我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2008年4月

2008年4月12日 (土)

いい加減な買取り!?

かつて、雑誌の広告で「アローカメラでは、電話やFAXによる、一方的な買取価格の提示はしないようにしています」というコピーを使ったことがありました。少々、極端なコピーかな・・・とも思いましたが、そのきっかけは「電話で見積ります!」というコピーを他の広告でよく見かけたから。「見積り」とは文字のごとく、見て積もること。電話やFAX、メールなど現物を見ていない状態で正確にカメラやレンズの買取価格の「見積り」をすることは不可能なことだと私たちは考えています。

一般的な中古品という判断のもとに価格を返答することは可能ですが、中古カメラやレンズは一台一台程度や状態の違うものだから、「あなた」の品物の買取価格をお答えすることは出来ません。たとえ、程度や状態を詳しく伺ったとしても、その判断の仕方には皆様と我々業者では差があります。また、簡単に買取価格を提示する業者もあるようですが、他の業者と比較されることを考慮して高めな価格を提示する業者もあるようです。

これは、現物を見せていない状態で提示された金額は参考にはなっても、比較にはならない・・・ということを意味していると、私たちは考えています。

カメラを手放されるのに、自分の手持ちのカメラが1万円なのか、3万円なのか、5万円なのか検討もつかない・・・というのであれば、ご相談にのらせていただきますが、4万5千円なのか、5万円なのか、5万5千円なのかというレベルのご相談には現物を見させていただかない限り難しいということです。

また、良い状態のもの(一般的に上限といわれる状態)で1万円前後の品物については、程度が普通になった時点で半分の金額、どこかにマイナス点があると限りなくゼロに近づいてしまう・・・。このようなパターンも多々あります。

私どもが「買取価格の見積り」ではなく、「買取相談」という点にこだわっているのは以上のような理由からです。

先日、電話でニコンFとレンズ2本の買取価格の提示を執拗に求められました。しかし、上記のような理由から、こちらから一方的な金額提示は出来ないし、特に年代モノの場合は程度による金額差がとても広くなるので、かなり幅を持たせた返答をしたところ、「おたくはいい加減だな」と言われてしまいました。でも、自信を持ってハッキリと返答いたしました「いい加減な買取りをしていないので、このような対応をさせていただいているのです」と。

2008年4月10日 (木)

中学生のK君

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我楽多屋の常連さん最年少のK君、実はまだ中学生です。お父様に上京の用事がある時に茨城から一緒にやって来て、数時間別行動をしています。たしか、最初の頃はその間、我楽多屋でずっと時間を潰していたはずでしたが、最近は、新宿のカメラ店など足を伸ばしたりしています。そして、今回(4月6日)はなんとお父様の車に自転車を載せてきて、こちらでの行動範囲を広げよう!という意気込みでした。

今まで、使えそうなジャンク系ボディーやレンズ、フィルターやフード、ストラップ、バッグなどを貯めたお小遣いで買ってくれ、我楽多屋の利用法としてはお手本とも言えるレベルです。そして不要になったものは持参して物々交換して帰って行きます。そんな健気な姿についつい交換査定や割引が甘くなってしまうのですが・・・。

首から提げたカメラはニコンFEのワインダー付。この歳にして、フィルムカメラの魅力にとりつかれているK君は、来春の高校進学は写真部のある学校に的を絞っているとのこと。地元の写真屋さんとも交流があって暗室作業も始めようとしている、末恐ろしい少年なのです。

2008年4月 9日 (水)

レンズキャップ

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「キャップ」とひとことに言ってもいろんなキャップが存在します。

まずは、レンズのフロントキャップ。レンズの前側(フィルターやフードを付ける側)に付けるキャップのことで、昔は、フィルター径より少しだけ大きい金属製のキャップを被せるようにして装着するものが多数でしたが(上の画像左側)、その後は、スプリングが入ったプラスチック製のキャップをフィルター径の内側にはめ込むような方法で装着するものが増えてきました(上の画像右側)。

レンズのフロントキャップにはおおかた、メーカーのロゴが入っています。しかし、キャップとしての役目だけを考えれば、レンズのフィルター径さえ同じなら、基本的に互換性があるわけで、ニコンレンズにキヤノンのロゴが入ったキャップを付けても十分に用は足りるのです。

