノン」はアサヒカメラなどの雑誌に広告が掲載されて発売を目指していたのですが、諸事情あって発売されませんでした。なので、第1号機と言っても、それは試作機で終わってしまいました。

「カンノン」の名称は、「観音」から来ているそうで、1号機の生みの親である吉田氏が観音教の信者だったからだそうです。こちらも発売されていませんが、「カンノン」に付くはずだったレンズには、「仏陀」を意味する「カシャパ(KASYAPA)」という名称が与えられていました。

発売前に出された、その幻の広告のコピーには、「潜水艦ハ伊号 飛行機ハ九二式 カメラハKWANON 皆世界一」とあり、世界に誇れるカメラを造る強い意志があったことが解ります。

しかし、カンノンが製品化されなかった背景には、技術的な問題や財政的な問題、人的な問題など様々あったようです。

ちなみに、販売第1号機は「ハンザキヤノン」と呼ばれています。「ハンザ」は販売代理店近江屋写真用品のブランド名。「キヤノン」は「聖典」とか「標準」などという意味合いがあり、宗教色のある「カンノン」という名称を避けたのは、海外進出も視野に入れていたからでしょう。

さて、今日、こんなネタを持ち出したのは、「カンノン」カメラの軍幹部にも記されていたという千手観音のイラストと、燃えるような書体で書かれたブランドロゴを改めて見ていて単純に「凄いなぁ~」と思ったから。

ここからは完全に余談になります。千手観音が手に何か持っている場合、おおよそ何なのか宗教的に決まっているらしいのですが、カンノンカメラに描かれた千手観音のイラストの場合、向かって右側の一番下の手には「折り畳み式の携帯電話」、その上の手には「カメラのレンズ」を持っているように見えませんか???