我楽多屋で買った    モノ・マガジン

Powered by Six Apart

« カビ・クモリ玉 | メイン | オリンパスフレックスの金具の正解 »

2021年1月22日 (金)

昭和5年 ピコ単

141308004_4930640123644950_87907744

買取りのアローカメラから我楽多屋へ回って来た品物を整理中。

このカメラがありました。ZEISS IKONのPiccolette。

そうとうに古いカメラではありますが、似たような時代のカメラもちょいちょいは出ては来ます。でも今回、古さを印象付けてくれたメモ書きが添えられていました。

「昭和5年頃 横浜にて母より買い与えられる 価20円(?) ツアイス製ピコレット 単玉」

ポストイットに書かれたメモなので、それ程に古いメモではありません。昔を思い出されて書かれたものなのでしょう。

しかし、昭和5年に母親からカメラを買い与えられるなんて!多分、ビックリするくらい恵まれた環境だと思います。

昭和5年の物価を調べてみました。豆腐1丁/5銭、すし(並)/25銭 大卒初任給/73円 日雇い労働者賃金/1円60銭(日)

ちなみに、メモ書きされたポストイットは薬品名がプリントされた薬品メーカーのノベルティと思われるので、メモを書いた主はお医者さんかもしれません。親の代からお医者さんだったとすると、幼き頃にカメラを買い与えられた~というのも納得できますねぇ。

ピコレットはツァイスイコンの母体の一つであるコンテッサ・ネッテル社がベストポケットコダックを模して作ったカメラと言われています。今回の個体のような単玉付きの他に、レンズ(テッサー他)とシャッター(コンパー他)の組み合わせなどでいくつかのバリエーションがあった模様。高いモデルは当時180円もしたそうです。

この単玉付きを「ベス単」を捩って「ピコ単」と呼んだそうです。まぁ、単玉付はバリエーションの中では安価だったので、子供に買い与えた~という事実がまたまた納得できますねぇ。

 

★緊急事態宣言が発令されておりますが、現在のところ通常通りの営業を続ける予定です。感染拡大防止対策を施されてのご来店をお待ちしております。入店時の手指の消毒、マスク装着もお願い致します。

*アローカメラ&我楽多屋のFacebookページ(http://www.facebook.com/arrowcamera)、および ブログ「カメラ買取名人学」(https://camera-kaukau.lekumo.biz/dailymeijin/)も合わせてご覧いただけると嬉しいです。

★昨年7月から当分の間、我楽多屋のみ定休の水曜日に加えて、第2火曜日と第3火曜日も休業させていただきます。よろしくお願い申し上げます。