フィルムカッター
またまた呼びました!!!!
LordのキャップがLord(ロード)のカメラを呼びました。買取り依頼のあった品物の中に、正直、かなり状態がよろしくない個体ではありましたが・・・1953年登場の「Lord Ⅰ」です。
で、今日の話題にしたいのは、Lordのカメラ特有の機能である「フィルムカッター」についてです。
画像で分かりますでしょうか?裏ブタを開けるとフィルム室にカッターの刃(赤丸付けてます)が見えるのが!画像では分かりやすいように、刃を少し引き出した状態にしてあります。まぁ、そりゃそうですよね、これが普通の状態なら、フィルムにドンドンとキズが付いてしまいます。
何でこんな刃があるのかというと・・・。フィルムの撮影済み部分だけ、先に取り出して現像してしまおう!という発想からなのです。このカメラが出回っていた昭和30年前後、フィルムはまだ高価なものでした。フィルムに残り(未撮影部分)があるのに、フィルムを取り出して現像するという行為はとても贅沢なことだったのです。それでも、早く現像したい、現像する必要に迫られることもあります。そんな時、ボディーの上部、巻戻しノブの横にある秘密のツマミを引き上げると、シャキーン!とフィルムを途中で裁断することが出来たのです。*Ⅰ型以降は秘密のツマミはボディーの底面に移されたようです。
まぁ、実際この機能がどれだけ使われたかは不明です。本当に必要な機能だったら、他メーカーのカメラにも採用されていたでしょうが、他のカメラでこの機能を持つカメラをほとんど知りませんから・・・。