しかし、趣味性が強く、ブランド志向も強いカメラの世界では、それはあまり格好の良くないこと考える人が多いようです。また、古いレンズにはその当時の専用キャップを付けたい!という感情も発生するようです。ところが、レンズ本体と違って、着けたり外したりする機会が多いうえに、決して大きなものではないキャップは失くされてしまうケースが多いのも事実。よって、古いものは残存している数も少く、中には一個数千円の売り値が付くものもあります。また、時代によってメーカーロゴの変化があったり、形にバリエーションがあったりしてコレクションの対象にもなりやすいようです。

それに対して、レンズの後ろ側(ボディーと接合する側)に付けるキャップをレンズリアキャップと言います。こちらの場合、レンズマウントを各メーカーほとんど独自のものを採用しているため、メーカーごと専用のキャップしか合わないわけです。また、同じメーカーでもマニュアルフォーカスとオートフォーカスでマウント変更をしているメーカーがほとんどなので、さらに互換性が減ってしまいます。オリンパスペンF用など、ごく一部に一個数千円の売り値が付くものがありますが、そのデザイン性やバリエーションの少なさからか、コレクションの対象にはあまりならないようです。

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さて、ここからが本題、そのレンズリアキャップの中でキヤノンのマニュアルフォーカス一眼レフ用レンズのリヤキャップがクセモノなのです!キャノンの一眼レフ用マニュアルレンズはR~FL~FD~NFDと進化してきましたが、基本的なマウントは変更してないので、最古参機のフレックスに最後期型のNFDレンズを装着することが出来ますし、最後期のT90に最古参レンズのRレンズを装着することも可能です。

なのになのに、リアキャップには相手を選ぶものがあるのです・・・。FLレンズには装着できるのにNFDレンズには装着できないリアキャップがあるのです。たにかに、よく見れば微妙に形が違うのですが。。。また他のレンズに比べるとリアキャップの着脱に多少のコツがあるので、知らないと外せなかったり、歪んだまま無理に装着してしまったりするのです。これは、店に陳列したレンズをお客様が物色されているのを見ていると、実はよく分かってしまうのです。この人はキャノンのレンズを持っている人なのか、それとも興味本位で見ているだけなのか!?お願いです、無理に装着して外れなくなってしまうことが時々あるので、不慣れな人や、上手く閉まらない時は無理に装着せずに声を掛けてください。

2008年4月 7日 (月)

我楽多屋で買ったモノ・マガジン更新

お待たせしました!我楽多屋で買ったモノ・マガジン第102回目を本日アップしました!先月のがらくた市「カメラライブトーク」でも話題になりましたが、今回は露出計についてのエッセイになってます。どうぞ、お楽しみください!こちらからどうぞ!

また、リンク集に「小豆島に集まれ!たくさんの笑顔たち」を追加しました。

2008年4月 6日 (日)

KOMURA

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ちょっと異様な画像ですが・・・。昨日、我楽多屋にKOMURAのフードやキャップが多数入荷しております。これを見て喜ぶあなたはかなりマニアック。

かつて、1960~1970年代くらいの日本国内には、レンズ専門のメーカーが数多く存在していて、その中の一つに三協光機という会社があり、「コムラー」または「コムラノン」というネームのレンズを製造していました。

2008年4月 5日 (土)

若者のフィルム熱が!?

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若者のフィルムカメラ志向が何だかとても熱い!!

先週から我楽多屋を手伝ってくれている学生がいます。昨日、その学生の友人が来店、カメラの購入を考えているとのこと。はじめはEOS-Kissを手にして考えていましたが、どうやら、気持ちは機械式金属カメラ系にあるもよう。どんなのが良いか話しているうちに、ニコンFM3Aが欲しいのだけど高くて買えない・・・と。ん?そのレベルか・・・と思って、予算を聞くと上限は5万円。それなら、がらくたチックなものから選ばなくても良いし、今の我楽多屋の在庫の中にちょうどオススメのものもないので、急がないなら、また相談に乗りましょう!ということにしました。

デジタルは選択肢に全くないようで、フィルムのカメラが欲しい!のだそうだ。

夕方、若い男の子二人組みが来店。一人はフィルターを探していたので、既に写真を撮って遊んでいる感じ。もう一人が「初心者が買うのにオススメありますか?」と声を掛けてくれました。MFなのかAFなのか、露出は完全マニュアルでも良いのか、絞りかシャッターどちらか優先が欲しいのか?いろいろと相談した結果、ニコマートELブラックの50/1.4付を購入してくれました。その間、もう一人の若者が「お前が買わないなら、俺が欲しいくらいだよ!」と。お会計後、フィルムを買うお金が無いな・・・なんてつぶやいてましたが、なんだか、とても熱いものを感じました。

ホントに何なんでしょうか!若者のこの熱さは!

