前にも少し書きましたが、ここ数ヶ月、「フィルムのカメラでも買ってもらえるんですか?」という問合せ電話が時々あります。デジタルカメラ全盛の昨今、フィルムのカメラはもう価値がない・・・と考える方が多いのだと思います。こんな話も聞いたことがあります。量販店の店員さんに「デジタルカメラをまだお持ちでないんですか?まずいですよ!」と言われたと。どんな風にまずいんでしょうか??
我々、中古カメラ屋からすると、まだまだフィルムカメラ「欲しい」です。たしかに、デジタルカメラを使う人が増え、仕事や記録という点ではデジタルが主流なのは事実。それゆえに、フィルムカメラ市場が縮小して値落ちしているフィルムカメラもありますが、趣味性の高さゆえ逆に値が上がったり、値落ちせずに人気を維持しているカメラ・レンズがあるのも事実です。
値落ち・・・というのも考えようで、貴重なフィルムカメラ・機械式カメラを「売れないから」と決め付けてしまう業者サイドもどうかと思います。フィルムでしか味わえない良さや、機械式カメラでしか味わえない楽しみもあるわけで、それをウリにフィルムカメラを売ることも出来るはず、その努力をしていない業者にも問題があるかもしれませんね。
さらに、「値落ち」という点では、実はデジタルカメラだって負けず劣らずだと思うんですが!モデルサイクルが短くドンドン新型が出てくるわけで、数年使ったデジタルカメラはほとんど市場性はなくなっています。
それから、カメラに対する価値観、買ってもらえるのか、高いのか安いのか、って個人差も大きいものです。同じカメラで1万円も売れればいい。。。という方がいれば、5万円は欲しい。。。という方もいます。しかし、我々は業者として適正価格が3万円と判断すれば、3万円で買うことを実行しています。
日々、こんなことがあります。ほとんど値付けが出来ないカメラを持参されたお客様に、値付けが難しい理由を心苦しくお伝えしていると、「いやいや、捨てるのも忍びないし、何か利用してもらえればと思って持って来ました」と言っていただけることがあります。そんな時は足代になるかどうか分かりませんが、うちの店を選んでいただいたお礼の気持ちとして、何らかのお返しが出来るようにしています。
そうかと思うと、「そんなに安いのか!」と我々業者を蔑むように言われる方もいらっしゃいます。お言葉ですが「お客様がお手持ちの品物がそういうものなんです」。どれくらいで売れるのか期待を持ってご来店いただくのは有り難いことですが、ご自身の品物の一般的な価値をわきまえていただくのも勉強かと思います。それが難しければ、私どもをご信用いただくしかありません。