Kowa Kid
わたし的にはこのカメラ、「出た!やってくれました!」という感じなのです。
まず、データから紹介しておきましょう。その名を「Kowa Kid(コーワ キッド)」と言います。1960年にコーワから発売された初心者向けの入門機という位置づけのカメラ。いや、その名称通り、子供向けと言っても過言ではないようです。フジペットとコンセプト的に似ているといえます。
シャッタースピードは1/50秒とバルブのみ。レンズはプロミナー70mm/F11。一見(いや実際にも・・・)トイカメラ風ですが、ボディは金属製でシッカリしています。使用フィルムは127で4×6判と、フィルム室の仕切りを取り外すことで4×4判の撮影が可能。
それから、知らない方も多いかと思いますので。「コーワ」とは、コルゲンコーワのコーワです。今は薬品メーカーとして有名ですが、当時は光学部門も充実しており、どちらかというと凝った高価めなカメラなどを製造していました。そのコーワが造った唯一の廉価版カメラでもあるのです。
ちなみに、コーワの光学部門は現在でもフィールドスコープや医療用機器を製造しています。
で、ここからが「テストにも出るから、よく聞くように!」的な内容です!?
コーワキッドを正面から見ると、銀色の縁取りの中に、ファインダー窓とブライトフレームの明り採り窓、セレン式露出計の受光部と普通なら解釈するべきものが並んでいます。が~!違うんです。左端の窓は明り採り窓などではなく、全くのダミーなので中は空洞になっているだけ。そして、受光部らしき魚の卵状のボツボツはただの飾り。
よって、ちゃんと!?機能しているのは、画像内カエルの真下にあるファインダー窓だけ。こんな子供だましみたいなデザインで良いのでしょうか?
*画像内のカエルは、コーワのケロちゃんではないので、念のため・・・。
奇しくも、ちょっと前に露出計の受光部風の飾りつけはどうか?と話題にしたばかり・・・。実は50年も前にコーワさんがやってくれていました!
これは面白い!とレジ横にコーワキッドを置いていたら、飯田鉄先生に「変わったモノがありますね~!」と見つけられてしまいました。さすが飯田先生、「プロミナー付きですよね!しかし、写りは・・・」とちょっと渋めな顔をされていました。期待してはいけないようです(笑)。