この1~2ヶ月の間にお客さんから得たネタですが、ペンタックスのM42スクリューマウントのタクマー50ミリF1.4の描写があなどれない!という話。
まず一つ目は、コンタックスプラナー50ミリF1.4と比較して~。私も撮り比べた仕上がりを見せていただきましたが、今でも良~く覚えています。新緑のイチョウの葉の鮮やかな色と、その質感が、プラナーよりタクマーの方が見事に再現されていたように思えました。お寺の朱の色なんかも。
二つ目は、フィルムカメラで遊んでみたいから・・・と買って行かれた方がテスト撮影した~と見せていただいたもの。近所で何気に撮影したと思われる墓地での数カット。墓石の石の質感や、並んだ石碑の遠近感など、実に見事な感じでした。
ここで、その作品をお見せできないのが残念ですが、お見せしたところで「いやいや、そうでもない」とか「ふ~ん」などというご意見が出るのも怖いので、「そうなの!?」と興味を持たれた方がいたら試してみてはいかがでしょう?
タクマーの50ミリF1.4と言いましても、数タイプ存在しています。品物の表記上、古い順に「TAKUMAR」→「Auto Takumar」→「Super Takumar」→「Super-Multi-Couted TAKUMAR」→「SMC TAKUMAR」と変遷しています。
中には、マニアの間で有名な「放射能レンズ」などと呼ばれるものもあります。正確には不明ですが、「SMC TAKUMAR」が一番放射能が高いなどと言われています(人的影響のあるレベルではないのでご心配なく)。上の話の一つ目のお客さんに買ってもらったレンズはコレだ・・・。。。ちなみに、二つ目のお客さんは「Super Multi Couted TAKUMAR」でした。
タクマーに限らず、かつて高性能なレンズを作るために、トリウムという放射性物質をガラスに混入していた事実がいくつかのレンズであるらしいです。それによって、高い屈折率が得られるので高画質に有効なそう。また、いろいろと検索をしていたら、タクマーの50ミリはボケ味が最高という意見もありました。
タクマーに限らず、50ミリ標準レンズという存在意義を考えると興味深い感じがします。かつてカメラやレンズが高価な品物であった時代、それこそ標準レンズとして、まず最初の一本であったわけで、各メーカーが力を注いで作っていただろうことが想像できます。以後、高性能なズームレンズが登場し、マニアの興味の対象が広角レンズなどに移ってしまったこともあり、今では、50ミリ標準レンズは見放されたような感さえありますが、いやいや、その性能は意外とあなどれないものかもしれませんよ!