7Sの黒艶
「7S」といっても、キヤノンじゃなくてミノルタHI-MATICの「7S」。黒塗装の艶が実にイイ感じで、ただそれだけでのネタです。
1966年に発売された通常の銀色ボディのHI-MATIC 7Sは、いまやジャンク系ボディの中で比較的見つけやすい機種です。しかし、黒ボディとなると希少品。それもそのはず、1971年に登場した輸出専用モデルだから。
この黒の艶を上手く表現できる一枚を撮りたかったのですが、その知恵も腕もなく…我楽多屋に並べていたら、半業界人M氏が買って行く~というので、慌てて記念に撮ったのが上の画像。
シャッターが全く動作しない不動品でしたが、外観の程度はかなり良く。輸出品であった証の「JCII」だか「JMDC」だかの「PASSED」シールも底面に貼られたままでした。
ところで、このカメラ。絞りリング、シャッター速度リングともに「A」表示があるので、それぞれ両優先が可能なのかと思ったら、さずがに無理。その機能は同じミノルタのXDが1977年に登場するまで待たないといけませんでした。
F1.8の明るいレンズが付き、露出はプログラムとシャッター速度優先、マニュルが可能で、玄人にも受け入れられたモデルだったようです。
また、HI-MATIC 7の「7」の由来は、初代HI-MATIC(厳密にはOEM版のアンスコブランドもの)が、アメリカ初の有人宇宙船フレンドシップ7号に積まれて宇宙撮影を行った経緯から。
それで、HI-MATICの2号機なのに「7」が付けられたそう。「7」以降に登場した機種に「9」「11」は存在しています。