熟成?ヴィンテージ?
期限切れフィルムに対する価値観は、カメラ好きな人の間でも随分と差が出るようです。
少し前のこと、「期限切れフィルムは要らないけど、熟成フィルムやヴィンテージフィルムという呼び名だったら興味があるなぁ(笑)」と言われた常連さんがいらっしゃいました。
その前にどんな会話をしていたのかというと、話のキッカケは忘れてしまいましたが「期限切れフィルムを使うことはまずない~」と言われたので、以下のようなことを例に挙げて話をしました。
『若い人を中心に最近、デジタルからフィルムへ関心を持ち始めた人の中には「ちゃんと写らないのがフィルムカメラだ」的な捉え方をしている人もいるようなので、普通にちゃんと写るカメラを勧めるのを躊躇してしまうことがあるんですよ!だから、そういう層を納得!?させるためには、変色や光線被り・感度低下などの悪条件を抱えている可能性が多分にある期限切れフィルムを使ってもらうのも一つの方法かもしれない~なんて思うこともあるんですよね~』と。
そこから話が進んで、「どんな風に撮れるのか?ある程度の目安が分かれば、期限切れフィルムでも使いやすいのに…」と言われるので、「じゃあ、まとめてフィルムを仕入れて、それを長期保管やあえて悪条件で保管する。そうして熟成させたフィルムをテスト撮影して、その作例を添えて同条件保管のフィルムを売れば良いですかね?」なんて結論?になりました。
要は、ヴィンテージワインや熟成肉と同様な感覚ですかね(^^)
でもって、その数日後、いろいろなテスト撮影の結果を見せてくださる別の常連さんが、プリントと一緒にフィルムを3本持って来られました。「友達から5本セットの未開封フィルムをもらって試したんだけど、20年ちょっと期限切れてるとダメだね(>_<)。テストに使えないから良かったらフィルム引き取って!」というのです。
どんな古かろうが、期限切れフィルムがどんな写りをするのか遊んでるお客さんもいらっしゃるので、「喜んでいただきますけど、参考にこのプリントも一緒にもらっちゃっていいですか?」と聞くと、「こんなので良ければ~」とOKしていただけたので、こうやって、今日のネタの参考画像として使わせていただけております。
最後に現実的な話を。通常、発掘される期限切れフィルムって、どんな条件で保管をされていたのかが一切不明ですから、我楽多屋で売る場合は最悪のことを想定して値付けしていますし、それを覚悟で買っていただくしかありません。
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