閉店作業中、女の子2人が店の中をうかがいながら「フィルム置いてますか?」と尋ねてきました。ごめんなさい、うちにはフィルムは置いてないのです・・・。そういえば、今週これでフィルムがあるかどうか尋ねられたのは3回目です。3回とも若い女の子でした。

*上の画像はいつ頃のものだろう?フジフィルムの紙袋とエプロンです。

2008年4月 4日 (金)

ニコンS3M

これはもう20年近く前の話だそうです。四国からあるカメラを売りに上京した人がいました。東京のカメラ店を数件回ったものの、希望の値段を付けてくれる店も無ければ、取り合ってくれる店も無く、アローカメラに辿り着いたそうです。

そのカメラは「ニコンS3M」。モータードライブによる高速連写性能を高めるために、S3を18×24mmのハーフサイズフォーマットに改良したモデルで、1960年3月から7月にかけてブラックとクローム合わせて165台しか生産されなかった超希少モデル。また、35、50、105mmの視野枠が選択式になっているのも、S3Mの特徴だった。

四国からやって来たS3Mは、ブラックボディーにモータードライブ、レンズ3本がセットのフルセット!で、お客様の買取り希望価格は70万円。交渉の結果、買取名人は少し上乗せして買わせていただくことになった。

その後、このカメラは当時新宿歌舞伎町にあった「ピンホールカメラ店」へ転売されることになる。ピンホールカメラ店はニコンやキヤノン、ハッセルなどの高級品、それも程度の良いものばかりを販売する店。それでも、このS3Mは、珍しさと高値ゆえに冷やかしの人が多く、しばらく売れることはなかった。その間、多くの冷やかしの人に触られてばかりいくことに納得のいかない店主は、なんとウインドウからさげて仕舞いこんでしまう。それから数ヶ月後、外国のバイヤーに「S3M」の話をすると、大変興味を示して買って行ったとのこと。

思いのほか、いい条件で販売できたピンホールカメラの店主は、その後、封筒にお金を詰めて買取名人のところへ持ってきたという。いい品物を回してくれたお礼というか、一人で儲けを独占しないというか、商売でありながら人情を大切にする店主の気遣いに名人は感激したと言います。

それから、またしばらくの時が過ぎ、海外のオークションでこのS3Mフルセットらしきものが、ウン百万円で落札されたという情報が流れてきました。バブルの真っ只中の話ではありますが・・・。

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*上記画像は、ノーマルのS3。前から見た姿はS3Mとほぼ同じ。

*ピンホールカメラ店:昭和20年代後半、新宿歌舞伎町に開店し、約10年ほど前まで営業していた中古カメラ店。程度の良い高級品をメインに扱っていた。店主の加藤兼雄さんは、いわゆる中古カメラ屋のオヤジ風で頑固な反面、情が深く、長く深く続く常連さんがたくさんいた。後継者不在で惜しまれながら閉店したが、加藤さんは今でも時々、アローカメラに遊びに来てくれます。

 

2008年4月 3日 (木)

記録的買取り

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アローカメラには日々多種多様なカメラ・レンズの買取りがあるのですが、その内容をパターン分けすると、どんな分け方が出来るでしょうか。

あまり使わなくなった機種やシステムを整理するために売りに来られるとか、買い換えで不要になる機種やシステムを売りに来られるパターン。この場合、カメラ1~2台にレンズ数本という内容が多く、例えば、すっかりAF機ばかり使うので、MF機のキヤノンNewF-1とNFDレンズを広角・標準・望遠と3~4本くらいを手放すとか、山登りで中判を使っていたけど年齢とともに重量が負担になってペンタックス67のシステム一式を手放すとか、ニコンF6を購入するからF4を手放すとか・・・。こんなのがよくあるパターンです。

ところが、写真を撮るというよりは、コレクション寄りの方が動かれた時は、かなりな量のカメラ・レンズが出てくることがあります。ニコン好きな人の場合、F・F2・F3・F4・F5・・・と1桁シリーズ一揃えは当たり前、FやF2などは各ファインダーごとにボディーも付いていたりしますから、1桁シリーズだけで10台なんてザラ!さらに、FM・FM2・FA・FE2や、AF機のF801・F90・F100・・・、当然にレンズもMF、AFともにズラリと揃っていたりします。さらに、人によってはニコンだけでは飽き足らずに、ライカやコンタックスあたりにも触手を伸ばされていたりするので、台数はさらに増えます。

