ベス単フード外し
最近ではあまり耳にしなくなりましたが、私がこの業界に入った頃、15年以上前、、、「ベス単」という言葉をまだ良く聞きました。
1912年~1926年(日本では大正時代)に製造された「ベストポケットコダック」というカメラに付いていた単玉レンズ(1群2枚)の特徴ある描写が持てはやされていたのです。「ベスト」の「ベス」と、「単玉」の「単」で「ベス単」。
今回調べていて知ったのですが、ベストは「Best」ではなくて、「Vest」なんだそう。着るベストのポケットにも入るくらいの小さなカメラという意味合い。
また、127フィルムを使った4×6.5センチ判のフォーマットをベスト判と呼ぶようになったのは、ベストポケットコダックが4×6.5判だったのが由来。
さて、その単玉レンズ。通常装着されているフードを外すと、ソフトフォーカスレンズとして味があるから~、後年、注目されたのでした。それを「ベス単フード外し」と呼ぶのです。
そのため、ボディから外して1眼レフ用に加工されることも多く、今回の画像のモノもそれです。
元に戻せない改造はよろしくない、、、という考えもあるので微妙ではありますが。。。ただ、今回のモノはキレイに加工されているうえ、使用されたパーツがある意味、見事な感じだったので。
ベス単を一眼レフ用に加工する際には、当時からペンタックスのマウントがいいと言われています。それは、ペンタックスには、スクリューマウント(M42)にも、バヨネットマウント(PK)にも、「ヘリコイドエクステンションチューブ」というモノが存在しているためで、これを利用することで、ピント合わせが可能になるからです。
で、今回の改造ベス単レンズの場合、ヘリコイドエクステンションチューブの先に、体裁良く仕上げられた鏡胴というか、レンズガードというかがあって、その部分がニコンのフードと、キヤノンのフィルターとフィルター枠で形成されているのです。
まさに、我楽多屋で見つけられそうなパーツばかり!!それも、ペンタ、ニコン、キヤノンと3社揃い踏み!?