アローカメラ         &我楽多屋

我楽多屋で買った  モノ・マガジン

Powered by Six Apart

我楽多屋で買ったモノ・マガジン 第243回

Kilfittの鉄アレイ

Img_0388_2

一眼レフが登場する以前には、このようなレフボックス装置が望遠レンズとかクローズアップをするときには唯一の武器でした。

戦前の大手のカメラメーカーでは一生懸命、レンジファインダカメラの前に付けて一眼レフの代用にするミラーボックスを作っていました。

ライツもそうです。Zeissもそうでした。アストロベルリンではライカ用の800ミリの望遠レンズを提供していました。それでライカの総合カタログには800ミリのレンズとそれにつけるIdentscopeという名前のレフレックス装置がライカカメラの総合カタログに載っています。恐ろしい高い値段でした。

ライカの会社は自分の所で作れないものは競合他社から輸入して、それをカタログに掲載するという歴史の伝統があります。例えばシュナイダーのキセノン50ミリ f1.5とか、カールツアイスのホロゴン15ミリ f8などがそうでした。

時代が戦後になって、ミュンヘンKilfittから登場したのがこのレフボックスでした。レフボックスには2種類あって、ひとつは上から垂直のルーペで覗くやつ、もう一つはこのタイプのモデルです。

複雑なプリズムの光学系で斜め45度から覗いて上下左右正しいイメージを見ることができます。しかも当時の競合他社のカメラメーカーのレフボックスは、必ずダブルケーブルレリーズでシャッターを切っていたので、実際には動くモチーフを撮るときなどは使い物になりませんでした。

このミュンヘンで出来たレフボックスはミラーボックスにケーブルレリーズを差し込んで、ケーブルレリーズのもう一方の端っこはカメラのシャッターボタンに直接ねじ込めるようになっていました。

この写真のような具合ですから、実際の撮影ではシャッターボタンを押した瞬間にミラーボックスのミラーが跳ね上がって撮影をすることが出来ます。当時のライカのダブルケーブルレリーズなどに比べるとかなり使いやすいわけです。

ライカの会社は競合他社のこのミラーボックスに危機感を感じたせいか、ほぼ同じ頃にVisoflex2を発表しました。これはミラーボックスから生えているアームをカメラのシャッターボタンの上に置いて、そのアームを押し込むというタイプでした。でも考えてみると、やはりミュンヘンのこのタイプの方が実際かなり使いやすいので競争にはなりません。

我楽多屋さんにこのミラーボックスが入荷した時、これを持って来たお客さんが「これはまるで鉄アレイのようだ」と言っていたそうです。確かにそのスタイルはキン肉マンで、なんとなく似ていますね。非常に優れたデザインだと思います。ただ、お店ではケーブルレリーズが失われていて使うことができませんでした。

私が持っているのはほぼ同じモデルですが、上から垂直ルーペで覗くやつなんです。それには純正のケーブルレリーズが付いていたので、これを求めました。家に帰ってテストしてみたらちゃんと動作したのでうれしかったです。

この写真ではよく見えませんが付いているレンズは10年位前に我楽多屋さんで手に入れた500ミリのコムラーレンズです。その時のレンズの黄色いPrice Tagも付いているので、それを見ると特価6000円とありました。

 

 

(2020.1)