保存面における写真文化
ひそかに気にしていることがあります。高性能・利便性を理由にデジタルカメラがどんどん一般家庭に普及しています。
しかし、一般の人ほど撮った画像のあとの工程をずぼらにしている傾向があるはず。レジャーや冠婚葬祭などデジタルカメラで撮影した画像のほとんどは、プリントすることなく・パソコンなどに保存することもなく、SDカードなどメモリーカードの中に残されたままになっているのではないでしょうか…。
今ならまだ、これからいう話は普通に受け止めてもらえると思います。押入れの掃除や、タンス・机の整理をしていると、昔の写真が出てきて懐かしさに涙したり・楽しい思い出を回想したり~、写真にはそんな予期せぬ楽しみもあるのです。
これはフィルムカメラで撮影した場合、現像と同時にプリントも当然のようにしているからです。
しかし、冒頭に言ったようにデジタルカメラが普及しプリントしない傾向が一般化すると、20年30年40年後に思わず写真が出てきて昔を懐かしむ~なんて行為が無くなってしまうのではないかと心配しています。
デジタルカメラで撮った画像だって、ちゃんと整理して保存している人はたくさんいると思います。しかし、デジタルデータの保存の危うさ(磁気や衝撃、破損など)は、フィルムの安全性の比ではありません。そのために何重にも保存するなら、フィルムで残す方がラクかもしれません。
また、アルバムソフトなどを使って整理された画像を閲覧するにはパソコンを起動して~に始まって、意志と行動が必要です。机の引き出しから思わず出てくる写真とは、訳が違います。
と、かなりフィルム寄りの見解を並べてしまいました。
これらの心配は、少しでも写真が好きだったり几帳面な人の場合にはあまり問題にならないことだと思うのですが、世の中、そうでない人のほうが多いような気がします。大袈裟な言い方かもしれないけど、そういう一般の人から昔を懐かしんだり・楽しむという意味での写真文化が消滅してしまうような危機感を感じています。
20年30年40年後に気付いても手遅れです。今から、デジタルカメラが持つ利便性の裏にある保存の問題点を気にして、プリントなど目に見えるモノ(あるいは別の方法かもしれませんが)にして残していくことを実行していく必要性もあるかもしれませんね。
上の画像はアローカメラの昔の店舗画像です。カラーの方が12年前、モノクロの方が18年くらい前です。ついでに探したら出てきたもう一枚(下の画像)、開店当時(約42年前)の店舗です。