触るな~とは言ってません
★本日28日(土)は第4土曜日なので、午後2時から恒例の全品1割引きサービスを行ないます!
実はちょうど2ヶ月くらい前から機会があったら、うるさい中古カメラ屋ネタを発動しようと思っていたんですが控えていました。
実店舗ではその間も何度か発動していますが…。
ていうか、3月始めに一度書いているんですけどね→(https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2022/03/post-ca82.html)。しかしその後ほどなく、品物の扱いについてお願いした人から某サイトに一方的な書き込み(事実と反することも含め)をされたので、ちょっとウズウズしてたのです。
ここ最近一番感じているのは、手に取った品物を戻す時に「よそ見」をしているような人。このタイプの人はおおかた扱いが雑で、次々に品物を手に取って見る傾向があるってこと。結果、品物をぶつけたり、稀に落としたりするんです。
そういう人に声掛けをすると中には不満そうにされる人がいますが、何も私の感情や気分次第で声を掛けているわけで無くて、長年日々お客さんを見ているなかで他のお客さんより明らかに扱いが雑な人に声掛けをしていることは理解して欲しいんですよね。
そして、私は「品物に触るな!」とは思っていません。購入を前提に関心あるものには気軽に触って確認していただけるのが我楽多屋であると思っています。
前回ブログに書き込みをしたのが3月始め、某サイトに書き込まれたのは3月半ば過ぎ。そして、こちらからお願いしたわけじゃないのに「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」の3月更新分で、長徳先生がうるさい中古カメラ屋絡みのことを話題にしてくれていたのです。
長徳先生の言葉を借りますと「ガラクタ屋さんはお客さんに最大限の信頼を置いているから、その信頼を付与されているお客さんの方はお店に対してジェントルマンにならなければいけない」と。
連載回数が現在271回にも及ぶ「我楽多屋で買ったモノ・マガジン」ですが、ウェブ上で閲覧できるのは直近3ヶ月分だけ。本来ならその回は来月初旬に見れなくなってしまうので、今回は此処に特別に抜粋して残るようにしたいと思います。
我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第269回
パリ、ニューヨーク、ベルリン、ウィーン、プラハなどで見る
中古カメラ屋さんのルールとそこに訪問するお客さんのルールの話です
ガラクタ屋の二代目さんのことを、最近私は最近見なくなったお寿司屋さんの怖い親方みたいに例えていることがよくありますが、そういうカメラ屋さんは今では貴重になってしまったから、大切だと考えています。
20年ほど前にになりますが、おそらく世界で唯一と思われる中古カメラ屋さんの写真集を出しました。そのタイトルが「写真機店」というのです。
登場するのはフランクフルト、プラハ、ウィーンの中古カメラ屋さんです。それぞれ個性的なお店でそれぞれいろいろな買い物を楽しんだ私でしたが、最初に書いておかなければいけないことがあります。
我々国際的なカメラ人類が中古カメラ屋さんに入ったときの国際的基本ルールというやつです。
それは中古カメラ屋さんではすべての品物はお店が管理していてウインドウに入っています。まずウインドウショッピングをして、どうしても手に取ってみたい商品はお店の人にお願いして出してもらうのです。手に取って状態を調べて納得が行ったら、お店の人の許可を得てシャッターを切ったりフォーカシングをテストしたりすることができます。
私は若い頃からずっと世界中のカメラ屋さんとお友だちになっていますけれども、これは基本の基本ですね。何もお店がお客さんを信頼していないからという意味ではなくても、店で売っている商品は全てお店側の管理にあるということで、お客さんは1台カメラを見てそれが気に食わないのでしたら、まずそのカメラを返してウインドウに入れてもらい、それから別のカメラを出してもらうということです。
これがカメラを見せてもらうときの国際的ルールです。
ガラクタ屋さんの場合、お客さんを最大限信用しているという訳なのですけれど、世界中で中古カメラ屋さんでウインドウに品物が入ってなくて、入ってきたお客さんが片っ端からカメラに触り放題というのは実は世界中でガラクタ屋さんだけです。
つまりガラクタ屋さんはお客さんに最大限の信頼を置いているから、その信頼を付与されているお客さんの方はお店に対してジェントルマンにならなければいけないというのは言うまでもない話です。
同じような事は日本の人が勘違いしている、商業上の道徳の基本の間違いでもあります。例えばパリの生鮮食品の市場で、そこに並んでいる果物の熟し具合をチェックするために果物を指で押したりする事は禁止されているというよりか常識以前の問題です。
もう1つ、これもよくある事ですけれど、洋服屋さんで日本のお客さんというのは無意識に洋服の布を指で触ってみるということをやっています。これもお店側が最大に嫌がるポイントですね。
次から次とカメラを触って注意不十分でぶつけたり落下されたりして、二代目さんに謝らないというのもルール違反で、本来ならレッドカードという所。中古カメラとか美術品とか古美術品というものは実用性以上に、それを文化として尊敬するという態度がなければなりません。
最近のネットオークションで問題が多いのは、カメラの状態をテストしていないから一切分かりませんというので、それを逃げ口上にしているセラーさんがあります。要するに動いていなくても責任は一切取らないということです。ガラクタ屋さんはface-to-faceでカメラの状態が確認できるのですから安全。
ガラクタ屋さんの場合は中古カメラのスペシャリストですから、わからない事はわからないと正直に言いますし、初心者の人には親切に教えてくれるということで、フイルムカメラのスターターの若い人がリターンユーザになるというのも非常に心強いことです。それに名物の小さな黄色のプライスタグに細かくカメラの状態が書いてあるのも親切。
世界中の中古カメラ屋さんを巡り歩いて半世紀以上になる私の体験から、ガラクタ屋さんの二代目さんの対応はちょっと怖いけれども、それはお客さんの方にも責任があるということを申し上げておきます。