また、メーカーにはこだわらずにフラッグシップ機や人気機種をコレクションされている人の場合は、ニコン、キヤノン、コンタックス、ミノルタ、ペンタックス、ライカ、ハッセル・・・と大手各社数台ずつ、さらに、リコーGR1やフジTX-1、マキナ67、マミヤ7・・・などもプラスされ、やはり合計で数十台。しかし、面白いことにこのタイプの方の場合、レンズの数はそれほど多くない傾向があります。

で、今までで一番の記録的な買取りは10年ほど前のことです。東関東在住の方のところへ3回に分けて出張買取りに行きました。さすがに一度で整理はお客様も忍びなかったのでしょうか・・・。3回の内訳は乗用車、乗用車、ワンボックスカー、一回で持ち帰るとしても1トン車では足りなかったかもしれません。その方はご自宅の隣りに、趣味専用の倉庫を建てられていて、その中にはカメラ以外の趣味のコレクションが多数ありました。中ではラジコンヘリコプターと鎧が目立っていました。カメラを手放すきっかけはこの鎧の収集を始めたから!と言われていました。たしか、買取り額の合計が800万円くらいだったでしょうか!?

アローカメラでは、品数がたくさんある買取りも喜んでご相談にのります。

2008年4月 2日 (水)

毎日新聞の夕刊

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本日(2日)の毎日新聞の夕刊にアローカメラ&我楽多屋がちょこっと紹介されています。画像は意外に大きく載っけてもらってます!先日、赤瀬川源平さんが来店されたことをこのブログに書きましたが、その時のものです。「歩きたい」という連載の第94回目が「四谷荒木町」なのです。

カメラマガジン

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日曜の晩に本屋さんで偶然に見つけた本、エイ出版の「カメラマガジン」。第6号がちょうど発売されたばかりだったようでした。フィルムカメラの記事ばかりでなんだか、元気付けられた気持ちになって一冊購入してきました。

そして翌日の月曜日には数名のお客様と有意義な会話が出来ました。

ニコンF4他レンズ一式買取りのお客様がご来店された時、買取りコーナーは買取名人がちょうど他のお客様から買取り中(キヤノンF-1やEOS-1クラスを10台近く・・・)だったのでしばらくお待ちいただくことに、その間、思わずいろいろなお話をさせていただきました。そのお客様、印刷関係のお仕事をされているので、普段は時代の流れでどうしてもデジタルの使用が増えてしまうとのこと。しかし、女性の肌の質感や、化粧の微妙な具合など、銀塩でしか味わえないもの、表現できないものがあると。今回、F4を手放すのは、銀塩カメラの出番が減ってきたため、あまり使わない機種は、どこか使ってくれる人のところへ出した方が良いだろうと。「それでも、今日ここへ来るのは決心が必要だったよ」とも言われていました。お待ちいただく時間が長引いてしまったのだけど、出直すと気が変わるかもしれないから~と笑いながらお待ちいただきました。

また、先月のがらくた市、それも長徳先生のライブトークショー真っ最中にご来店いただき、入り口付近にずっと立たれていたお客様が、ご来店されました。実は、この方、普通の日にご来店されることがほとんどなので、先月のがらくた市も買い物をしようとご来店されたのであれば、申し訳なかったな・・・と気になっていた旨をお話しすると、天気も良かったので仕事を抜け出して長徳先生のトークショーに合わせて来たのだし、初めての参加だったけど、すごい楽しかった!とおっしゃっていただきました。お仕事(たしか建築関係のお仕事)で使う写真でも、フィルムにこだわっている!というお話を以前から聞かせていただいていたのですが、最近はお子さんの写真などデジタルも使い分けているとのこと。それでも、フィルムがいいですけどね!と最後に付け加えていました。

ニコンのS型を使われていて、それに使えるセルフタイマーを探しに来られたお客様は、お話をうかがうと実はカメラマンさんでした。仕事以外で使うのはほとんどフィルムカメラ、カメラマン仲間でもそういうタイプの人が大勢いると。

カメラ雑誌各誌への希望になってしまいますが、アマチュアってプロと同じものを使いたい、真似をしてみたいと思うもの。デジタルとフィルムを使い分けるプロの実態・・・みたいなのを記事で紹介すると面白いんじゃないかな~と思います。