Fボタン
オリンパス35DCというカメラがあります。我楽多屋へカメラを探しに来られた、フィルムカメラ初心者系の人に何度か勧めたことがあり、そのたびに後から、描写の良さに喜ばれた経験をしています。
カメラとしては、フィルム感度を設定して、ピントを合わせるだけで良い、至って簡単なカメラです。ただ、本当の初心者系の人にはフィルムの入れ方、巻上げ巻き戻し方、ピントの合わせ方から教えないといけませんが。。。
このカメラはレンズが良いのでカメラ好き、カメラマニアにも好まれる傾向にあります。そこで問題です。底面にある「F」と書かれたボタンがどういう役割をするボタンかご存知ですか?このカメラを持っている人でも意外と知らない人が多いみたいです。ちなみに、後期!?のモデルにはボタンがないものもあります。
答えの前に、このカメラの概要を、、、
1971年に発売されたプログラムEEの距離計連動カメラ。レンズはF.ZUIKO40mm/F1.7。シャッターは1/15秒 F1.7~1/500 F16。当時の価格は28,800円。
1969年に発売された「35SP」が初心者には使いずらい・・・ということで生れたモデルが「35DC」らしい。スペック重視の傾向からレンズは「35SP」と同じ明るさのF1.7が付いている。
ファインダーから右横へ少し離れたところにある「BLC」ボタンは逆光補正用の露出+1.5補正ボタン。1974年にはファインダー左横にバッテリーチェッカーが付く。
で、「F」ボタン。分かりましたか?
このボタンは強制的にシャッターを切る強制レリーズボタン。フィルムを入れたときにフィルムを空送りするために使います。キャップを付けたまま空送りをしようとすると、レンズの脇(キャップをすればキャップに隠れる部分)にある露出計の受光部は低照度と判断し、シャッターがロックされてしまいます。それを回避するためのボタンらしいです。その名は「ロックフリーボタン」。