我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第255

新宿の目をスタートして北村写真機店経由で

ガラクタ屋さんまで歩いたブラパチワークショップ

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もう足掛け5年目になる、私が開催しているブラパチワークショップです。昨年の12月のワークショップでは、新宿の名物であるスバルビルの巨大な目玉をスタート地点として、最近話題になっている北村写真機店を経由して、最終目的地はガラクタ屋さんまでワークショップで歩きました。このショットがスタートの時の記念写真ですがこの目玉は大きいなぁ。

新宿の目玉は1969年に出来たそうですが、ちょうど私が最初の個展を同じ年に銀座ニコンサロンで開催していますから、50年以上前のランドマークになります。

その頃は新宿も自由な場所でした。新宿西口広場で新宿フォークゲリラという無届け集会が発生してすごい盛り上がりになったので、当時の政府はここは広場ではなく通路だから、ここでフォークゲリラはやらないようにという通告があったんです。かなり政府は怖がっていたわけですね。

カメラのキタムラでフォトコンテストの審査員をやったり、ライカカメラをキタムラが輸入するようになった時に全国の店長さんを新横浜の本部に集めて、私がライカについてのお話をしたのです。だからカメラのキタムラというのは、地方にたくさんある気楽なお店と思っていたら、新宿に出来た北村写真機店は結構高級なところを狙っているのが面白い。私の鑑定眼からすれば、カメラのキタムラと北村写真機店は全く別のお店なのです。

私が北村写真機店に入って一番驚いたのは、子供がスタバのカップを持って店内をウロウロしているので、これはけしからんから叱ってやろうと思ったら、なんと店内にスタバのお店があるんですね。つまり北村写真機店は客が間違って商品にカフェオレをぶっかけちゃっても文句は言えないという立場になってしまいます。

ガラクタ屋の二代目さんはなかなかストレートな正義の味方で頑固なところがあります。つい最近おじいさんがコーヒーカップを持ったままガラクタ屋さんに入って来たので、中身が入っているのは遠慮して欲しいという指示を出したそうです。その人は外で中身を捨てたのか飲んだのか知りませんけれども、すぐに戻って来ました。その空になったカップを二代目さんが捨ててあげたのはサービス満点。

その飲みかけのコーヒーカップのジェントルマンは、私の知り合いの人で大手新聞社の元ジュネーブ支局長なんです。面白いことにお互いに初対面で面識がなかったんですね。だから面識があったとしても、上級国民の元ジュネーブ支局長がコーヒーの飲みかけを持って入って来るのを許すというのはおかしいわけで、ここら辺に二代目さんのお店を運営する上での正義が貫かれているのが正しいと思います。

大人数でステーキで晩餐会をやっても、あれは打ち合わせであって食事ではないと変な言い訳をしている自民党のおじいさんもいるしね。

この日のブラパチワークショップのもう一つのポイントは、私が1960年代に撮影した新宿三丁目の都電の停留所のスカイラインに、巨大なペトリカメラの広告塔が見えたことです。その幻のペトリカメラの広告を探して歩いてみようというのもテーマの1つでした。かなり宗教的というよりも哲学的なワークショップです。二代目さんは実はペトリカメラもかなり好きで、たくさん秘蔵しているんですね。

撮影のコースは私が間違えてしまって、新宿文化会館の方に行ってしまったので、普通ならメトロで駅1つなのですが3時間近い大回りをしてしまいました。抜弁天から余丁町を経て曙橋から坂を上ってガラクタ屋さんに到着した時はヘトヘトになりました。

でも参加メンバーの皆さんはカメラ人類ですから、ガラクタ屋さんの階段を上ったらいきなり皆さん元気になって結構買い物をしていました。

ガラクタカメラは疲労に特効薬。

それで目的地のガラクタ屋さんでワークショップの皆さんに話をしたのは、今日歩いたところはカメラ屋さんの2つの極限状態の店です。北村写真機店さんには高いものがたくさんあるけれども、それが良いというわけではありません。むしろカメラとレンズと写真の楽しみとしてはチープに見えるガラクタ屋さんの方がクラスとしてはずっと上なのですというような内容でした。

だって、ガラクタ屋さんは以前ライカの社長さんがドイツから来た時に、お店を表敬訪問したような由緒あるお店なんですね。

 

 

(2021.1)